せいうち・・・セイウチ科セイウチ属の肉食獣で、北極圏に生息する。体重は成獣で500kgから1200kgに達する。最初は減量日記で始まりましたが、日々は移ろい、リタイア生活の徒然日記になりました。
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41地震の後    42今年のGW    43浅草橋のあぶない人々    4410連闘
45ワンクール    46再びダイエット    47ワインセラー    48節電の夏の終わり
49ダイエットの源流    50サラリーマン生活最後(?)   


地震の後 ~せいうち日記41

震災から10日余りが経過した。マスコミの関心は原発報道に移りつつあるが、いまだ津波被害の実態は明らかになっておらず、北関東以北の交通もいつ正常化するか見当もつかない。

放射能による農作物・海産物への影響はこれからますます出てくるはずで、知らずに食べる分には問題ないなどと気楽なことを言っていられる状況ではないと思っている。食物の毒性と一口にいっても、その中には急性毒性、慢性毒性、特殊毒性がある。そして特殊毒性の中に、発ガン性とか遺伝的毒性があるが、そうした毒性の影響は実験するには時間がかかりすぎて、急性毒性のようにはっきりした結論は出にくいのである。

確かに放射線は自然界にも存在するので、普通に測定される程度は問題ないとみることは可能である。ただし原子力発電というのは、自然界に存在しない放射性物質を使うものであるから、それが自然界に露出した際どうなるかはほとんど予測不能といっていい。そして、塩だって鉄だって過剰に摂取すれば人体に悪影響があるのに、放射能にはそれがないと言い切れるだけの根拠は誰も持っていない。

そして、いくら水を撒いたからといって、火事じゃないんだから放射能がなくなるはずがないのである。今はやりのマンガでいうと、「うんち」はおむつからはみ出さないかもしれないが延々と「おなら」はするのである。それを止めるためには、「うんちの入ったおむつ」を何とかしなければならないが、誰がどのようにそれをするのか新聞にも書いてないしテレビでも言わないのである。

そんなこんなで、先週の3連休はずっと家にいた。大好きな東北道も常磐道も先に進めない状態だし、そもそもガソリンが手当てできない。もっというと給与振込の元受がみずほ銀行なものだから、給料日だというのにお給料が入ってこない。

幸い、ガソリンは今週中には出回るようになるらしいが、貴重な燃料は被災地の復興にまず優先的に使われるべきであるので、当分レジャー目的に使用するのは自粛すべきであろう。そろそろ山菜が出始める時期でこしあぶらを探しに行きたいのはやまやまだけれど、ガソリンの調達に加えて放射能の影響を考えると二の足を踏んでしまうのもだらしないところである。よく考えれば、今年危ないとすれば来年はもっと危なくなってしまうのだが。

そういえば、連休中に1日10時間以上寝ていたときに、いろんな夢をみた。一番印象的だったのは、アポロ宇宙船の帰還船(アポロチョコレートみたいなやつ)に乗って大気圏外から地球に帰ってくる夢である。宇宙船の窓から、天の川やプレアデス星雲の一つ一つの星までくっきり見える。そして隕石の間を抜けて、いよいよ地球に近づくと無数の流れ星が見えるのである。

ああ、この景色を見られたから、もう思い残すことはないと思った。でも、無事に太平洋に着水して、近くの軍艦からボートで迎えに来るところで目が覚めた。何でこんな夢を見たのか不思議だったが、この記事を書いていて分かった。おそらく、ずっと放射能のことを考えていたせいであろう(宇宙空間には高エネルギーの放射線=宇宙線が飛来している)。

[Mar 22, 2011]

今年のゴールデンウィーク ~せいうち日記42

>世間一般では10連休のところも珍しくない今年のゴールデンウィーク、昨年から引き続いてハードな職場なものだから、私にとっては飛び石連休だった。

暦どおり2、6が出勤なのは仕方ないとして、30日、4日、5日、7日が休日出勤で、休みなのは29、1、3、8日の4日間。連休なし、振り替え休日など昨年以来ほとんど取れていない。ため息が出てしまうほどハードなのだけれど、もともとゴールデンウィークに出かけることは少ないし、お気に入りの東北へは今年は行きづらい雰囲気である。

