歩き遍路を結願して    歩き遍路の教訓    モデルプラン阿波
モデルプラン土佐    モデルプラン伊予    モデルプラン讃岐

歩き遍路を結願して [Mar 27, 2021]

先週までで、四国札所歩き遍路の記事が高野山奥ノ院に達した。実際にお遍路歩きを終えてから1年半、記事の連載を始めてから6年、名実ともにようやく結願である。

お遍路を歩いたのがちょうどリタイアする前後にあたったので、書いていていろいろ思い出した。出張に合わせて半日だけの歩きからスタートして、潜水橋を渡り、遍路転がしを登って下って、少しずつ長丁場に挑戦した。

いまでも折に触れて、紀伊水道沿いのフラクタル海岸や予土県境の苔だらけのトンネル、強風豪雨の中歩いた足摺岬や山北みかんを買って家に送った雪蹊寺の境内を順不同に思い出す。足掛け5年に及んだ区切り打ちだが、前後の区別がいまでは難しくなっている。(注.フラクタル海岸とは私の命名で、世間一般には「八坂八浜」と呼ばれています)

残り5ヶ所となった屋島寺で、外国人観光客を案内していた地元ボランティアの人に、「また来たいですか」と聞かれたこともあった。その時は、「大窪寺まで登って一番まで戻るので、とにかく無事に回り終えなければ」とお答えしたのだが、実際に結願直後にコロナ騒ぎが勃発して、拝観自粛・納経所閉鎖になってしまった。本当に、先のことは分からない。

いまから考えると、リタイアが遅れてスケジュールが後ろ倒しになれば間違いなくコロナにぶつかってしまった訳で、絶妙のタイミングであった。そういえば、十夜ヶ橋もお参りしてすぐに四国豪雨災害で、たいへんな被害を受けたのだった。

ずっと昔からお四国を回りたい、回らなくてはと思いつつ数十年経って、いまこうして一区切りついてみると、自分の人生そのものがいよいよ終盤にかかりつつあることを改めて感じる。

TVで自分と同じくらいの年寄りが出ているのを見て、「こんなに歳取って見える?」と奥さんに尋ねると、「しっかり見えるよ。じいさんなんだから」と返ってくる。孫がいようがいまいがじいさんになってしまうのが悲しいところである。

ひとまず結願して区切りがついた四国遍路だが、思い残したことがいくつかある。

八十八は回ったけれども別格二十は半分くらいしかお参りできていないし、真念和上肝煎の満願寺も予定していたのに行けなかった。江戸時代のお遍路が訪れた篠山にも行ってみたいし、石槌山にも登ってみたい。時間がなくてゆっくりお参りできなかったお寺も多い。

ただ、これからコロナが終息してもう一度回るとなると、今度は70になってしまう。ますます当り籤を引く確率は高くなるし、それ以前に足腰がこれまでのように動くかどうか。

いずれにしても、今回お参りすることができたのはいろいろなタイミングがばっちり重なったからで、後から考えると回るべき時期に回れるめぐり合わせだったのだろう。

いま感じている「思い残し」を果たすために再び歩くことができるならば、そのタイミングはおのずからやってくるのではないかと思っている。

[Mar 27, 2021]

紀伊水道に面したフラクタル海岸のことをよく思い出す。なぜだろうと思っていたが、ピクチャを整理していてこの区切り打ちがリタイアしてすぐの時期だったことに気がついた。それだけ開放された気分だったんでしょう。


歩き遍路の教訓 [Nov 11, 2019]

このたび、5年間10次にわたる区切り打ちにより、四国歩き遍路を結願することができた。 かつてマカオやラスベガスのカシノを回ったり、スポーツブックについて勉強した時と同様、お遍路歩きをするにあたってはWEBに上げられている経験談やモデルプランを参考にして計画を立てた。一方、参考書としては「四国遍路ひとり歩き同行二人」がほぼ唯一の歩き遍路向けルート案内図であり、当然これも参考とさせてもらった。

ところが、そうしたデータのほとんどが健脚向けに書かれているか、とにかく八十八を早く回ろうという趣旨で書かれているので、実際そのとおりに歩くと面食らうことがたいへん多い。面食らうだけならいいが、納経の時刻は午後5時までと決まっているから、それに間に合うために休みもろくに取れないというケースが結構あった。

だから教訓の最初にあげたいことは、スケジュールは自分で考えるということである。

スタンプラリーではないのだから、早く回るというのはお遍路の趣旨に基本的にそぐわない。せっかくお参りしても、本堂・大師堂・納経所を回って終わりというのでは寂しい。歩いている途中にも、周辺案内があり休憩所がある。有名でなくても、気になるお社やお堂を見かけることも多い。

そうした場所で余裕をもって時間を過ごすためには、歩行速度は4.5km/hとか1つの札所に20分とか25分では、とてもじゃないけど足りないのである。もちろん、境内案内図を調べておよその様子は下調べできるかもしれないが、実際に行ってみないとお寺との相性までは予測できないのである。

私は、毘沙門天や聖天、十王信仰関連に興味をもったので、札所でもそれらのお堂に気をつけてお参りした。ベンチがあって座ると、なぜか周囲の空気が自分の波長と一体化して、しばらく動けなくなってしまうこともあった。自分で時間制限をかけていたら、そういう経験ができないのである。

もちろん、境内がこじんまりして20分もかければお参りが終わってしまうというお寺もある。ゆっくりしたくても、バス遍路の団体と鉢合わせて、大声の読経や観光案内に興ざめしてしまうこともある。だから一律何分間とは決められないけれども、個人的に平均30分は確保すればよかったと思っている。

ただ、首都圏から四国に遠征する場合、宿泊代その他でできるだけ日程を切り詰めたいだろうし、事前に宿を押さえることが多いからそこまで歩かなければならないということもある。それでも、他人の作ったモデルプランによらず自分で考えることで、リスクや心配事をより少なくできるのではないかと考えるのである。

あとでもう一度触れるが、スケジュール作成の基本として、朝の行動開始は午前8時・その日最後の札所には午後4時までに到着をベースに計画を立てればストレスが少ないと思う。そして、札所の滞在時間は基本的に30分とすれば、それぞれのお寺の雰囲気を落ち着いて感じることができるのではないだろうか。

WEBには1日当たり25kmとか30kmとか書いてあるけれども、その日回る札所がいくつかで当然歩く距離は違ってくる。1日の行動時間を8時間として、札所3つで1時間半、4つ回れば2時間必要である。となると、4km/hで目いっぱい歩いたとしても24kmが限度、休み時間を入れれば20kmがせいぜいということになる。

もちろん、お寺で過ごすよりも道中の様子を味わいたいという人はそれでいいだろうし、一概に1札所30分というつもりはない。ただ、少なくとも他人の歩いたスケジュールを参考とするよりも、せっかく遍路歩きをするのなら自分で計画を立てた方がずっといいと思う。

本堂・大師堂の他にも、気になるお堂は数多くある。(写真は善通寺閻魔堂)


教訓の2点目は遍路地図、詳しく言うと「四国遍路ひとり歩き同行二人」地図編をどう使うかということである。

結論から言うと、参考とするのはいいがあまり頼らない方がいい。その最大の理由は、推奨ルートのとおりに行くと迷わされるおそれが多分にあるということ。もう一つが、距離表示に不正確なところが見受けられることである。

遍路地図の推奨は赤線ないし赤点線で示されており、そのルートで歩いた場合の距離が書いてある。しかし、電柱に貼ってある矢印や案内シールの示すルートとしばしば違うし、目印となる建物の位置が実際と違ったりする。

そうでなくても、遍路地図の方向表示はたいへん分かりにくい。東西南北が地図ごとに違う上に、同じページ内でも方位が違うこともある。まして他の団体(四国のみちなど)が案内しているルートと同じであるはずがない。そうやって迷ったことは、4回や5回ではすまない。

だから私が推奨するのは、曲がり角や残り距離を比較的正確に表示している車道を中心に使うということである。

確かに、かつて真念「道指南」が通った古い遍路道を歩きたい場所はある。焼山寺道や岩屋寺の八丁坂などは、遍路道も札所の一部であるといえるだろう。しかし、かつての遍路道だからといって、民家の勝手口や工場脇の側道をわざわざ通る必要があるのだろうか。

江戸時代と同じルートというのならトンネルは一つも使えないし、昔の峠道は整備されているとは限らない。真念が生きていれば、わざわざ危ない道を通るより安全な国道・地方主要道を歩いたのではないかと思う。

