なんとなく思うこと・・・ニュースや世間のいろいろなこと、私が思うことと世間が感じることは違うみたいです。

個人情報保護法って誰のため?    ストライキ    中国の反日運動報道の背景
監禁王子は心理操作に習熟?   


個人情報保護法って誰のため?

来る4月1日から、個人情報保護法が施行される。勤め先でも、この対策で結構右往左往している。

ごくごくかいつまんで言うと、個人を特定する住所、氏名、年齢、職業、電話番号、顔かたち、家族構成、預金、借入、資産などなどさまざまの情報を(一部でも)保有している者は、その管理をきちんとしなさい、ということだそうだ。ご説はごもっともで、それらの情報は厳重に管理されるべきであり、不正使用や流出は罰せられても仕方がない。

ただ、例えば私が(他の人も)困っている、ダイレクトメールや執拗な電話セールスはこれでなくなるのか、というと多分なくならないと思う。というのは、実は以前子供の塾と家庭教師の勧誘があまりにうるさいので、電話帳の記載をやめた(しかもその後引っ越した)にもかかわらず、DMやセールスは全く減らなかったからである。引越し先や家族構成を知りえる者は限られている。金融機関とカード会社である。

それらとの取引においては、信用状況その他を所定の情報機関に提供することを認めないと借入やカード発行が受けられない。「○○カードよりの大切なお知らせです」という封筒に入っているのは大抵保険その他のセールスであることからみて、所定の情報機関にだけ個人情報を提供しているはずがない。いまだに銀行やカード会社から個人情報の使用に対するお知らせが届かないことからみて、従来の運用が変わるとは思えないのである。

一方、今朝のNHKによると、商店街の防犯カメラは、「どの顔の人が、どの店に入って、何を買った」という個人情報を入手するので、設置場所を明示せよという指導だそうだ。防犯カメラに映る場所で悪さをする奴がいるのか?別に顔をみられても構わないから、安心して買い物をしたいという人はどうすればいいの?結局のところ、下々は苦労だけしてあまりいいことはなさそうだ。

それでは誰のために個人情報保護法はあるのか?これにより相当のコンサルティング需要が生じると思われるコンサルタント会社、情報管理のためのソフトやハード(アクセス制限のための指紋認証等)需要が生じるコンピュータ関連企業、入退室管理その他で需要が生じる内装会社、金庫会社、シュレッダー会社、最後にそれらとつながっている・・(以下、自主規制)。

[Mar 28, 2005]


ストライキ

最近はほとんどなくなったが、昔はこの季節になるとストライキで電車が止まることが多かった。当時国鉄だったJRと、その他の私鉄とは大抵日にちをずらしてストを打つのだが、何かの具合で両方止まったりすることもあって、それがまた大変だった。

電車が止まったからといって会社が休む訳にはいかないので、そういう日には会社が宿泊場所を用意した。それが、女子職員はホテルなのだが、男は勤務先に畳と寝具を持ち込んでの泊り込みである。当時はまだ若くて、おっさんたちと泊まるのも嫌だったので、遅くまで女の子たちと飲んで(彼女たちも家に帰る必要がないので)、都心に寮のある人の部屋に泊まったりしたこともあった。そういえば、村上春樹の短編で、線路に挟まれた土地に家を借りてうるさくて仕方がなく、ストの日は天国だったなんてのもありますね。

国鉄にはストライキの他に、順(遵)法闘争というのもあって、これはまたやっかいだった。細かい理屈は覚えていないが、要は本当に諸法令や規定を守って運転するとダイヤ通りにはできないそうで、それをわざとやることにより経営者に嫌がらせをしよう、というものである。実際、始発からそれをやられると、ラッシュ時には相当な遅れになり、電車もホームもあふれ返ってますます安全確認に時間がかかってダイヤが乱れて、というようになる。全く止まってしまえば他にやりようもあるが、なまじ動いているだけに利用者も使わざるを得ず、たいそう迷惑したものだった。

