年金生活・・・50代から準備して、60歳になる前にアーリーリタイアすることができました。
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2018年の公共料金

年金生活本番も、3年目を迎えた。年金記事を書くようになってから5年以上になるが、「老後には月30万円必要」などという荒唐無稽な主張が影をひそめてきた半面、いまだに「貯蓄は3千万円必要」などという銀行・証券・保険ご用達記事は後を絶たない。

負け惜しみでなく思うのだが、貯金はあるに越したことはないがそんなには要らないし、かねてからの私の主張である月20万円で生活することは可能である。年金生活でなくても、それくらいの収入で暮らしている人は山ほどいると思うし、後は何にいくら使うかという工夫次第である。

一方で、「節約」「お得に」ばかり重視するのは本末転倒と思っている。節約は手段であって目的ではない。少ない資源(収入)をどのように有効に使うか、その手段の一つとして節約があるのであって、節約すること自体が目的だとしたら生活は楽しくない。

この年金生活の記事では、毎年初めに、前年の生活費節約状況をお伝えしているが、以前に考えた「生活費20万円計画」との差異も振り返りながら今年もお送りしたい。まず1回目は公共料金について。

2013年には月平均で46,400円かかっていた公共料金は年々節約することができ、昨年1年間の支出は月平均39,100円、奥さんのガラケーからガラホへの切り替えがあったため前年比増加してしまっだけども、それでも20万円生活の予算である月45,000円を大きく下回ることができた。

まず、ガラホ切替えについて。auから、ガラケー対応は2022年までなので早く買い換えてくださいとお便りが来た。私の携帯は当時鳴り物入りで登場したソーラーパネル付で、7年経過した今も快調に動いている。一方、奥さんのガラケーは無料買換えで回してきたのがよくなかったのか、いろいろとガタが来てしまっていた。

そこで、セール中だというのでauに行ってみた。奥さんはパソコンができないしネットもしないのでスマホは対象外だし、気に入ったガラホは無料では買い換えできない。いろいろ割引を使っても27,000円の負担が生じたのだが、まあこれは仕方がない。月平均に直すと2,200円の負担増で、これを除けば前年並みの水準であった。

問題はこれから回ってくる月々の通信料だが、いままでのようにネットにあまりつながなければ、基本料金で足りるでしょうという説明であった。もっとも、読みもしないのに送ってくるセールスメールがあるので、実際にどうなるかは分からない。私の方は2022年にいよいよ使えなくなるまで、使い続けたいと思っている。

電気代については前年より1,000円、12%の増加。内訳を調べると、4.5%が使用量増によるもので、7.5%が単価増によるものであった。使用量増は夏が暑かったことによる冷房増が影響しているが、加えてずいぶん単価が上がっているという印象である。原発処理の影響だろうか。

ガス代は前年比増減なし。同様に内訳を調べると、使用量が-1.1%減少しているのに、単価増により相殺されて料金は増減なしとなったことが分かった。でも、このくらいの単価増で済むのだから、東電の単価増は並み外れて大きいということが分かる。

水道は前年より400円、8%の減。ジムに週4、5回通っていて風呂を入れる日数が減っているのと、2017年にトイレを節水型に更新したのも寄与しているものとみられる。

電話・インターネットは上に書いたとおりで、ガラホ切り替えに関する費用を除けば前年並み。TV・有料放送で1,100円、13.7%減になっているが、これはNFLをDAZNで見ることにしたため、スカパーとNFL NETWORKを使わなくなったことが大きい。DAZNはボクシングはじめ多くのスポーツで先行投資しているが大丈夫なのだろうか。

電気・ガス自由化による乗り換えは、東京ガスが電気一体化を、東京電力がガス一体化を奨めていてよく分からない。たいして値段は変わらないものの、どういう根拠で、一体化すると値段が下がるのだろうか。

切り替えるなら深キョンの奨める東京ガスだが、いまいち二の足を踏むのは、月平均で数十円程度のことで煩わされたくないということが一つと、妙な長期契約で変な解約手数料が生じることには、NTTのフレッツで懲りているからである。

2018年の公共料金(月平均)

費  目 2016年 2017年 2018年 備  考
電  気 9,100円 7,900円 8,900円
ガ  ス 5,400円 4,700円 4,700円
水  道 6,000円 5,400円 5,000円 上・下水道
電話・インターネット 11,900円 11,500円 13,600円 NTT/au/らーばん
TV・有料放送 8,800円 8,000円 6,900円 NHK/CATV/CS
合  計 41,200円 37,500円 39,100円

2018年の準公共料金と税金・保険料

年金生活2019の第二回は、準公共料金と税金・保険料について。昨年までは準公共料金だけ分析していたのだけれど、新聞の解約でほぼ限界まで絞れたように思う。そこで今年から、シニア世代にとって気になるところの税金・保険料について、項立てして検討してみたい。