もちろん、国道・主要道の中には交通量が多いところもあって騒がしいし、ひっきりなしに車が通って雨が降ればしぶきをかけられる。だから並行して通っている側道を歩く方が気持ちいいことも多いけれど、基本は国道・主要道で計画して、時間と体力に余裕があれば脇道を通るというのがいいのではないだろうか。

遍路地図に載っている距離で札所間の移動を計画すると、予想外に時間がかかるということがたびたびある。むしろ、計画は車道経由の距離で立てて(ほとんどの場合遍路地図の表示より長い)、それより短縮できれば儲けもの、というつもりでいた方がストレスが少ない。

車道経由の距離は道路に大きく看板があるし、Google mapを使えば事前に調べることが可能である。遍路地図に書いてある遍路道の分岐を探してうろうろするよりも、初めから車道を歩くつもりでいた方がストレスも少ない。

そして、車道で行けば坂道が少ないという利点もある。遍路地図推奨ルートで行くと、地図上では同じ標高で歩いているはずなのに、結構な頻度でアップダウンがあって、距離の割に時間がかかるということがある。国道であればカーブや傾斜が小さいので、たとえ距離は長くなっても所要時間は変わらないことが多いのである。

歩き遍路のためのほとんど唯一のルート案内図である「四国遍路ひとり歩き同行二人」。参考となる点も数多くある一方で、これを頼ると痛い目に遭うことも少なくないのが現実。


歩き遍路の教訓3つ目は、健康管理と食事に関してである。

私のように区切り打ちであっても、何日間ぶっ通しで歩くとなると体調管理が非常に大切である。まして通し打ちともなれば言うまでもない。緊急事態になればタクシーを呼んで宿まで送ってもらうということは可能だが、駅伝であればタスキが渡らないのと同じことなので、できればそういうことは避けたい。

そうした観点から、最初にあげた午前8時行動開始午後4時最後の札所という原則で行動することで、リスクを小さくすることができると思う。

遍路宿の多くは朝食を早い時間から用意してくれるし、ホテルであれば朝食を自分で用意してもっと早く出ることもできる。だから、前日に何かのアクシデントで計画通り歩けなかったとしても、1~2時間程度であれば翌日早出することで挽回可能だし、逆にそれくらいが挽回できる限度ということである。

食事についてはちょっと勘違いしていたことがあって、十分に補給しないとシャリバテしてしまうのではないかと思い込んでいた。もちろん、山道を歩くようなケースではそうなのだが、歩き遍路の大部分は平地の舗装道路歩きである。体が重くなれば、逆に疲れるのが早いということになる。

私の場合、遍路歩きをして自宅に戻り体重を測ってみると、出発前より3kgとか5kg増えていることが多かった。それは、歩いている最中に手足がむくんでくることでも見当はついていたのだが、食べてスタミナをつけようというのはよしあしである。

WEBにはお昼をきちんと食べましょうと書いてあるけれども、朝晩どんぶり飯で昼もしっかり食べ、移動中はスポーツドリンクで栄養補給をしていたのでは、オーバーカロリーの懸念がぬぐえない。

実際、朝から10km15km歩いていると昼ご飯はそれほどおいしくないし、私自身はエネルギーゼリーやクーリッシュで補給して終わりというケースが多かった。昼食のおにぎりをお接待してくれる宿も多い。だから、山の中を長時間歩くといった特別なケースを除き、あまり昼食に神経を使う必要はないと思われる。

朝晩についても、いつも和食というのは体が重くなる原因となる。宿坊・民宿を続けるのではなく予定の中にホテル泊を入れて、朝晩の食事を調節した方がよさそうに思う。パン・サラダと乳製品主体の朝食とか、たんぱく質中心の夕食とか。歩いていてお腹がすかないのは、かえってよくないのではないだろうか。

もう一つ注意しなければならないのは水分補給である。汗で体内からミネラル分が流出するので、水よりもスポーツドリンクがいいとよく言われる。私も当初は、水とスポーツドリンクを500mlずつ用意して補給していた。

しかし、スポーツドリンクには多くの糖分が含まれている。飲んでいて、あまり体にいいように思えなかったし、体が求めているとも感じなかったので、最後の方はミネラルウォーターだけにした。それで不具合があるようにも思えなかった(他の要因で体調をくずしてしまったが)。

あと、歩いていて切実に感じたのは、同じ筋肉ばかり連日使うために、体がアンバランスになることである。上にあげたむくみもそうだし、節々の痛みも出る。できれば、普段のように筋トレやプールを交えた方がよさそうに思うけれども、旅先だとなかなかそういう訳にはいかない。

千日回峰行ではそんなことを言ってはいられないだろうが、都市部に入ってきたら一息入れて、ジムワークをする日を作るのが体調維持にはよさそうだ。日程に調整が利けば、雨の日に無理して歩くより休養してジムで体を動かす方が有効だと思うので、今後の課題として考えてみたい。

[Nov 11, 2019]

お遍路歩きではホテル泊を予定に入れて、和食ばかり続けずに食事の内容を調整したい。(写真は高知・大月町のホテルベルリーフ朝食)

歩き遍路モデルプラン・阿波編 [Nov 25, 2019]

さて、能書きばかり言っていても仕方がないので、私なりの歩き遍路モデルプランを示してみたい。なお、この間書いたようにスケジュールはそれぞれの人の体力や目的、どこに住んでいるかによって違って当然と考えるので、このモデルプランは私がもう一度歩くとしたらこうやって歩いてみたいというものと考えていただければ幸いである。

【概 要】
阿波の札所については、焼山寺や鶴林寺・太龍寺を除いて平坦な場所を歩くことと、遍路地図の推奨ルートが国道・主要地方道からそれほど離れていないことから、WEB等に載せられているプランと大きな違いはない。

とはいえ、札所で過ごす時間を多めにとることと、道に迷うよりも車道を通った方がいい。徳島市内を除いてそれほど交通量は多くないし、主要道沿いに古い丁石を多くみかけるので、お遍路の雰囲気は味わえるのではないかと思う。

[1日目]前日泊・霊山寺周辺、当日泊・十楽寺周辺
8:00 一番霊山寺 [お参り30分・移動20分] → 8:50 二番極楽寺 [30分・40分] → 10:00 三番金泉寺 [25分・95分] → 12:00 四番大日寺 [30分・30分] → 13:00 五番地蔵寺 [50分・80分] → 15:10 六番安楽寺 [25分・20分] → 15:55 七番十楽寺 [お参り25分]

1日の移動距離は20kmくらいだが、7つの札所にお参りするので、結構いそがしいスケジュールである。1日に7つも回るのは札所間の距離が短く平坦な徳島近郊に限られるので、ペース配分を確立したい。

地蔵寺のお参りが長いのは、隣接した五百羅漢を拝観するため。他にも遍路道沿いには、三番奥ノ院の愛染院などがある。お昼は愛染院近くのうどん萌月があるが、コンビニが多くある地域なのでそれほど気を使わなくてもよさそうだ。

前日泊は霊山寺近くを想定したが、徳島市内のホテルでも坂東まで電車で移動すれば問題はない。当日泊は十楽寺を想定。ビジネスホテルのような施設で食事もいい。六番安楽寺にも宿坊があり、付近に民宿もいくつかある。

別格一番の大山寺にお参りする場合、地蔵寺から8.1km、標高差も400mほどある。行き帰りで半日かかるとみるべきであろう。

[2日目]前日泊・十楽寺周辺、当日泊・藤井寺周辺
8:00 七番十楽寺 [移動60分] → 9:00 八番熊谷寺 [40分・40分] → 10:20 九番法輪寺 [25分・80分] → 12:05 十番切幡寺 [50分・80分] → 14:15 川島橋堤防休憩所 [休憩20分・移動100分] → 16:15 十一番藤井寺 [お参り30分]

2日目のお参りは、早速ハードである。熊谷寺の境内は広く、山門に着いてから先も結構長い。切幡寺は厄除け坂の長い石段があり、本堂エリアまで行くのに息が切れる。そして藤井寺まで約3時間、お遍路歩きで初めて登場する長い道のりである。

このあたりまで来るとコンビニはほとんどなく、吉野川の中洲には自販機も遍路休憩所もない。川島沈下橋で吉野川を渡り切って鴨島に入ると開けているので、そこまでの辛抱だ。堤防上に休憩所がある。