飛び石の休みを利用してやったことの第一は、DVDとCDである。WOWOWで「TRICK劇場版」を3本続けて見て、それにあき足らずテレビ版を見たくなり「どんとこいデフレBOX」(シリーズ1から3から1本ずつ計3作が収録されている。)を購入してしまった。

そして久しぶりにTSUTAYAに行って、しばらく前からiPODに録音しようと思っていたperfumeのCDを2本借りてきた。いま主に使っているパソコンは「ネットブック」というやつなので、CDもDVDも入らない。外付けのはあるのだがめんどくさくて、時間に余裕があるときでないとこういう作業をしようという気にならないのである。

そして2本をiPODにインポートした。かなり気に入って、通勤途中にずっと聴いている。いまのiPODは2代目で、ベスト25(最もよく聞いている曲)の上位にはAKBとかクレモンティーヌが入っていたのだが、「マカロニ」だの「チョコレート・ディスコ」だのが上位に進出してきた。奥さんから耳が若いと言われてしまった。

もう一つ今年のゴールデンウィークに時間をかけたのは、村上春樹の「1Q84」である。

最近の村上春樹はずっと期待外れなので、自分で買うのは図書館で借りて読んでからにしようと思っていた。1年くらい前に予約したのだが予約件数が100近くあって、なかなか順番が回ってこない。GW前にようやく1冊だけ順番が来た。それもBOOK2である。まあ、仮に面白いのであれば途中だけ読んでも面白いはずだから、ここから読み始めてみた。

これが、面白かったのである。久しぶりに、初期の村上春樹の作品のテイストがあって、これはいいぞと思った。BOOK2の真ん中あたりまで読んで(教祖が殺されるところ)、これはもったいないと中断して、本屋に行ってBOOK1から3まで買って、最初から読み返した。読み終わったのが連休明けの昨日だから、ゴールデンウィークのあいだ中読んでいたことになる。

結論から言うと、一番面白いのがBOOK2の前半だったのだけれど、まあ最近の作品の中では読み返すに足るものと言えるのかもしれない。ただ、どうなんだろう。あと何十年か経って、この作品が残るかというとちょっと首をひねるところかもしれない。

例えが古いかもしれないが、明治の文豪・夏目漱石の作品で「坊っちゃん」「我輩は猫である」以外を読んだという人がどれだけいるだろうか。この2作は初期の作品であり、朝日新聞の専属になってから書かれた(漱石円熟期の)作品とされる「虞美人草」「三四郎」「こころ」あたりを読んだという人はあまりいないのではなかろうか。

村上春樹も、いまだに読み返すのは「風の歌を聴け」から「ピンボール」「羊」までの3部作(ダンス・ダンス・ダンスは入れたくない。)と初期の短編である。もしかすると、後世まで読み継がれるとすればそれらの作品であって、コマーシャルベースでどれだけ成功したとしても、それ以降の作品ではないような気がするのである。

確かに「空気さなぎ」は作中作品としてよくできていると思うけれど、わたし的には「羊」の中のアイヌ青年の話の方が好きである。まあ、買ってしまったからこれから何度も読み返すことになるはずなので、もしかして感想が変わってくるのかもしれない。

[May 10, 2011]

浅草橋のあぶない人々 ~せいうち日記43

私が通勤に使っている北総線は、高砂から京成線になり、押上から都営浅草線になる。さらに泉岳寺から京浜急行となり、成田空港から羽田空港まで東京を横切って走っているのであるが、私の通常の経路は浅草橋からJRに乗り換えて新宿方面に向かう。

都営浅草線といえば、30年前には少々雰囲気の違う地下鉄であった。日本橋から銀座にかけて営団銀座線と並行して走っており、この地区に通勤する人は銀座線と都営浅草線のどちらを選んでもそれほど違いはなかったのであるが、あえて都営線で通う人はいなかった。電車の雰囲気、駅の雰囲気、乗客の雰囲気、すべて違ったからである。

(そういえば、当時は阪神間の北の方を走る電車と南の方を走る電車についてもそういうことが言われていた。)

さて、浅草橋でJR・都営浅草線を乗り換える乗客の中に、これはちょっとあぶないのではないかという人がいた。年齢は私と同じくらい(50代半ば)の男性で、一見サラリーマンのようなスーツを着ているのだが、階段を上り下りする間、断続的に「うぉーーっっ」と大声を上げるのである。

