年金生活・・・50代から準備して、60歳になる前にアーリーリタイアすることができました。
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2022年の公共料金

例年通り、今年も昨年一年間の家計を振り返る「年金生活」をお送りするのだが、今回は過去十年にない厳しい家計状況であった。というのは、食費も公共料金も税金(介護保険!)も上がり、年金収入ではどうにも相償わないのである。

こういう状況なのに、TVではワールドカップや統一教会、防衛費や政治資金規正法違反ばかりやっていて、年寄りの生活が苦しいことなどニュースにもならない。食えない訳ではないので我慢しろということなのだろうか。

ロシアが勝手に戦争を起こして、それが原因で欧米主要国がロシアからの輸入を禁止して、結果的に需給がひっ迫してエネルギー価格が急騰した。日本政府が悪い訳ではないのだが、何とかしろと言いたくなるのはやむを得ない。

海外ニュースをみると、フランスやドイツではガス価格が倍になり、工場も農家もやっていけないと言っている。日本はロシアからの輸入に頼っていないが、海外市況に連動して輸入価格が上がるのは止めようがない。

2022年の電気代(月平均)は11,000円、2021年と比べて32%増である。使用量が4%増えているけれども、単価が3割近く上がっているということである。

昔は、公共料金の値上げにはいろいろと手続があったものだが、現代は市場価格の変動でフレキシブルに価格が変えられる。下げる時はなかなか下げないが、上げる時には容赦なく上がる。払わないと止められるだけである。

電力自由化で東京電力から買わなくていいようになったけれども、こうなるとどこから買っても五十歩百歩である。そのせいか、出川のコマーシャルも見なくなったし、オール電化とも言わなくなった。

今年も状況は変わらない。ヨーロッパの状況をみると、さらに上がってもおかしくない。冬が暖かく、夏は涼しくなることを祈るしかない。

ガス代は月平均8,700円、前年比27%増である。電気ほど増えていないのは使用量が2%減っているからで、単価が3割近く増えているのは電気と同じである。

わが家ではガスを使っているのは給湯器だけで、暖房にはガスは使わない。エアコンだと設定温度を下げれば節電できるが、お風呂の温度を下げると寒くて入っていられない。意識的に節約するのはたいへん難しいのである。

電気・ガス合計すると、月平均5千円の負担増である。これはたいへん大きい。なにしろ、年金額が変わらないのである。

水道料金は13%増の月8,600円。そんなに多くなっているとは思えないのだが、夏場の使用量が増えている。毎日お風呂に入る冬とたいして変わらないのはなぜだろうか。

電話・ネット代は昨年のスマホ切り替え以来基本料金しか使わないので微減。諸物価値上りの中ありがたいことである。一方で、有料放送は月約3千円増えて2年前から倍増した。

この2年間で増えたのは、グリーンチャンネル月1,100円、アマゾンプライム月550円とアメフトのGAME PASS年間約3万円である。NHKより見る時間は全然多い。

月3千円は小さくないけれども、これで楽しませてもらっているとすれば許容範囲内かもしれない。その倍近い金額を電気・ガスの値上りで支出増なのだから、世の中の人達が黙っているのが不思議である。

2022年の公共料金支出(月平均)


2022年の準公共料金

(準公共料金とは、私の家計管理上のジャンルで、銀行口座引落しでないけれど公共料金と似た性格の支出です。)

準公共料金は2021年より約5千円下がって、月平均16,200円であった。こういう時期にたいへんありがたいことである。

医療費は2021年には歯の治療や帯状疱疹で多く支払わなければならなかった。今年はそういった突発経費がなかったので、月6,300円に抑えることができた。

国保保険料が月平均15,300円だから、実際の支払いは29%で、ほぼ3割負担となる。世間一般ではもっと医者にかかったり薬を飲んでいるように思うのだが、これで平均ということは健保財政が赤字ということである。

クリーニングは2021年末に掃除した台所の換気扇クリーニング分だけ減って、平年度ベース。そして、灯油・ガソリン代がほとんど増えなかったのはありがたかった。

全国的にみると、レギュラーガソリンの中心価格帯は2021年の130円台から2022年には150円台とかなり値上りしているのだが、わが千葉ニュータウンでは140円台にとどまっている。少なくとも、電気・ガスのように3割増ということはない。