藤井寺の近くには民宿があり、30分ほど歩くと市街地となりビジネスホテルがある。藤井寺の先は1日山道になるので、翌日の補給を忘れないようにしておきたい。

[3日目]前日泊・藤井寺周辺、当日泊・焼山寺周辺
8:00 十一番藤井寺 [移動90分] → 9:30 長戸庵 [休憩20分・移動90分] → 11:20 柳水庵 [20分・60分] → 12:40 浄蓮庵 [20分・120分] → 15:00 十二番焼山寺 [お参り60分]

最初の「遍路転がし」焼山寺道である。道の状況だけ言うと、柳水庵までは比較的道幅もあり傾斜もそれほどではないが、浄蓮庵からいったん下って焼山寺までの登りは登山道そのもので、転がされそうになる。道端に続く丁石のお地蔵様が心の支えとなる。

車道も通じているけれども、ここは遍路道も札所のうちといえる場所なので、苦しいけれども登っておきたい。泊まりを焼山寺宿坊にすれば時間の心配をしなくても大丈夫そうだが、なべいわ荘や神山温泉を予定している場合は早出するかペースアップする必要がある。

食堂・売店等が全くないので、前日の鴨島で昼食用に調理パン・カロリーメイト等を用意しておく。焼山寺までがまんして門前のうどんという手もある。夕方には町営バスが麓まで走っているので、麓まで歩く予定で歩けなかった場合はバスを使って下山可能。

[4日目]前日泊・焼山寺周辺、当日泊・大日寺周辺
8:00 十一番焼山寺 [移動60分] → 9:00 杖杉庵 [休憩20分・移動80分] → 10:40 神山へんろ小屋 [20分・140分] → 13:20 神山東小学校 [20分・110分] → 15:30 十三番大日寺 [お参り30分]

この日の課題は、焼山寺宿坊に泊まった場合、昼食をどうするかである。神山東小学校を過ぎて行者野橋あたりまで、コンビニはもちろん商店も食堂もほとんどない。神山温泉経由であればともかく、鍋岩から遍路道に入る場合なかなかきびしい。

神山温泉からオロノ経由の県道は歩道がなく、川から高さのあるところに道が通っているのでたいへん危ない。歩行者の通行を想定していないように思える。したがって、モデルプランでは鍋岩から遍路道に入るルートをとっている。

大日寺近くには民宿がある。また、このあたりまで来ると徳島市内までバス便を利用することもできる。電車でも近いので、例えば童学寺を経由して徳島線で市内に戻り、翌日そこからスタートすることもできる。

徳島市内に連泊すれば荷物も少なくて済むし、予備日を作ることもできる。市内にはスポーツジムやプールの公共施設もあるので、コンディショニングにも有効である。

途中、行者野橋から別格二番童学寺まで3.2km約50分、同じく行者野橋から番外霊場建治寺まで山道を約2.4km1時間。童学寺だけなら経由することは可能と思われるが、建治寺も含めると1日がかりとなる。

[5日目]前日泊・大日寺周辺、当日泊・徳島市内
8:00 十三番大日寺 [移動50分] → 8:50 十四番常楽寺 [お参り25分・移動15分] → 9:30 十五番国分寺 [お参り25分・移動35分] → 10:30 十六番観音寺 [お参り25分・移動50分] → 11:45 十七番井戸寺 [お参り40分・移動120分] → 14:25 徳島市内 

十四番から十七番は市街地にあり、コンビニや商店・食堂の心配はあまりない。一方で、交差点や信号が頻繁にあるので、距離の割に時間がかかるのが痛しかゆしというところである。

この間の札所はこじんまりまとまっているお寺が多く、あっさりお参りできてしまうかもしれない。国分寺の庭園や観音寺の仏足石、井戸寺の七仏薬師如来をゆっくり見る時間はある。 井戸寺から徳島市内まで市街地の舗装道路歩きで、交通量が多く休憩所もない。天気がよければ、眉山の脇を抜ける地蔵峠遍路道を歩いてみるといいかもしれない。JR地蔵橋駅あたりまで歩いて翌日そこからスタートすれば、日程がかなり楽になるし騒がしい市街地を迂回できる。

宿泊は徳島市内を想定したが、恩山寺の近くまで歩いて、余裕ができたら取星寺や星の岩屋に寄るというスケジュールもある。あるいは、このあたりで1日予備日をとり、休養したり洗濯物の整理、ジムワークで体調管理するのもいいかもしれない。徳島市内には公共のスポーツジム、プールがある。

[6日目]前日泊・徳島市内、当日泊・道の駅かつうら周辺
8:00 徳島市内 [移動180分] → 11:00 十八番恩山寺 [お参り30分・移動70分] → 12:40 十九番立江寺 [お参り30分・移動180分] → 16:10 道の駅ひなの里かつうら

徳島市内からスタートした場合、よほど早く出なければ鶴林寺まで歩くと日が暮れる。そして、鶴林寺には泊まるところがないので、どちらかの麓に下りるしかない。山の中になるので、現実的には難しい。

モデルプランでは、道の駅かつうら周辺に泊まることとした。ここまで「ふれあいの里さかもと」が送迎してくれるし、バスもある。歩きに限定する場合には、道の駅近くに民宿がある。

距離的にはそれほどハードではないので、「ふれあいの里さかもと」まで歩くことはできそうだ。あるいは、立江寺から取星寺に寄り道して、道の駅に向かうことも可能。コンビニは沼江ローソンが有名だが、道の駅もあるので、それほど心配しなくても大丈夫。

別格三番慈眼寺は、道の駅かつうらから車道を約16km、片道4時間。ふれあいの里さかもとから2時間弱で着くようなので、ここに泊まって往復するといいかもしれない。

[7日目]前日泊・道の駅かつうら周辺、当日泊・平等寺周辺
7:00 道の駅ひなの里かつうら [移動120分] → 9:00 十九番鶴林寺 [お参り40分・移動180分] → 12:40 二十番太龍寺 [50分・240分] → 17:30 二十一番平等寺[お参り翌日] 

問題はこの日である。鶴林寺、太龍寺と2度の山登りがあって、平等寺までも峠越えである。太龍寺の麓にある民宿坂口屋は歩き遍路にとってありがたい場所にあったのだが、廃業して久しい。

となると、宿のある平等寺まで歩く他ないのである。そのため活動開始を7時としているが、宿もそのあたりは分かっているので朝食は早くから用意してくれる。昼食を調達できる場所もないので、おにぎりをお願いしておくのが大切(ふれあいの里さかもとではチェックイン時に注文)。

平等寺到着は午後5時半になるが、宿坊も民宿も門前にあるので、5時を過ぎても翌朝タイムロスなくお参りすることができる。翌日のスケジュールに余裕をみているので、時間に追われて無理をすることはない。

[8日目]前日泊・平等寺周辺、当日泊・薬王寺周辺
8:00 二十一番平等寺 [お参り25分・移動65分] → 9:30 鉦打へんろ小屋 [休憩10分・移動110分] → 11:30 由岐 [20分・70分] → 13:00 木岐[15分・105分] → 15:00 二十二番薬王寺[お参り40分]

私は平等寺からJR駅まで歩いて阿南に泊まったけれど、電車の本数がないので行き帰りが不便である。やはり、平等寺に宿をとるのがいいかもしれない。

平等寺に泊まれば、月夜御水庵から釘打(かねうち)に出る県道が最短距離。そして、釘打から山道コースと海沿いコースに分かれる。山道コースも国道なので危険個所はなく交通量も少ないが、休む場所があまりなくて時々歩道がなくなる。

調べてみると、海沿いコースには1時間置きくらいに休憩所があるし、景色もよさそうなのでモデルプランにはこちらをあげておく。距離的には山道コースよりやや長いようだが、この日は薬王寺までなので問題ないと思う。

日和佐が近づくと、コンビニや食堂・売店を見つけるにはそれほど苦労しない。

[9日目]前日泊・薬王寺周辺、当日泊・海部周辺
8:00 二十二番薬王寺 [移動90分] → 9:30 打越寺 [お参り30分・移動120分] → 12:00 牟岐 [20分・130分] → 15:30 海部

薬王寺を出ると、室戸岬まで札所はない。ひたすら歩くだけである。ただ、途中に別格四番鯖大師があり、すぐ近くなのでお参りしておきたい。鯖大師には宿坊があり翌朝のお勤めもできる。