後ろからこれをやられたら、びっくりして階段を滑り落ちる人がいないとは限らず、大変に危ないことだと思って見ていた。この人は都営線のホームの端の方でも引き続き大声を上げており、時折興が乗るといきなり腕立て伏せすることもあった。この後、泉岳寺方面の電車に乗るのだが、一緒の電車の人は災難だなぁと思ったものであった。

気が付くとこの人を見ることが少なくなり胸をなでおろしていたところ、最近になって新手が現れた。今度は40代くらいの背の低い女性で、やはりスーツを着ているのだが、前任者と同様数十メートル先にまで響き渡る大声を上げ続けるのである。そして前回は意味不明の大声だったが、今回は周囲の人たちを大声で罵倒しているからやっかいである。

「どけおらーー」「もたもたあるいてんじゃねぇーー」「右側通行だろうどこ歩いてんだーー」「ホームで立ち止まるんじゃねぇよー」などなど。この人は定期とかスイカを持っていないのかそのたびに自動販売機で切符を買うのだが、ときどき自動販売機にもどなっているので、まあそういう人なのである。

さて、浅草橋駅には週に一度くらい祭り半纏にねじり鉢巻きをして、「よっしゃー!」「いってらっしゃい!」「今日も元気出していきましょうー」と駅から下りてくる人々に気合を入れているおじさんがいる。こちらはおそらくそれなりのポリシー(明るくあいさつ運動?)を持っているようであぶない人ではないと思うのだが、今朝はこの気合おじさんと罵倒おばさんが接近遭遇した。

「よっしゃー。行ってらっしゃい」
「うるせーじじい。大声出してんじゃねえよー(と大声で)」

といっても罵倒おばさんは、あさっての方を向いて大声を出しているのだが、しばらくは気合入れおじさんの声が小さくなったのは、やっぱりこちらは普通の人だったんだーと思ったものでした。

[Jun 2, 2011]

10連闘 ~せいうち日記44

連闘とは、毎週土・日に行われる中央競馬で2週続けて出走することを指すが、サラリーマンの場合は休みなしに働くことをいう(w)。

最近、「週休二日って何の話?」状態になっているのだけれど、その中で1週間無理やり休もうとするとどうしても前後にしわ寄せが来る。来週はどうしても休みをとりたいので、今週の土・日はなくなった。さらに、今のところ7月は約20年ぶりに週休一日制に復帰する予定である。

まずは今週の月曜から10日連続勤務である。ちなみに、明日から出張で朝8時から夜10時までの仕事。出張の仕度もあるので、今日の午後はお休みさせてもらった。それで今週初めてのブログを書いている訳である。

休暇前は金曜日くらい他人の顔をみてポーカーし、勝負勘を取り戻す予定でいたのだが、残念ながら先々週神田で2、3時間ポーカー卓を囲んだのみである。リバイがあったためか序盤からラフな展開で、できればもう1日と思っていたのだけれど、出発の前の日まで仕事で、リハーサルどころかこれ以上仕事が押すと3年連続キャンセルである。

人数は減り仕事は増えているのに、このご時世やむを得ないとはいえいよいよ給料引き下げが本決まりとなった。あるいはこれが最後のラスベガスになるかもしれないというのに、このハードスケジュールはどうしたことだろう。行けるだけありがたいと思うべきなのかもしれない。

10連闘のピークは明日から週末の出張、東京に戻ってそのまま仕事という月曜まで。あとの火・水は会議と残務整理である。何とか、突発事件さえ起こらなければ1週間後のこの時間には成田空港にいるはずなのだが、さてどうなるでしょうか。

2011 42nd Annual World Series of Poker
Fri,Jun 17th 12:00(3-day Event)
Event #30 Senior No-Limit Hold'em Championship(Must be 50 year of age or older)


10連闘の山場、週末の出張を終えて、8闘目の夜である。今回の出張は8時半から21時半までだったので、仕事以外はホテルで寝て朝ごはんを食べるだけであった。

とはいえ、今週はただハードスケジュールをこなすだけでなく、体力を残して休暇を迎えなくてはならない。その意味で、いくつか心がけなくてはならないことがある。自らに言い聞かせる意味も込めて、ちょっと書いてみる。