これは、政府が石油元売り各社に出している補助金の効果も大きく、たいへんありがたいことである。1割の単価増であれば、節約で対応することがなんとか可能である。

補助金の財源は税金であるので、いずれインフレで跳ね返ってくることが予想される。それでもありがたい。年寄りはいつまでも生きている訳ではないのである。

2022年の準公共料金支出(月平均)


2022年の税・保険料

2022年の税金・保険料は下表のとおり。2021年より月約6千円上がったが、これはほとんど介護保険料の増加によるものである。

介護保険料が取られるようになると厳しいということは多くの方にアドバイスいただいていたが、本当に厳しい。国保と同じで所得控除がないので、年金収入だけの人からもしっかり取るのである。

もちろん、介護の必要があるかないか確率の問題が大きいから、公平に負担することはやむを得ない。そして、高齢化社会が進めば、介護保険制度自体も赤字を避けられないだろう。

お代官様には逆らえないのであきらめるしかないし、介護を受ける側よりも保険料を負担する側の方がずっとストレスは少ないだろう。ストレスを増すよりはおカネを払った方がいい。

それにしても、3年間並べてみると、国民年金保険料で減った分だけ介護保険で増えている。国としては、何とか言い訳をつけて納めさせたいのだろうか。それとも、そのくらいの金額にわざわざ設定したのだろうか。

表の中で自動車関連が増えているのは、車検の際支払う税金と強制保険を修繕積立金から出せなかった(使い込んでしまった)ことによるもので、実際はそれほど増えていない。

コロナで遠出をしなかったせいで、前年度走行距離が減って任意保険料が減額となり、加齢による増をカバーしてしまった。

2022年の税金・保険料支出(月平均)


2022年の生活費

さて、他の支出も含めた2022年の生活費は下表のとおり。月平均23万6千円余りで、収入の20万円を大きく上回っている。しかも、昨年までできていた修繕積立もできていない(どころか、使い込んでいる)。

なぜこのような破滅的なことになっているのかというと、大きな原因はエネルギー価格の高騰をはじめとする諸物価値上りと、介護保険料の高負担である。いずれも、個人で努力できる範囲を超えている。

食費は2021年より1万円増。65歳で年金満額出るのを見込んで多くなった部分もあるが、体感で2割高くなっている肉類・乳製品や調味料類の影響も大きい。野菜がそれほど高くなっていないのが救いである。

わが家の場合、糖質制限で主食類の購入が減っており、その分たんぱく源の購入が増えているので節約に限りがある。医療費の支出が減っているので糖質制限の効果はプラスだが、おカネがかかることは間違いない。

衣料・生活用品は2021年に増えた分がそのままとなってしまった。耐用年数が来ている衣類が多く、基本的に一日同じものを着ているので傷むのが早い。

生活用品も値上がりしている。トイレットペーパーが400円台から600円台となっていて、クイックルワイパーなどの消耗品もあまり安売りしなくなった。

公共料金、準公共料金、税金・保険料は先週までご報告したとおり。何十年かぶりで、インフレの影響がじわじわと広がっている。

お小遣いは月平均4万円で変わらないが、年に何回か補充するだけで、基本は私が月2万円、奥さんが1万2千円である。奥さんには他にパート収入があるので、自由に使える額はもう少し多い。

月に2万円にはようやく慣れてきて、5千円はお遍路再開に備えて詰みたて、5千円は山に行くときのためによけておくので普段使えるのは月1万円である。

就職して以来、これほど切り詰めた生活はしたことがなかった。なるべく遠出はせず、1回420円の公営ジムや無料のランニングで体を動かし、月1万円のほとんどをお酒と昼食に使っている。 お酒といっても発泡酒とチューハイで1本100円内外。毎日飲まないから2~3千円くらいだろう。昼食はグラノーラが1袋で400円を5日くらい、缶詰やいろいろで同じくらい。1食平均100円内外だから、現役時の8分の1か10分の1だろう。

そういう毎日だから、公共料金のところで書いたグリーンチャンネルやアマゾンプライム、GAME PASSの視聴料は必要経費的なところもある。TVもつまらないしYouTubeも広告ばかり。年寄りの息抜きになるものがそれくらいしかないのだ。

ブログを書き始めた頃は海外のカシノで遊び回っていたのだから、すごい変わり様である。コロナでそういう時代ではなくなったのでそれほど寂しくないが、単におカネがなくて行けなくなったとしたらどうだっただろうと時々考える。

[Jan 30, 2023]

2022年の年間生活費(月平均)


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