翌日のスケジュールから、海部かできれば宍喰まで歩いて、夕方のバスで鯖大師に戻ってくるのがお薦めである。歩き限定の場合には、遊遊NASAかリビエラししくいが候補になる。他にも民宿はいくつかある。

薬王寺から約6kmの打越寺は、阿波の殿様が指定した駅路寺のひとつで、藩政時代には宿場の役割を果たした。街道沿いなのでお参りしておくのもよい。

阿波海南近くにある「へんろ小屋香峰」は、へんろ小屋プロジェクトの第1号。国道55号沿いの便利なところにあり、へんろ小屋が全部このレベルならいいのにと思うくらいである。水場・トイレ完備。

[10日目]前日泊・海部周辺、当日泊・尾崎橋周辺
8:00 海部 [移動90分] → 9:30 道の駅宍喰 [休憩20分・移動130分] → 12:00 東洋大師 [20分・210分] → 15:50 佐喜浜[20分・50分] → 17:00 尾崎橋

10日目に県境を越えるが、問題は泊まる場所である。移動手段が歩きだけならば、尾崎橋周辺のロッジ尾崎ないし民宿浜増以外の選択肢はない。必然的に、前日の宿泊地は海部ないし宍喰にせざるを得ない。

ただ、バス移動を許容すればちょうどこの時間に室戸行のバスがあるので、バスで移動して翌朝戻ってくる方法がある。いずれにしても、宍喰から室戸岬までだと、日のあるうちに到着しない。

海岸沿いの歩きなので、若干のアップダウンを除けば海を見ながら平らな道が続く。問題は、休憩場所とトイレがほとんどないことである。特に、東洋大師のある野根を出てから佐喜浜までの15kmは要注意で、自販機もほとんどない。

私はもう少し先の椎名まで歩いて、バスで移動し室戸岬に宿をとった。区切り打ちの場合、このあたりからでも徳島空港・関西空港に戻るバス便が多くあるので、便利である。

[Nov 25, 2019]

歩き遍路モデルプラン・土佐編 [Dec 23, 2019]

[概 要]
比較的短い間隔に札所が集まっていた阿波に比べ、土佐は札所と札所の間に長い歩きが必要な場所が多い。だから、行動時間のほとんどを移動に使うことになり1日に30km歩くことも可能。私も1日に35kmとか歩いていたけれども、できればゆっくりと道中の雰囲気を味わいたい。

土佐でもう一つ気をつけなければならないのは、宿泊施設が集中しているので歩く間隔で宿があるとは限らないことである。特に、県境を過ぎて室戸岬まで、室戸岬を過ぎて安芸まで、中村から足摺岬までは泊まれる場所が限られる。ゴルフでいうところの「キザむ」ことも考えなくてはならない。

[11日目]前日泊・尾崎橋周辺、当日泊・室戸岬周辺
8:00 尾崎橋 [移動240分] → 12:00 御蔵洞 [休憩30分・移動60分] → 13:30 二十四番最御崎寺 [お参り40分・移動50分] → 15:00 室戸岬

ロッジ尾崎or民宿浜増に宿をとった場合、最御崎寺に着くのは午後となるので、この日は室戸岬周辺まで進むことになる。御蔵洞は空海が籠った岩窟として有名な場所で、現在は中に入れないけれど雰囲気だけでも味わっておきたい。

室戸岬に至る国道は平坦で景色がいいのだが、休憩所が少ないのが玉に瑕である。バス停にベンチがあるので、短時間なら休ませてもらえる。

室戸岬周辺や灯台、青年大師像の中に入るかどうかは好みの分かれるところで、そうしたものに興味がなければ最御崎寺でゆっくりするのもよい。ただし、寺まで登ると食堂・売店等はないので、食事は海岸沿いで済ませておきたい。

「うまめの宿」が居心地のよい宿だが、小規模なので満室のケースがあるかもしれない。周辺に旅館・民宿はいくつかある。最御崎寺には宿坊もあるが、団体の予約がないと開けていないらしい。

[12日目]前日泊・室戸岬周辺、当日泊・奈半利周辺
8:00 室戸岬 [移動120分] → 10:00 二十五番津照寺 [お参り30分・移動80分] → 11:50 二十六番金剛頂寺 [お参り40分・移動300分] → 17:30 奈半利

午前中に津寺・西寺をお参りした後は、奈半利まで長い歩きとなる。奈半利にはホテルなはりがある。金剛頂寺から海岸線に出るまでは山道だが、海岸線に出てからは平坦な舗装道路となる。

日程が合えば景色がよく食事のいい金剛頂寺宿坊に泊まりたいが、前泊地が室戸岬だと近すぎる。バス移動にこだわらなければ前々日に椎名まで歩いて室戸岬に移動し1泊、翌日金剛頂寺までという私のとったコースが日程的に無理がないと思う。

尾崎出発で室戸3寺回って金剛頂寺というのも無理ではないだろうが、かなりの体力が必要で、最後の登りで息があがりそうだ。また、御蔵洞や室戸岬周辺をゆっくり見る時間がなくなる。

[13日目]前日泊・奈半利周辺、当日泊・安芸市内
8:00 奈半利 [移動90分] → 9:30 唐浜[休憩20分・移動90分] → 11:20 二十七番神峯寺 [60分・60分] → 13:20 唐浜[10分・120分] → 15:30 安芸

奈半利から神峯寺まで3時間。山道を直登する遍路道もあるが、いずれにしても舗装道路に出るので私は最初から舗装道路を歩いた。たいへんな急傾斜のスイッチバックが続くけれども、休憩場所も用意されているのでゆっくり登ろう。神峯寺には水場がある。

札所まで行ったらせっかくだから神峯神社にもお参りしたい。神仏分離前、江戸時代の札所だった。そのためお参り時間は少なくとも1時間はみておきたい。

麓の唐浜まで下りたら、再び国道55号を安芸まで。海岸線には道の駅や公園が整備されているので、景色を楽しみながら進もう。安芸の宿は遠くからでも目立つホテルタマイがあるし、他にも旅館・民宿がある。

[14日目]前日泊・安芸市内、当日泊・大日寺周辺
8:00 安芸市内 [移動150分] → 10:30 栗山映子さん遍路休憩所[休憩20分・移動120分] → 12:50 道の駅夜須 [30分・150分] → 15:50 大日寺[お参り30分]

この日の札所は大日寺だけなので、約28kmと長めの歩きとなる。休憩場所は栗山映子さん遍路休憩所と道の駅夜須としたけれども、他にも休める場所は多いしコンビニ・食堂等もあるのでそれほど気にする必要はない。

香我美の駅前には、江戸時代に鳥島に漂着した「無人島」長平の墓と銅像がある。ごめん・なはり線に沿って行けば道沿いにあるし、公園も整備されているので寄っておきたい。

また、このあたりでは自転車専用道路(自転車・歩行者のみ通行可能)がへんろ道となっている。1971年まで通っていた土佐電鉄安芸線の廃線跡である。昔のトンネルがそのまま使われているので、鉄道に興味があれば見ておきたい。

大日寺周辺に民宿があるが、手前数kmの道沿いに高知黒潮ホテルがあるので、そこに泊まって翌日早出という選択肢もある。

[15日目]前日泊・大日寺周辺、当日泊・高知市内
8:00 二十八番大日寺 [移動160分] → 10:40 二十九番国分寺[お参り30分・移動110分] → 13:00 三十番善楽寺 [お参り30分・移動140分] → 15:50 三十一番五台山[お参り40分・移動60分] → 17:30 高知市内

この日は高知市内への移動となるので、休養日を入れるなど調整することが可能。五台山からお城の方向に戻ると市街で、ホテルやデパートがある。

大日寺以降は市街のにぎやかな場所で交通量も多く、信号待ちや歩道橋で意外と時間がかかる。一方で、へんろ小屋以外の公園ベンチや飲食施設、コンビニ等があるので一休みする場所を探すのにはあまり苦労しない。

国分寺は境内が広い。また、善楽寺の隣は旧札所の土佐神社である。余裕があればお参りしたい。私は善楽寺から沢田マンションを経由して旧三十番の安楽寺から高知市中心部に向かったが、その場合は行先案内などがないので迷わないように。

モデルプラン土佐編。今回は高知市内から岩本寺を経て黒潮町まで。高知市・土佐市は札所が多くお参りが多いが、土佐市より先では札所の間隔が開くので1日のほとんどが歩きになる。