1.仕事のハードルを下げる

どうしてもフルに仕事をしたくなるが、普段でも目一杯がんばってしまうのは考えもの。先に延ばせるものは先送り。余計なことはしない言わない。きっと帰ってきても仕事はそのまま残っているのだ。

2.深酒は禁物

生活が不規則になっている場合、体調をくずす原因の一つが深酒。心して軽くすませる。今回の出張ではホテルに大浴場があったので、風呂のあと1缶だけスーパードライを飲むというのが日課だった。近くにコンビニがないせいでもあったのだが。経験上、出先で日本酒や焼酎を飲みすぎるのは非常によくない。

3.できるだけ眠って体力回復

深夜時間帯に仕事がずれこまない限り、できるだけ真夜中前には眠り、少しでも体力を温存する。やっぱりユニットバスより大浴場に入った後がよく眠れるが、神経が高ぶって眠れない場合、この際だから早めに薬に頼る(あと何年もサラリーマンをやっている訳ではない)。今回はメラトニンを持っていった。

体力を消耗すると、風邪を引いたり、風邪の症状でもある口内炎や目・耳・鼻の不調に悩まされる。以前、海外遠征の直前にものもらいがてきて、大変に困ったことがあった。おかげさまで、いまのところ順調なので、あと2日、何とか無事に過ごしたいものである。体調もだけど、もちろん仕事も。

またまた出張先のホテルからの風景。大雨でちゃんと飛ぶか心配でしたが、ちゃんと飛びました。


[Jun 13, 2011]

ワンクール ~せいうち日記45

クールとは日本の放送業界用語で、四半期のことを指す。いまの連続ドラマはほぼ1クール完結になっていて、3、6、9、12月末には特別番組となり翌月初に番組編成が変わる。「シーズン」もほぼ同じ意味だが、クールという方が何となくしっくりくる。両方とも外来語だし、クールの語源も定かでないのに、妙なものである。

Wikipediaによれば「ドイツ後のKur」「フランス後のcours」といった説があげられているが、英語にするとそれぞれcureとcourseだから、近いとはいってもちょっと意味が違う。おそらくナイターとかと同じく日本由来なのだと思うが、季節感のない一定期間というニュアンスを表す際には使いやすい言葉のようである。

さて、6月はラスベガスに行った他にわが家には大きなイベントがあった。長女が結婚して家から出て、奥さんと二人の生活になったのである(長男は何年か前から独立している)。

結婚したのは、ロサンゼルスオリンピックが開かれる前の冬だった。だから新婚旅行はロサンゼルスに行った。今なら自分でアレンジしていろいろできるのだが、当時はツアーで連れ回されただけである。ドルも280円くらいとすごく高くて、80円の3倍以上。ビジネスに乗れるくらいの値段でエコノミーのぎゅうぎゅう詰めの飛行機に乗ったのだった。

それから27、8年。家族が2人から3人、4人と増え、長いこと4人だったのが3人になり、先月元通りの2人になった。十二年前に家を建てた時、子供が独立したら部屋数が多すぎるので2階の1部屋をなくして吹き抜けにしたのだけれど、ついにその構想が役立つ時が来たことになる。

まだまだ新米の老夫婦ではあるけれど、1クール終えたという感想である。四半期と四半世紀もちょっと似ているし、ドラマで言えばひとまず完結ということである。幸いにもともと飲み友達が夫婦になったものだから、ワインを飲みながら話すことにはこと欠かない。それほど生活のペースを変えずに毎日を送れるのはよかったと思う。

一方で意外だったのは、なぜか結婚前にしたかったいろいろなことを思い出したことである。30年前、将来は北海道に移住して涼しいところで生活したかった。この頃そのことを折に触れて思い出すのは、節電で電車の中や会社が暑いせいだけではないような気がする。

[Jul 5, 2011]

再びダイエット ~せいうち日記46

6月にラスベガスに行くためにかなり無理をしてしまったため、5月くらいからハードスケジュールとなり、この7月もまともに休みもとれない日々が続いている。今週は木~土に出張、そのまま日~火が出張。続けて来週は水曜日から土曜日まで会社で、次の完全オフは10日先の日曜日となる。