準公共料金の推移は表のとおり。2017年11月に新聞の宅配を解約した結果、2018年の月平均支出は16,600円となった。これは、年金生活に向けて節約を始めた2013年と比較して約3分の2に減少しており、月20万円の年金生活モデルの20,000円も下回っている。

今後は、これ以上節約するというよりも、健康に気をつけて医療費をこれ以上増加させないという方向にシフトしていくことがよろしいのではないかと思う。

実際、奥さんが方々で耳にして来た話によると、60歳まで全く医者知らずで来た頑健そのものの人が、にわかに脳とか心臓にトラブルを起こし、病院通いを余儀なくされるケースがあるらしい。全く、他人事ではないのである。

灯油・ガソリンとクリーニング関連はおおむね昨年と同じ。ポリテクがなくなって、毎日定期的に車を使うことはなくなったが、車がないと不便きわまりない千葉ニュータウンだからある程度は仕方がない。免許返上する頃には少しは改善されているだろうか。

税金・保険料の明細は表のとおり。なお、2017年の数字は比較のため実数を示してあるが、生活費から出した部分の他に退職金で手当てしていた部分(年金・健康保険)があるので、これまでお示ししてきた数字と一致しないことをお断わりしておく。

以前策定した「月20万円生活モデルプラン」においては、税金・保険料の金額を3万円としていた。ところが2018年に支出した金額は、月平均31,500円で3万円をすでにオーバーしている。

2018年は前年度の所得がなかったため、所得税・住民税が非課税である。また、奥さんの年金保険料も免除になっている。国保の保険料だって、下限に近い数字のはずだ。

にもかかわらず3万円を超えているということは、平年度ベースだとさらに多く支払う必要があるということで、モデルプランの数字で収めることは難しいということである。

とはいえ、健康保険料がこれまでの10分の1になっていることはたいへんありがたいことだ。表2の医療費の数字と比べると、これまでは保険料の方に大きく振れていたが(保険料70対医療費30であるべきところ88対12であった)、今年は逆に医療費支出の方に振れており(40対60)、みなさまの保険料負担により助けられる立場になったということである。

2019年に実際にどれくらいになるのか、正直なところ請求が来てみないと分からないというのが本音で、年金生活者にとって税金・保険料の負担が一大事であることを改めて痛感している次第である。

2018年の準公共料金(月平均)

費  目 2016年 2017年 2018年 備  考
医 療 費 7,100円 5,200円 6,800円
灯油・ガソリン 6,300円 6,900円 6,800円
新  聞 3,500円 2,800円 0円 2017/11解約
クリーニング 2,600円 2,800円 3,000円
合  計 19,500円 17,700円 16,600円
2018年の税金・保険料(月平均)
費  目 2017年 2018年 備  考
所得税・住民税 3,200円 0円
固定資産税 6,900円 6,200円
国民年金 16,200円 4,100円
健康保険 39,000円 4,300円 2018~国保
自動車関連 6,000円 6,100円 自動車税、任意保険
生命保険 6,800円 6,800円 がん保険含む
火災保険 3,000円 3,000円 地震保険含む
その他 3,800円 1,000円 個人賠償、山岳保険
合  計 84,900円 31,500円

2018年の生活費

さて、昨年1年間の暮らしぶりを総括する年金生活2019、最後は年間生活費である。この記事を書き始めた6年前、まだ年金収入は30万円必要などという現実離れした銀行ご用達文章が山ほど流されていた。最近、ようやくそういう記事が減って、18万円の収入でやっていけるかといった、地に足の着いた記事が多くなったのには安心している。

それでも、リタイアまでに貯蓄3000万円必要などという荒唐無稽の記事が減らない。それだけ貯蓄ができる層が広告のターゲットなのだろうが、そういう人達は投資信託でも買わされて後悔すればよろしいのであって、普通に考えれば1桁違うだろうと思っている。

思えば、いまから30~40年前、がんになると1日当り2~3万円の個人負担が必要などという広告を打って、アメリカンファミリー(現アフラック)のがん保険が大きく売上を伸ばした。確かに全員が病室を個室にすればそういう費用がかかるだろうが、病院にはそれに対応するだけのキャパシティはないのである(希望したって部屋数がない)。

やっていることはネズミ講と変わらない。自分ひとり物知りで残りの人がすべてバカならおっしゃるとおりになるかもしれないが、売上を伸ばそうとすればバカの層にも売らなくてはならないので、モデルは破綻する。生活費30万円も貯蓄3000万円も、それに類することだろうと思っている。

このブログでは、月20万円あれば普通に文化的な生活ができると6年前に書いて、その後リタイアして実際の年金生活に入った。2017年は過渡期的ないろいろがあったが、2018年はいよいよ年金生活の本番となり、収入は年金と貯蓄の取り崩ししだけである。

基本的な生活設計として、通常の支出は年金収入で賄っている。その内容をまとめると表のとおりである。多少オーバーしているものの、基本的には収入の範囲内で収めていると言っていいのではないかと思う。