ストは電車だけではなく、競馬の厩務員ストなんてものもあった。それで実際に開催がつぶれたこともある。トウショウボーイが勝った皐月賞(昭和51年)は府中で行われているのだが、これは中山開催がストでつぶれて、翌週の府中にずれ込んだことによるものである。当時は今ほど競馬人気はなかったのだが、それでも由緒あるクラシックレースの日程をストでずらすとは何事か、といった論調もあった。

でも、よく考えてみれば、毎年給料が上がっている時にさんざんストをやっておきながら、給料は上がらない、リストラで雇用も守れないという時にはほとんど何もしない、というんだから、組合だの何だのってのもほとんど信用ならない。昔から「労働貴族」なんて言葉もあるように、彼らは彼らで一種の特権階級なんだろうとは思うし、それが世間だということもこの頃ようやく分かってきたけれども。

[Apr 09, 2005]


中国の反日運動報道の背景

昨日、今日と新聞でもNHKでもトップニュースは中国の対日運動激化である。実際、現地で仕事をされている方は並々ならぬご苦労をされていることとお見舞い申し上げる次第であるが、一方で北京、上海での抗議行動、東シナ海でのガス田問題と続くニュースを見ていて、やや意図的な匂いを感じたことも確かである。

例えば、日本大使館に投石をしているデモ隊の人たちをみると、あまり殺気立っているようにはみえない。警備もちゃんと行われているし、確かに投石するのは良くないが、駐日大使が「あれくらいのことでガタガタいうな」と言う(顔に書いてある)のも無理ないような気もする。人数も公称一万人だから、実際にはもっと少ないだろう。はっきり言って、北朝鮮のイラン戦のときの方がよっぽど怖かったように思う。

確か、このニュースの前は竹島問題だった。新聞・テレビが一斉報道をするということは、独自取材ではなくニュースソースは外務省記者クラブである。本来であれば、邦人の安全確保、自国領土の保全を図るために、国防、軍備をどう考えるかという問題提起に発展するはずであるが、そうした兆候は全くない。だとすれば、外務省の狙いは何か?

きわめて好意的に考えると、6月のワールドカップ予選まで対北朝鮮問題を忘れてほしい、という意図的リークであろうということである。外務省の悲願である北朝鮮との国交正常化は、仮に今回のサッカーで選手、スタッフ、民間人に一人でもけが人が出たら、十年単位で遅れることになる。それを避けるために、北朝鮮問題から国民の関心をそらすとともに、「中国も韓国もこんなに怖いんですよ。北朝鮮ばかり目の敵にしなくてもいいんじゃないですか」という逆イメージ戦略であろうということである。

しかし、それは好意的にすぎるかもしれない。もしかすると、外務官僚の頭の中は、いま見直し論議が進んでいる対中経済援助(ODAや円借款)をいかに存続させ、その利権を維持するか、ということで一杯という可能性もある。その利権たるや、ノンキャリアのロジ担が愛人を囲ったり競走馬を買ったりできるくらいのものなのだから、キャリアの高級官僚にどんなうま味があるのか見当もつかない。

「ほら、中国で商売をするためには、やっぱりわれわれ外務省の力(=経済援助)が必要でしょう。」とアナウンスすることに今回の報道の目的があるとすれば、声の大きさよりも報道の内容をよく検証しなくてはならないと思う。

同じテーマ、それも政治的な話題を2週続けて書くのは気が進まないが、非常によろしくないと思うのであえて書く。中国の反日運動に対するマスコミの取り上げ方である。

そもそも、今回の反日運動は何が発端となって起こっているのかを新聞・テレビはほとんど言わない。せいぜい、「歴史問題等で反発を強めている云々」などとあいまいなことを言うだけである。そんなことはデモ参加者のプラカードや横断幕を見れば分かる。「日本の国連安保理常任理事国入りに反対する」である。

もともと国際連合United Nationsとは、第二次世界大戦時の「連合国」である。もっといえば、日本で戦前言っていた「ABCD包囲網」である。その国連の中枢に、何で日本が入ろうと画策するのか、おかしいではないか、というのが中国民衆の言い分であり、全くもってその通りである。日本が一番カネを出しているとか、イラクにだって自衛隊を派遣しているなどというのはあくまで日本の言い分であり、それに反対するのはその国の自由である。