そんな具合だから、春頃まで定期的にプールに行っていたのも、5月以降全く無理な状況となった。いくらハードだといっても基本は機械を見張るのが仕事だから、運動しなければ体に悪影響が出る。とうとう、この間医者に行くとこんなことになった。

血糖値も上がってるしヘモグロビンA1cも高い。血圧も上がってる。これは薬増やさなきゃだめだなあ。」

「このところ仕事が忙しくてほとんど休んでなくて、ジムにも行けてないせいだと思います。」

「糖尿病の人は動脈硬化の危険があるから、このくらいの血圧だと降圧剤飲まなきゃいけないんだよね。」

「いえ先生!これはこのところジムに行けてないせいなので、来月まで体調を整えてきますから、もう一度数値を見ていただければ。」

「じゃあ、本人の強い希望により投薬しないって書いておくから。」

こんな次第で、薬を増やさないためにはとうとう待ったなしでダイエットをしなければならない状況になってしまった(最近また給料が下がって薬代も厳しいのである)。実は奥さんが体重計を収納の奥深くしまっていて、取り出すのがめんどくさいので毎月適当な体重を申告していたのだけれど、、改めて測ってみたら申告した体重より5kgも重かった。これはいけない。

もう一つめんどくさがっていたのは、隣の駅にあるプールに行くことで、最近家の周りにマンションや戸建て住宅が増えてきており、それに伴って道路が非常に混むので行くのが面倒なのである。最寄り駅の近くにもプールはあるのだが、こちらは民営で月8,400円。隣の駅は公営で一回400円。月に21回行かなければ元が取れない。

でもそんなことも言っていられないので、入会金と一ヶ月半分の会費約15,000円を払って、最寄り駅近くのプールに行くことにした。夜10時までやっているので仕事が早く終われば平日でも体を動かすことができるが、いまは出張先なのでそれも無理である。

とりあえず昼の弁当をカロリーメイトとコーヒーにして、プールに2回行って、昨日まで3kg落とした。家の奥さんに言わせると、「パパの1kgは普通の人の100gぐらいだから、気にするだけでやせる」そうである。この真偽はさておき、あと少なくとも2kg、できれば5kgくらいは落として、次回の検査を迎えたいものである。

[Jul 21, 2011]

ワインセラーがやってきた ~せいうち日記47

さて、先週通勤中に鞄を持ち去られてしまい、一時は数万円の出費を覚悟したのだけれど、幸い無事に戻ってきた。クレジットカードやキャッシュカードは数時間とはいえ手許を離れたため再発行手続きをとらざるを得なかったが、まあ手数料程度は仕方がない。そこで、以前から数万円出すのが惜しさにがまんしていたある物を、この際買ってしまおうという気になった。

そのある物とは、ワインセラーなのだ。さすがに百本くらい入る本格的なものは二十万円以上するのでなかなか手が出ないが、最近個人用で二十本程度入って数万円のものが出ている。これが近くのケーズデンキに展示されていたので、前から欲しかったのである。

前から欲しかったのがさらに気になるようになったのは、最近ワインを1本酸化させてしまったからである。わが家の場合、買ったワインは床下貯蔵庫に泡盛と一緒に置いてあって、飲む前に冷蔵庫で冷やして飲むというのが定番であった。年代ものをじっくり寝かせる訳ではなくせいぜい数ヶ月で飲み切るから、これまでのところは特に問題はなかった。

ところが、この6、7月は節電ブームで冷房をあまり入れなかったのがいけなかったのか、それとも床下貯蔵庫でワインを保存するのにそもそも無理があったのか、1本だめにしてしまった。もしかしたらと他のを飲んでみたが、だめまで行かないにせよ明らかに味も香りも落ちている。刑事コロンボの「別れのワイン」を思い出した(そんなに高いワインではありませんが・・・)。

よく考えると、2005年もののボルドーは近年最高のヴィンテージということで、飲むのを後回しにしてきたような気がする。後から来たのを先に飲んで、前に買ったのを残していたので、いま残っているのは結構長いこと床下に置いてあったのかもしれない。