[16日目]前日泊・高知市内、当日泊・土佐市内
8:00 高知市内 [移動120分] → 10:00 三十二番禅師峰寺[お参り30分・移動170分] → 13:20 三十三番雪蹊寺 [30分・100分] → 15:30 三十四番種間寺[30分・90分] → 17:30 土佐市内

歩きに限るのなら宿泊地は土佐市内となるが、仁淀川大橋からバスで高知市内に戻ることにすれば、荷物を置いて身軽に歩くことができる。

禅師峰寺への道はそれほど楽ではない。遍路地図には五台山から1時間半と書いてあるが、とてもそんな早くは着かない。高速道路建設で道が変わっているし、小刻みなアップダウンもある。そして、禅師峰寺自体が山の上にある。

禅師峰寺から雪蹊寺までも結構遠い。渡船を使うのなら1時間に1本程度で時間調整が必要なのと、乗り場の位置が分かりにくい。渡船を避けて浦戸大橋を歩くと、海面からかなり高い橋の上を歩くらしい。

その後、種間寺までは平坦でのどかな田園歩き。ここの遍路道はずっと舗装道路なので、あえて車道にこだわる必要はない。方向感覚さえ間違いなければそれほど迷う場所ではなく、車の行先表示ではなく歩きの案内標識に従う。

[17日目]前日泊・土佐市内、当日泊・青龍寺周辺
8:00 土佐市内 [移動120分] → 10:00 三十五番清滝寺[お参り40分・移動140分] → 13:00 塚地休憩所 [20分・130分] → 15:30 三十六番青龍寺[お参り40分]

清滝寺は土佐市から山登りになる。へんろ道は簡易舗装されているが急傾斜で、道幅の狭い車道とどちらをとるか難しい。重い荷物は笹岡ハイヤー休憩所に置かせてもらうことができる。

お参りした後は来た道を戻り、土佐市街から青龍寺へ向かう。塚地休憩所は整備されているが食堂・売店はない。ここから峠越えかトンネルだが、距離はトンネルの方が短い。峠越えは傾斜はさほどでもないが、下りてから先の道が分かりにくい。

塚地峠を越えて宇佐から青龍寺にかけては、コンビニや飲食施設がいくつかある。宇佐大橋は下が海面で高さがあるのでちょっと怖いが、ここより他にルートはない。泊まりは国民宿舎土佐と山陽荘がある。

[18日目]前日泊・青龍寺周辺、当日泊・土佐安和周辺
8:00 青龍寺 [移動160分] → 10:40 横浪 [休憩20分・移動80分] → 12:20 須崎へんろ小屋[20分・120分] → 14:40 須崎市内[20分・120分] → 17:00 土佐安和周辺

モデルプランは宇佐打戻りの県道23号線経由で算出しているが、真念和尚も使った横浪三里の巡航船に乗るのもよい。通学用なので日曜祭日運休なのと、本数が少ないこと、乗り場が分かりにくいのが難点だが、海からの景色は抜群である。

横浪から須崎市へは登り坂で、峠から下って須崎へんろ小屋に至る。市街が近づくと住友大阪セメントの無骨な工場が視線の先に現れ、市街への道はなかなか遠い。

別格五番大善寺は須崎市内にあるので、お参り時間だけみれば大丈夫だ。本堂は石段の上、納経所は下にある。かつて海の難所で、遭難者が多く出たことをお大師様があわれんで建てたお寺という。

悩ましいのが宿泊場所である。ホテルや旅館が多いのは須崎市内だが、時間的にもう少し進んだ方が翌日楽になる。歩きに限定すれば民宿安和しかないが、電車・バスで須崎市内に戻るという手段もある。

[19日目]前日泊・須崎市内、当日泊・岩本寺周辺
7:00 土佐安和周辺 [移動140分] → 9:20 土佐久礼[休憩20分・移動140分] → 12:00 七子峠[20分・140分] → 14:40 道の駅あぐり窪川 [20分・60分] → 16:00 三十七番岩本寺[お参り30分]

この日はちょっと強行軍になる。距離的には前日と同じ約30kmだが、七子峠(大阪峠)の峠越えがあるからである。そのため、朝の出発を7時と、1時間早めてある。

土佐安和から久礼まで、海岸沿いを歩くとプラス1時間、奥大坂遍路道を経由する場合も1時間の余裕をみたい。その場合、午後5時に岩本寺に着かないおそれがあるが、その場合納経は翌朝になる。朝のお勤めもあるので、それもいいかもしれない。

道の駅あぐり窪川まで早く着くことができたら、旧札所である仁井田五社のお参りをしてみたい。中ノ宮だけなら1時間半みればいいと思うが、五社それぞれ離れているので、全部お参りすると2時間はかかる。

[20日目]前日泊・岩本寺周辺、当日泊・黒潮町周辺
8:00 岩本寺 [移動120分] → 10:00 西尾自動車休憩所 [休憩20分・移動50分] → 11:10 こぶしの里休憩所[20分・120分] → 13:30 道の駅なぶら土佐佐賀 [20分・190分] → 17:00 黒潮町周辺

私が歩いた時は大雨で休むどころではなかったが、土佐佐賀から土佐湾沿いに大きな公園や東屋・ベンチを見たので、休憩場所は見つかると思う。ただ、このあたりは食堂・売店・コンビニ等が数えるほどしかなく、自販機すら多くはないので、水と食糧は準備して歩きたい。

岩本寺から約30km歩くと黒潮町で、このあたりまでが無理なく歩ける距離になる。宿泊場所はくろしお鉄道の有井川から土佐入野にかけて国道沿いに点在する。有井川まで約27km、土佐入野のネストウェストガーデンまで約35kmである。

天気がよければ、土佐湾を望む高台からは太平洋の雄大な景色が楽しめるはずで、基本は海沿いなのでそれほどのアップダウンもない。札所がないので、せっかくだから1日ゆっくりのんびり歩きたい。

今回は土佐編の3回目。四国南岸はすべて土佐であり、距離も長く必要な日数も長い。その割に札所の数はそれほど多くないので、1日のほとんどは歩きに費やされると言っていいほどである。

[21日目]前日泊・黒潮町周辺、当日泊・下ノ加江周辺
8:00 黒潮町 [移動210分] → 11:30 四万十大橋 [休憩15分・移動45分] → 12:30 四万十川自然公園[15分・105分] → 14:30 ドライブイン水車 [60分・90分] → 17:00 下ノ加江周辺

黒潮町でどこに宿をとるかにもよるが、夕方までに下ノ加江はそれほどハードではない行程だと思う。昼頃には四万十川を下流に向かって歩き、新伊豆田トンネルを越えて足摺岬を目指す。

昼食は自然公園近くの「うどん田子作」にするか、ドライブイン水車まで行くかどちらか。ドライブイン水車は大判焼くらいしかないが、隣に食堂がある。

ドライブイン水車の60分は、真念庵往復を想定している。現在のイメージは「道指南」に書かれているのとちょっと違っているけれど、江戸時代には足摺岬への拠点として多くのお遍路が立ち寄った場所である。

下ノ加江にはいくつか民宿がある。ロッジカメリアは3部屋しかないのでなかなか予約が取れないが、いい宿である。

[22日目]前日泊・下ノ加江周辺、当日泊・金剛福寺周辺
8:00 下ノ加江周辺 [移動160分] → 10:40 以布利じんべい広場 [休憩20分・移動210分] → 14:30 金剛福寺[お参り40分]

下ノ加江から足摺岬まで約6時間の行程なので、午後には金剛福寺に着くことができる。そこまで長い歩きとなるが、心細いのは休憩できる場所があまりないことである。

以布利の港近くにじんべい広場という立派な休憩所があるが、そのまま県道を歩くと足摺岬まで座る場所がないかもしれない。以布利付近では海沿いを通るが、その後は海岸から離れるのでずっと海が見える訳ではない。

窪津、津呂といった集落を通るので、自販機はいくつかある。お昼は窪津の漁協売店が唯一の調達場所と聞いたが、私の通った時にはやっていなかったので、行動食を準備しておくのが無難。

足摺岬にはジョン万次郎の銅像が立つ。足摺岬は四国有数の観光名所であり、宿泊場所や食堂・売店がある。ただ、市街は郵便局あたりまでのごく狭い場所なので、油断していると補給できないまま行き過ぎてしまうことになる。