食費は月約4万円で、これは10年位前からその範囲内で収めるよう準備してきた。子供が家にいる時はこれでは無理だが、夫婦2人であれば十分と考えている。

この金額で足らす上で他所のお宅と違う点があるとすれば、外食をほとんどしないということである。それでも、たまに「ほっともっと」でお弁当を買うくらいのことはできる。「ほっともっと」は以前と比べて相当おいしくなった。しかも安い。2人で千円も出せば、とても贅沢で満足するお弁当を食べることができるのである。

6年前の記事に書いた、プラス1万円、プラス3万円(毎月の食費にプラスして贅沢する範囲)は現在では縮小している。ことに「プラス3万円」などは貯蓄を取り崩しても無理であり、年金生活には贅沢とあきらめている。「プラス1万円」の範囲内で、そばとか味噌とかお酒とか、可能な範囲で続けている。

食費を削ろうと思えば「サンキュ」に書いてあることを真似ればもっと削減できる。でも、生活費の1/5程度を食費に支出することにより、日本の産業人口の1/5を農業、漁業、畜産業、食品関連産業に充てることができればと思っているので、どうにかして続けていきたいと思っている。

2018年の生活費(月平均)

費  目 2016年 2017年 2018年 備  考
食  費 51,400円 41,300円 44,000円
生活用品等 18,000円 13,000円 12,400円
公共料金 41,200円 37,500円 39,100円
準公共料金 19,500円 17,700円 16,600円
教養娯楽費 27,700円 22,200円 21,000円 スポーツクラブ
お小遣い 38,500円 25,000円 25,000円
修繕積立金 31,000円 37,500円 20,000円
税金保険料 24,900円 17,600円 31,500円
合  計 248,500円 211,800円 209,600円

まとめ

世の中の節約記事を読むと、衣料・服飾費をいかに節約するかが大きな関心事となっているけれども、私の場合はそれほどのウェイトを占めない。現役の時はスーツとか靴とかが必要経費だが、リタイアしてしまえば普段着だけである。昨年は冬物のトレーナーなど新調したけれど、年間合計して2~3万円、月平均で2千円位で、生活用品を含めて月平均1万円ほどで足りている。

悩ましいのは修繕積立金である。いま現在、工面できるのは月2万円で、これだと自動車関係の税金・車検代と電気製品の買い替えをするとほとんど残らない。本来は家の大規模修繕時とか車の買い替え時に備えたものなのだが、そこまで余裕がないというのが正直なところである。

とは言え、ない袖は振れない。あと何年かすると配偶者加給年金の対象となるので、もう少し楽になるはずである。その余裕もなくなったら、車を買い替えたり修繕をするのをあきらめるしかないが、その時はその時で考えるしかなさそうだ。

先々週の記事で触れたとおり、リタイア前に考えていたより税金・保険料が多くかかっているのは痛いけれども、いろいろな工夫と幸運(酷暑・極寒でなかったこと&原油価格が落ち着いていたこと)に恵まれて公共料金が低めに抑えられたので、それほどの破綻なく暮らすことができた。ありがたいことである。

月々の節約はこれまで述べてきたとおりであるが、年次で発生する支出についても節約に努めている。昨年暮れに貸金庫を解約して年間約19,000円を節減、さらにレンタルワインセラーも3つあるうち1つを解約して年間6,480円を浮かせた。合計して約25,000円、決して小さい数字ではない。

いま考えているのは、JALカードを継続すべきかということである。グローバルクラブの特典は捨てがたいが、リタイアして飛行機を使う回数も大幅に減った。年間2回か3回ラウンジを使うのに1万円以上の支出はどうなのかという気もする。かといって、この歳で解約すれば二度と再びグローバルクラブに入れることはないだろう。5月の継続期限まで、熟考しなければならない。

年金収入で月々の生活費を工面している他に、貯蓄の取り崩しで旅行したりお酒を買ったりしている。おカネは墓の中まで持って行けないし、体だっていつまで無事でいられるか分からない訳だから、使えるのも今のうちと思っている。

ただ、その金額は年間にして20万円前後であって、100まで生きるとしたところで1000万円にならない。しかも、奥さんの年金が出るまであと数年間の辛抱なので、限られた期間のことである。

世の中の銀行ご用達記事によると、年金収入の不足分の補填と何かあった時の備えに3000万円必要なんだそうだが、3000万円の貯蓄ができる層は年金収入だって十分なはずだし、何かあった時の備えなんて何千万あったって足りない。何もトラブルが起こらないように心と体を健康に保つことが、預金残高よりずっと大切だと思う。

大事なのはバランスで、自分の分際を超えたぜいたくはよくないし、逆にケチケチしすぎるのもよくない。孔子いうところの「心の欲する所に従ひて矩を踰えず」が理想の境地で、そういう境地に達することができれば、いつ何が起こっても動揺しないで済むのではないかと思っている。

[Jan 24, 2019]

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