ということで、待望のワインセラーの到着である。フォルスターのカジュアル、26本入りである。庫内が冷えるのを見計らって、床下からワインを移す。この間ラスベガスに行った時に買ったカリフォルニアワインを除くと、ほとんどがボルドーの2005年ものであった。酸化していたら今更ワインセラーに入れてもどうしようもなく、いずれにしても早々に飲みきってしまう他はなさそうだ。

いまは書斎に使っている2階の部屋に置いたら、何ともいい雰囲気である。このフォルスターはデザインが素敵で、3層ガラスの扉がしっかりワインを保存しますよという感じがうれしい。これからは安心してワインを買いだめできそうである。

わが家に到着したワインセラー。これからは安心してワインを買うことができます(w


[Jun 13, 2011]

節電の夏の終わり ~せいうち日記48

先週大雨が降ってから、関東地方は急に涼しくなった。最高気温も最低気温も10度くらい下がったので、本当に過ごしやすい陽気になった。わざわざ飛行機に乗らなくても、北海道に来たような気分である。このまま秋になってほしいものだが、さすがにそういう訳には行かないんだろうなあ。

震災以来、うちの会社でも計画停電対応が検討課題となってきたのだけれど、このままいくと今年の夏は何とか回避できそうである。日中の節電やら、エレベーター・エスカレーターが止まるくらいなら我慢できるので、この分なら原発依存度を下げてもいいような気がするのだが、そのあたりはなかなか難しい。我々定年間際の年代はそれでいいとしても、若い世代にこれ以上生活レベルを上げなくてもいいというのは酷だからだ。

電気を使わないということは、いまの世の中では生産活動を行わないことにほとんど等しい。生産活動を行わなければ基本的に給料は上がらない。もちろん、生活水準イコール使えるカネという訳ではないし、おカネを使わなくても豊かに暮らすことは可能ではあるけれど、それだって過去のストックがなければ厳しいだろう。

とはいっても、いまの若い人達は昔と違って、車やオートバイがどうしても欲しいという訳ではないし、バブリーに海外や高級なお店に行きたいわけでもない。靴や服、アクセサリーにもそんなに関心はなさそう。住むところだって、これから人口が減るのだから需要より供給の方が多くなる理屈だから、これからの時代はあまりおカネをかけなくても暮らしていけるのかもしれない。

それとはあまり関係ないが、家ではこの頃水道代が激減している。なぜかというと、検査数値があまりにも悪化したため入ったスイミングスクールを、まるで銭湯のように使っているものだから、家のお風呂を使う機会が相当少なくなってしまったからである。(奥さんも続けて入ったので、一人で楽をしている訳ではない)

公営のプールから私立のプールに代えたので、何とか元を取りたいというせこい動機に加えて、家から近くて午後11時までやっているというのが大きくて、今のところ週に3、4回プールに通っている。プールで歩いたり少しだけ泳いだ後は、ジャグジー付きの大浴場で体を洗う。これがなかなかよくて、慣れてくると行かないと物足りないくらいである。

そのおかげで、体重はピークより6kg減となった(5kgサバを読んでいたので、申告上は1kg減だが)。血糖値も190から150まで落ちたし、血圧も上下15くらいは下がっている。1ヵ月でここまでできたのは上出来とはいえ、2ヵ月目以降はなかなか数字に結びつかないのはこれまでの経験から明らかである。それでも何とかこのまま節制して、年末の人間ドックには華々しい成果を残したいものである。

[Aug 22, 2011]

ダイエットの源流 ~せいうち日記49

先週の3連休もずっと仕事(出張)、自分でも訳が分からなくなるほどのハードスケジュールとなっている。

なぜこんな状態となっているかというと、一言でいえば仕事に対して人数が少なすぎるからで、年内はこの状態が続きそうな気配である。私だけでなく他の人もこんなスケジュールとなっているので、先日は会社の総務とこんなやりとりがあった。

「・・・・さん(私のこと)、派遣社員の△△さんが2週間休みなしで出張になっているけど、ちょっとまずいんだよね。」

「仕事が立て込んでいるので仕方ないんですよ。本人には説明して了解を得ているんですが。」

「派遣元への報告があるから、帰ってきたらまとめて休日をとっていただくように調整してください。」

「分かりました。そのように調整します。ところで、私も10月はこのままいくと3日しか休みがないんですが(労働基準法にひっかかる)。」

あっさりとスルーされた。

思い起こせば三十年前、就職した当時はまだ週休1日制で、隔週で休みを取れることになっていたがそんなものは有名無実で、しかも朝8時から夜9時10時まで働かされる職場だった。あの頃は若かったので何とかなったが、50代半ばでこれをこなすのは大変である。