[23日目]前日泊・金剛福寺周辺、当日泊・下ノ加江周辺
8:00 金剛福寺 [移動160分] → 10:40 中浜 [休憩20分・移動90分] → 12:30 以布利[20分・160分] → 15:30 下ノ加江周辺

このあたりのコース選定にはたいへん迷わされる。金剛福寺から延光寺までの最短距離は前日に泊まった下ノ加江への打戻りだが、それでも延光寺まで50km強あるので1日で歩くのは無理。そして、下ノ加江から三原村の間、約20kmの間に宿はない。

足摺西海岸から竜串経由だと約60km、月山神社経由だと約70kmあるので、いずれにしてもこのあたりでは時間・距離を短縮しつつ宿泊費を節約するのは無理のようである。

私が実際に歩いたのは月山神社経由の道だけれども、結果として約20km長くなってしまうので、足摺西海岸を通って下ノ加江に戻る折衷案でモデルプランを作っておく。

金剛福寺から三原村まで約40km。この間に札所がないため、早出すれば三原村まで歩くことは可能。足摺西岸から月山神社を経由すると上述のとおり約20km長くなるので、1泊多く必要となる。

[24日目]前日泊・下ノ加江周辺、当日泊・平田町周辺
8:00 下ノ加江 [移動90分] → 9:30 ドライブイン水車 [休憩20分・移動240分]→ 13:50 三原村 [休憩20分・移動120分] → 16:10 平田町周辺

下ノ加江からドライブイン水車に戻る途中にも三原村に至る分岐があるが、地図で見ると少し距離が長いようだ。ドライブイン水車から往路の道と分かれ三原村に向かう。三原村まで約4時間を見込んだが、もう少し短縮できるかもしれない。

三原村には公園やへんろ小屋があるようなので、不便はなさそうである。夕方までに平田町に着けば旅館・民宿があるし、くろしお鉄道で宿毛まで移動して宿をとる方法もある。

前日に三原村まで進出できれば、この日のうちに延光寺にお参りできる。翌日は峠越えがあるので、そうすればスケジュールが楽になる。

[25日目]前日泊・平田町周辺、当日泊・観自在寺周辺
7:00 平田町 [移動40分] → 7:40 三十九番延光寺[お参り30分・移動120分] → 10:10 宿毛 [20分・120分] → 12:30 県境 [20分・60分] → 13:50 愛南町一本松周辺 [20分・180分] → 17:10 観自在寺周辺

私は宿毛に出て延光寺を往復したが、地図で見るよりきつかったので三原村経由で平田町から入るコースとした。延光寺から宿毛までは交通量の多い国道56号を通るので、神経が疲れる。休む場所も少ない。

延光寺から観自在寺まで30kmの峠越えとなるので、この日は早出とした。宿毛から一本松まで国道経由で約3時間。松尾峠を越える方が距離は短いが、標高差があるので時間は同じくらいだろう。

県境を越えて30分くらい歩いたところに、浅田組さんのへんろ休憩所がある。水道・トイレ完備。一本松まで行けばコンビニがあるのと、宿泊施設もあるのでここで一泊することもできる。一本松に連泊して、古来遍路が歩いたという篠山まで往復する人もいるとのこと。

一本松から観自在寺まで地図で見るより遠い。観自在寺のある愛南町御荘は開けていて、旅館・ビジネスホテルなど宿泊施設がいくつかある他、観自在寺に素泊まりの宿坊がある。

歩き遍路モデルプラン・伊予編 [Mar 11, 2020]

[26日目]前日泊・観自在寺周辺、当日泊・津島町周辺
8:00 観自在寺 [お参り30分・移動150分] → 11:00 愛南町内海 [休憩20分・移動180分] → 14:20 津島・かも田へんろ小屋[休憩20分・移動50分] → 15:30 津島町周辺

私が歩いた時には観自在寺から10km先の内海に宿をとったけれども、そこから宇和島までかなりの強行軍だったので、観自在寺周辺で泊まって津島町で一泊するプランを立てた。

内海から津島まで柳水大師・清水大師を経由する峠越えの遍路道があるが、標高500mとかなりの高さがあるので、無理せず国道を経由したい。国道経由でも休憩所は一定間隔で置かれている。

津島は開けている町なので、飲食や備品補充には便利。また、旅館・民宿もある。真念が「道指南」の収益で再興を祈願していた満願寺も往復2時間ほどなので、お参りするのもよい。

[27日目]前日泊・津島町周辺、当日泊・宇和島市周辺
8:00 津島町周辺 [移動60分] → 9:00 松尾トンネル入口 [休憩20分・移動60分] → 10:20 遍路道合流点[20分・200分] → 14:00 宇和島市内

噂の松尾トンネルは高速道路が並行して走っているので、私には遍路地図でおどかすほどの交通量には思えなかった。とはいえ、1kmを超える長いトンネルなので、天気がよければ遍路道の峠坂を歩いてもいいかもしれない。有志が整備してくれていて、へんろ小屋もあるとのこと。

松尾トンネルからしばらく進むと宇和島の市街地となり、交通量が格段に増えて信号待ちもある。コンビニはあるけれどもへんろ小屋はないので、休む場所を探すのはちょっと大変。

別格五番の龍光院は宇和島駅のすぐ近くで、ほぼコース上といっていいのでお参りしておきたい。宇和島伊達家の菩提寺である。階段はあるけれども、それほどではない。宇和島市内はビジネスホテルが多くあり、泊まる場所には苦労しない。

[28日目]前日泊・宇和島市周辺、当日泊・西予市周辺
8:00 宇和島市周辺 [移動90分] → 9:30 新屋敷休憩所 [休憩10分・移動50分] → 10:30 四十一番龍光寺[お参り40分・移動50分] → 12:00 四十二番仏木寺[30分・120分] → 14:30 歯長峠口休憩所[20分・110分] → 西予市周辺

私の時は連日土砂降りが続いたこともあり、宇和島市街から札所3つで西予市というスケジュールがきつかった。宇和島市内に泊まるのであれば明石寺は翌朝にして、宿のある西予市まで歩くのが安全と思う。

いずれにしても、宇和島市内から龍光寺までがひと苦労。そして、龍光寺から仏木寺までは道を知らない場合はいったん戻って車道を行く方が結果的には距離が短かい。食堂は龍光寺門前から先はないので、龍光寺でとるかあらかじめ用意すること。

仏木寺から歯長峠越えはかなりの強行軍となる。歯長峠は大雨でしばしば通行不能となるので、情報に注意し、迂回ルートをとった際にも対応できるよう日程には余裕をみておきたい。

西予市に入ってから明石寺への登りはなにげにきついので、1日の終わりに歩くには骨が折れる。いったん卯之町周辺に泊まり、翌日フレッシュな心身で登った方がいいかもしれない。

[29日目]前日泊・西予市周辺、当日泊・大洲市周辺
8:00 西予市周辺 [移動40分] → 8:40 四十三番明石寺 [お参り30分・移動210分] → 12:40 札掛ポケットパーク[20分・140分] → 15:20 大洲市周辺

西予市に宿泊した翌朝は、朝一番で明石寺にお参りした後、大宝寺に向けての長いロードが待っている。途中、大洲か内子で刻まなければならないので、モデルコースでは大洲で一泊することにした。

西予市と大洲市の間にある鳥坂峠には峠道とトンネルがあるが、このトンネルには歩道がなく反射板付タスキを着けて歩かなければならない。ちょっとこわい。

大洲市は平成30年の水害で大きな被害を受けた。水害後に訪れてはいないが、お大師様が野宿したという別格八番十夜ヶ橋永徳寺はコース上でもありお参りしておきたい。ただし、市街からは少し先になる。

別格七番金山出石寺は大洲市内から徒歩5時間。お参りする場合は、大洲に連泊して1日がかりということになる。

[30日目]前日泊・大洲市周辺、当日泊・砥部町周辺
8:00 大洲市周辺 [移動120分] → 10:00 内子道の駅 [休憩20分・移動160分] → 13:00 大瀬[20分・120分] → 15:20 落合トンネル[10分・50分] → 16:20 砥部町周辺