靖国神社に誰がいつ参拝しようが、歴史教科書にどのような考え方が載っていようが、それは日本の国内問題であり他国にどうこう言われる筋合いではない。もっといえば、憲法改正(9条問題)だって日本国民が決めることである。

しかし、国連常任理事国入りは純粋な国際問題であり、これに近隣諸国がどう反応するのかということは、意思決定において非常に重要な要素であることはいうまでもない。それをごっちゃにして、「中国は歴史問題で反発を強めている」などと報道するのは、きわめてアンフェアである(その背景に、対中経済援助利権を守りたい外務省の思惑があることは前回述べた)。

もちろん投石や店舗破壊がいいといっている訳ではないが、デモ行進を行ってスローガンを叫んだり、人や物に被害を及ぼさない範囲で「示威」を行うのは、正当な意見表明の一つと考えるべきであり、「回復不可能な損害」を被った訳でもないのに「謝罪と補償」を要求する日本政府も何をかいわんやである。ましてや、自らの取材と分析で報道すべき新聞やTVがこの体たらくでは、とても北朝鮮のことを笑えない。

[April 18, 2005]


監禁王子は心理操作に習熟?

世の中平和なのか、青森出身のぼんぼん犯罪者の話題で盛り上がっている。もちろん、未成年の少女監禁などとんでもないことだし、被害者の方々にとっては大変お気の毒なことなのだけれども、一種興味本位な取り上げ方をされるのは事件の性格上仕方がないところかもしれない。

その報道の中で「?」だったのは、「容疑者は心理操作に習熟しており、はじめは被害者の相談に親身に乗るふりをして、自宅マンションに連れ込んでから豹変して云々」といったくだりである。考えればすぐ分かると思うのだが、これを心理操作というのなら、キャッチセールスもオレオレ詐欺も結婚詐欺も食い逃げをする人もみんな心理操作のプロである。

もしかしたらこれを書いた記者は、心理学というとなにやら人の心の動きや深層心理を深く研究する学問で、これを極めると他人を思うままに動かすことができるという幻想を持っているのかもしれないが、それはあまり当を得ているとはいえない。

実は私自身、昔はフロイトとかユングとか精神病理に興味があって心理学の講座を受講したのだが、開けてびっくりそこには「心」も「精神」もなくて「認識」について勉強する学問なのであった(もちろん今ではもう少し違ってきているのかもしれないが)。

だから、ネズミが迷路を走ったり、サルの赤ちゃんにどの絵を見せると母親と認識するかということが多く、あまり面白くない講義であった。「ゴルゴ13」や「TBSオウム報道」で有名になったサブリミナルについても、実際に効果があるとは証明されていないはずである(もし本当に効果があるならば真っ先に軍事的に利用されていると思われる)。ましてや、どのように操作をすれば「奴隷」や「ハーレム」を作れるかなどということに体系的な理論や知識がある訳がない。

「調教もの」のエロゲーでそうした体系的な知識が得られるのなら、「ときメモ」をやっている奴はナンパのし放題、ドラクエをやっていればみんな剣の達人のはずだが、そんな話はあまり聞かない。思うに、ぼんぼん犯罪者はゲームで物足りずに現実の少女で試したくなり、同じようなことを何人かにした中で、たまたま被害者の子がうまくいった(彼にとって)ということに過ぎず、それ以上でもそれ以下でもない。

おカネがあってルックスが良いのだから、もう少しうまくやれば犯罪にはならないですんだような気もするが、きっとあまり頭が良くないんだろう。そんなにハーレムが作りたければ、東南アジア某国で実際にそんなことをしている奴がいたような気もする。そもそもそんなに女性を集めたってうるさいだけであまり楽しくないように思う。私ならアンナ・ミラーズ(古い!)の制服を着せたかわいいメイドさんが一人いれば十分だが。

[一部、女性の読者にとって不適切な表現がありましたことをお詫びいたします]

[May 14, 2005]


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