そういえば、学生時代は60kg台だった体重が急に増えたのはこの頃の不摂生とビールの飲みすぎのためで、いま現在ダイエットに励まなくてはならないのもこの時代の生活習慣に遠い原因があるのでした。

さて、その間にも時間を見つけてはプールに通っている。夜11時までやっているスポーツクラブは非常にありがたい。おかげさまで(ハードスケジュールとトレーニング)体重は公称からは4kg減、実際には9kg減となって、スーツのウェストがすでにゆるゆるになった。

[Oct 11, 2011]

サラリーマン生活最後(?)の ~せいうち日記50

現在、10月23日・日曜日の夜。どこかでコメントに書いたように、休みなしの出張の最中である。先週は鹿児島、いまは徳島にいる。今回が8泊9日。1日置いて2泊3日。ほぼ2週間にわたるロングラン出張である。おそらく、サラリーマン生活最後の長期出張になるはずである。

バブル前後の景気のいい時期には、私くらいの年回りになるとご褒美の海外出張というのがあって、大して用事もないのに1週間ほど大名旅行をさせてもらったのを見てきたが、私の場合は全く違う。若いのが減らされているために、代わりに出張させられているのである。だから、早朝から夜間まで、立ち詰めで機械の説明やらお詫びやらをしなくてはならない。

それも、おそらくはそろそろ一区切りということになりそうだ。だから今回の2週間ロングランが私にとっての「ご褒美の出張」(全然、ご褒美でないが)になると思っている。それはそれとして、こうした機会に気をつけなければいけないことはただ一つ。体調をくずさないよう万全を尽くすということである。

おかげさまで、今日までで約半分が過ぎた。暴飲暴食しない、十分な睡眠、にプラスして「仕事のハードルを下げる=余計なストレスをためない」ことを心がけて、何とかここまでやってきた。今日は横断歩道を渡っていて、信号無視のラッタッタにぶつけられそうになったピンチはあったが、何とか打たれ越して今日を迎えることができた。

そういえば、初めて就職した会社では出張がほとんどなく、せいぜい10年いて3、4回ではなかったかと思う。その時は、次は出張によく行く会社に仕事を変わりたいと思っていたのだけれど、まさか最後は月に10泊以上もさせられることになるとは思わなかった。

ところで、今回の出張に持ってきた本は2冊あって、ともにある意味での古典といわれる作品である。一つはカール・マルクスの「ルイ・ボナパルトのブリュメール18日」、もう一つは懐弉(えじょう)の「正法眼蔵随聞記」である。ここで予想外だったのは(両方とも読みたい本だったのに)、マルクスの理論的な文章はほとんど頭に入ってこないのに対し、道元禅師のお言葉はみごとに腑に落ちることであった。例えば、こういうところ。

我、其の人として、其の道の能を成すばかり也。代りを得んと思わず。

自分がその任にある者として当然なすべきことをするだけである。その代償を得ようとは思わぬのだ。

こういう毎日を過ごしていると、他人はもっと楽をしているのに、とか、給料もボーナスも減るのになぜこんなきつい仕事を、とか、これだけやっても誰にも評価されないんだよなぁ、とか、考え方がシュリンクして賤しい心持ちになってしまう傾向にある。それではいけない、と気持ちを新たにさせられた一節でした。

道元禅師には他にも、「他は是、吾に非ず(他人は私ではない)。」「更にいずれの時をか待たん(今でなくて、いつやる時があるのか)。」といった名文句があるのだが[注.どの言葉も、道元禅師自身が宋で修行中に先輩方に言われたことなのである]、禅というものは、日本人の心の奥深くの何かに触れるものがあるのだなあと改めて思う。逆にいえば、今の自分はそれだけ心身ともに弱体化しているということなのかもしれない。

さて、明日も4時半には起きないと。NFLを見る時間だけれど、仕事だ。

[Oct 24, 2011]


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