十夜ヶ橋がある大洲から先は、大宝寺まで札所はない。大宝寺まで数十kmの行先案内を見ると気が遠くなるが、八十八ヶ所中最大の難所であり、がんばって歩くしかない。

民宿やホテルはこの区間にほとんどないので、モデルプランでは大洲の次に砥部町広田に泊まる計画とした。落合トンネルから2kmほど先で、国道をそのまま進む。

内子はかつて生糸や蝋の集積地として栄え、地元有力者が造った内子座ではいまだに歌舞伎などの公演が行われる。遍路道沿いにあるので、時間があれば見ておきたい。

バス移動を許容するのであれば、内子から約13km先の梅津バス停を目標に歩いて、その日はバスで内子に戻り分庁舎近くのホテルAZに泊まるのがお薦めである。平成終わりに建ったホテルで、新しくて気持ちがいい。梅津からのバスは平日のみだが、15時台から19時台まで1時間置きにある。

寄り道しなければ梅津バス停まで内子から3時間ほどで着くので、その分の余裕時間で内子市街を見て回るのもいい。そして、翌日、梅津までバスで戻り、久万高原町まで歩くことになる。

[31日目]前日泊・砥部町周辺、当日泊・畑野川周辺
8:00 砥部町周辺 [移動210分] → 11:30 鴇田峠 [休憩20分・移動130分] → 14:00 四十四番大宝寺[40分・120分] → 16:40 畑野川周辺

広田に宿をとれば、午前中に鴇田峠(かいだとうげ)を越えられそうだ。ちょっときついが、大宝寺までお参りして畑野川付近に宿をとりたい。

畑野川には「いやしの宿八丁坂」があるし、もう少し進むと古岩屋荘がある。久万高原町は岩屋寺から戻る際にもう一度通るので、その時にゆっくりすることもできる。

大宝寺から山に向かう遍路道は、天気のいい時ならともかく、苦労の多い割に報われない。普通に県道を通って、峠御堂トンネルから畑野川に向かう方が安全である。

30日目に触れたバス許容の場合、梅津バス停からだと夕方頃に久万高原町に入ることができる。鴇田峠下山口から近いのはガーデンタイムで、ここも気持ちのいい宿だ。ここに泊まれば、翌日大宝寺・岩屋寺を一気にお参りすることができ、1日節約して松山市内に入れる。

[32日目]前日泊・畑野川周辺、当日泊・久万高原町周辺
8:00 畑野川周辺 [移動120分] → 10:00 四十五番岩屋寺 [お参り60分・移動180分] → 14:00 久万高原町

岩屋寺は八十八ヶ所の中でも指折りの秘境札所。できればゆっくりした日程で余裕をもってお参りしたい。

「いやしの宿八丁坂」に宿をとった場合は、往路に八丁坂経由、復路に県道を通るのがよい。八丁坂は弘法大師も日夜往復したと伝えられる遍路道で、岩屋寺には山上から入る形になるので、古い行場を見てから本堂エリアに進む。一遍上人も修行した霊場である。

古岩屋荘に宿をとった場合は、県道が往路、八丁坂が復路となる。本堂エリアまで登るだけできついのに、さらに上の行場まで登ることになるが、その分ご利益もあるかもしれない。

午後早くに久万高原町に戻ることになるが、この先は浄瑠璃寺まで長い。民宿・旅館が多い久万高原町で宿をとり、岩屋寺・久万高原町周辺のハイキングコースをゆっくり歩くのがいいと思う。

[33日目]前日泊・久万高原町周辺、当日泊・浄瑠璃寺周辺
8:00 久万高原町周辺 [移動120分] → 10:00 明神ポケットパーク [20分・120分] → 12:20 坂本屋跡 [20分・120分] → 14:40 四十六番浄瑠璃寺[お参り30分]

この日は三坂峠を越えて松山市内へ。三坂峠への登りは舗装道路だが、下りの遍路道はたいへんハードなので、この日は浄瑠璃寺までにした方が安全である。浄瑠璃寺前の「長珍屋」さんは、お風呂も広くいい宿だ。

久万高原から国道を進むと、三坂峠に入る前に明神ポケットパークという休憩エリアがある。東屋やトイレ、自販機もあるのでありがたい場所である。

峠の頂上付近、松山まで26kmのキロポストの反対側に遍路道の入り口がある。私の歩いた時は路肩が崩れているなどたいへん歩きにくく、お遍路歩きというより登山ではないかと思ったほどだった。

民宿坂本屋跡からは集落内の舗装道路で、休日限定でお接待もあるようだ。

[34日目]前日泊・浄瑠璃寺周辺、当日泊・松山市内
8:00 浄瑠璃寺 [移動20分] → 8:20 四十七番八坂寺 [お参り30分・移動90分] → 10:20 四十八番西林寺 [30分・50分] → 11:40 四十九番浄土寺 [30分・30分] → 12:40 五十番繁多寺[30分・60分] → 14:10 五十一番石手寺[40分・60分] → 15:50 松山市内

松山市内は無理すれば1日で回ることが可能と思われるが、ホテル・旅館の多い松山市街で一泊して前後2日に分ければ余裕ある日程で歩けると思う。

八坂寺と西林寺の間には、別格九番の文殊院をはじめ、右衛門三郎一族の塚、札始大師堂、杖の渕がある。時間に余裕をみておいて、お参りしておきたい。

西林寺からはいよいよ市街の中心部に入り、交通量がかなり多くなる。歩道のないところも結構あるので、車に気をつけて歩こう。

石手寺は仏教ワンダーランド的な異空間。楽しめる人とそうでない人がいるだろう。石手寺のすぐ先が道後温泉。市街のビジネスホテル泊まりの人は、道後温泉本館でひと風呂浴びて行くのもよい。

[35日目]前日泊・松山市内、当日泊・伊予北条周辺
8:00 松山市内 [移動180分] → 11:00 五十二番太山寺 [お参り40分・移動40分] → 12:20 五十三番円明寺 [30分・150分] → 15:20 伊予北条周辺

松山市駅周辺に宿をとれば、次の太山寺まで約3時間。市街中心部を抜けるとすぐにのどかな田園風景が広がる。焼杉で外壁を作っている古い住宅や、独特の形の軍人墓地などを見ると、地方によっていろいろな特徴があると感じる。

太山寺が近づくあたりの道がちょっと分かりにくいので注意。また、山門から先の坂は見た目よりきつい。太山寺から円明寺までは基本的に一本道だ。

午後早くに円明寺をお参りして、午後は約10km先の伊予北条まで歩くと翌日が楽である。私は松山・今治間40kmを一日で歩いて、たいそうバテた苦い思い出がある。

[36日目]前日泊・伊予北条周辺、当日泊・今治市内
8:00 伊予北条周辺 [移動30分] → 8:30 鎌大師 [お参り20分・移動120分] → 10:50 菊間 [20分・120分] → 13:20 星の浦海浜公園[20分・120分] → 15:40 五十四番延命寺 [30分・60分] → 17:10 今治市内

松山・今治間約40kmは一日で歩くのはちょっと厳しい。電車・バス移動で松山市内に泊まり、途中まで刻むのが安全だが、歩きに限定するならば伊予北条周辺に宿がある。

峠越えと海岸沿いのルートがあるが、鎌大師からの峠越えは景色も最高でそれほどの急坂でもない。東屋も何ヶ所かあってありがたいので、峠越えのルートをお薦めしたい。

峠を下りてから今治市が近づくまで、あまり休めるところがないのがちょっとつらい。遍照院という厄除け大師のある菊間は開けた市街でコンビニもあるが、お遍路嫌いのラーメン店があるらしいので注意。

コンビナートを越え、瓦製造工場群を越え、海浜公園を過ぎて今治市街に入るが、延命寺まではまだまだ長い。延命寺から大谷墓地を越えて、ホテルが多くある今治駅前に出る。

[37日目]前日泊・今治市内、当日泊・仙遊寺宿坊
8:00 今治市内 [移動10分] → 8:10 五十五番南光坊 [お参り30分・移動60分] → 9:40 五十六番泰山寺 [30分・60分]→ 11:10 五十七番栄福寺 [50分・90分] → 13:30 五十八番仙遊寺 [30分]

この日の日程は今治市内だけなので、比較的楽である。4つの札所をのんびり回ろう。仙遊寺の宿坊は翌日のお勤めもあるのでぜひ泊まりたい。

時間に余裕があるので、栄福寺からもとの札所である八幡神社にお参りするのもよい。山の上からの瀬戸内海、しまなみ海道の景色は雄大である。

犬塚池から仙遊寺に至る遍路道は、かつての丁石や石仏が残るなつかしい道。ただし、栄福寺を出て仙遊寺までは商店も自販機もないので、補給は準備しておきたい。宿坊の食事は精進料理なのでお腹がすくから注意。

[38日目]前日泊・仙遊寺宿坊、当日泊・壬生川周辺
8:00 仙遊寺 [移動120分] → 10:00 五十九番国分寺 [お参り30分・移動140分] → 12:50 伊予三芳 [20分・170分]→ 16:00 壬生川周辺

この日は仙遊寺から下山して、国分寺を経て壬生川周辺まで。翌日に横峰に登るので、歩き限定なら宿は小町温泉・しこくやになる。壬生川に泊まる場合は登山口までタクシー。

国分寺から壬生川にかけてはいくつかの古刹がある。世田薬師、臼井御来迎、別格十番西山興隆寺、別格十一番生木地蔵など。興隆寺以外は通り道なので何とか1日で回れるとは思うが、宿に着くのは遅くなるかもしれない。

[39日目]前日泊・壬生川周辺、当日泊・伊予小松周辺
8:00 壬生川周辺 [移動210分] → 11:30 六十番横峰寺 [お参り40分・移動180分] → 15:10 六十一番香園寺 [30分・30分] → 16:10 六十二番宝寿寺 [40分] → 16:50 伊予小松周辺

この日は横峰に登り、香園寺へ下山する。台風や大雨で登山道が通行不能になることがしばしばあり、事前の情報入手に心掛けたい。

私の時もこれらのルートは通行できず、やむなく六十二番まで先に回って車道経由で横峰に登った。そのルートもなかなか趣きがあったが、距離的にはしこくや方面から登って香園寺に下りる方が短かい。

香園寺のホール本堂は他の札所ではみられないもので、一見の価値あり。宿は伊予小松のビジネス旅館小松を想定したが、健脚の人であれば六十三番吉祥寺までお参りして石槌神社会館に泊まるのも得難い経験。

横峰への登り下りで予定以上に時間がかかっても、ビジネス旅館小松から宝寿寺まですぐなので、翌朝にすれば問題はない。時間があれば、三嶋神社もお参りしておきたい。

[40日目]前日泊・伊予小松周辺、当日泊・新居浜市内
8:00 伊予小松周辺 [移動25分] → 8:25 六十三番吉祥寺 [お参り30分・移動50分] → 9:45 六十四番前神寺 [60分・270分] → 15:15 新居浜市内

前神寺から三角寺までは、八十八ヶ所回りの中で最後の長いロード。前日に前神寺まで来ていれば途中1泊で足りるけれども、伊予小松泊だと延命寺のある伊予土井まではちょっとハードかもしれない。モデルコースでは、新居浜で刻んでおきたい。

39日目にも書いたが、前神寺隣の石槌神社は空海以前から霊場として信仰を集めた神社で、ご神体は石槌山そのものである。六十番から六十四番の札所は、もともと石槌信仰を前提としているもので、お遍路としては訪れるべき場所だと思う。

新居浜の宿は国道沿い(経路上)にビジネスホテルMISORAがあるが、新居浜駅前まで歩けば他にもホテルがある。ただし、外食チェーンやコンビニは国道沿いの方が便利。

[41日目]前日泊・新居浜市内、当日泊・四国中央市
8:00 新居浜市内 [移動180分] → 11:00 伊予土井 [30分・150分] → 14:00 伊予三島 [20分・60分] → 15:20 川之江周辺

この日は新居浜から四国中央まで。40日目・41日目とも、もう少し歩けるが、問題は雲辺寺の日で、川之江から観音寺まで1日で歩くのは厳しいし、途中の民宿岡田、青空屋、おおひらは規模が小さく空いているとは限らない。安全を優先するならこういう日程になる。

基本的には瀬戸内海に沿った平坦なルートだが、途中何ヶ所かの峠越えがあり、アップダウンがない訳ではない。時間があるので、「四国のみち」ルートをとるのもいいかもしれない。 伊予土井には別格十二番の延命寺がある。足の不具合に霊験あらたかなお寺なので、無事歩けるようお参りしておきたい。お寺の前には休憩所とトイレもある。

国道沿いを歩くので、昼食や補給に困ることはないだろう。この日の宿は川之江・イオン前のスーパーホテルが取れれば三角寺までの距離が最も短いが、翌日の民宿岡田がとれていれば、伊予三島でも大丈夫だろう。

[42日目]前日泊・四国中央市、当日泊・徳島県三好市佐野
8:00 川之江 [移動90分] → 9:30 六十五番三角寺 [お参り30分・移動140分] → 12:20 椿堂 [30分・150分] → 15:20 佐野

川之江から三角寺に登り、県境を越える。佐野から先の宿は雲辺寺の向こうの民宿青空屋で、参拝時間を含めて5~6時間かかる。川之江から直行してぎりぎり着くかどうかで、しかも山の中なので悩むところである。

モデルプランでは一応、民宿岡田が取れる前提でこういう日程としたが、私は椿堂までお参りしてから川之江まで歩き、翌日タクシーで椿堂まで戻った。もしかすると、歩き遍路で最も宿に苦労する地域かもしれない。

三角寺から椿堂は遍路地図では山道だが実際はずっと舗装道路である。途中の半田休憩所あたりに別格十三番仙龍寺への行先案内があるが、往復で1日がかり。ここで時間を食ってしまうと泊まる場所がない。

椿堂から佐野までは峠越えで約2時間半。県境は境目トンネルを行くのが最も標高差が少なく、昔の峠道は標高差300m登るので、さらに1時間多くかかるだろう。

[43日目]前日泊・徳島県三好市佐野、当日泊・観音寺市内
7:30 佐野 [移動160分] → 10:10 六十六番雲辺寺 [お参り40分・移動90分] → 12:20 一升水休憩所 [20分・150分] → 15:10六十七番大興寺 [30分・140分] → 18:00 観音寺市内

佐野から雲辺寺は最初の山道が本当の登山道で、林道に出るまで約1時間半は辛抱しなくてはならない。林道に出てからは舗装道路で傾斜もゆるいので、いくぶん楽になる。

この地域はコンビニ等全くないので、水・食糧は準備しておくこと。そして、雲辺寺にはゆっくり休める場所がないので、ベンチを見つけたら休んで体力を回復させておきたい。

雲辺寺からの下りが、またハードである。四国のみちなのでベンチはあるものの、多くは苔むしていて座るのに勇気がいる。私が休んだのは1時間半先の一升水休憩所だが、名前のような水場がある訳ではない。

午後に大興寺をお参りして、夕方に観音寺市内に入る計画。別格十六番萩原寺は大興寺とは方向が違って、ロープウェイ山麓駅方向に向かう。距離的には2~3時間多くかかる計算なので、お参りする場合は大興寺の民宿おおひらまでとなる。

歩き遍路モデルプラン・讃岐編 [Jun 17, 2020]

いよいよお遍路歩きも終盤、「涅槃の道場」讃岐である。

[44日目]前日泊・観音寺市内、当日泊・弥谷寺周辺
8:00 観音寺市内 [移動10分] → 8:10 六十八番琴弾八幡宮 [お参り30分・移動15分] → 8:55 六十九番観音寺 [30分・80分] → 10:45 七十番本山寺[30分・210分] → 14:45 七十一番弥谷寺[50分]

観音寺から善通寺まで1日でお参りするのは時間的に難しい。この間、泊まれる場所は弥谷寺山門近くのいやだに温泉しかないので、そうでなければJRみの駅から移動することになる(弥谷寺から約1時間)。

六十八番札所は現在観音寺境内の神恵院となっているが、真念「道指南」でも琴弾八幡宮となっているので、ここをお参りしてから観音寺に行くのがいいのではないかと思う。

琴弾八幡から観音寺まで、銭形砂絵を見たことがない人は展望台から回って行くことができるようだ。観音寺・神恵院で本堂・大師堂をお参りすると4回続けて般若心経を唱えるので、ちょっと大変である。

本山寺へは川の堤防の上を歩くのんびりした道。そこから弥谷寺へは国道を通るので交通量が多い。多少距離はあるがため池に沿った側道を歩くのもよい。弥谷寺は、西の恐山といわれる霊場だ。

[45日目]前日泊・弥谷寺周辺、当日泊・善通寺宿坊
8:00 弥谷寺 [移動80分] → 9:20 七十二番曼荼羅寺 [お参り30分・移動10分] → 10:00 七十三番出釈迦寺 [30分・50分] → 11:20 捨身ヶ嶽[20分・40分] → 12:20 出釈迦寺 [20分・40分] → 13:20 七十四番甲山寺[30分・30分] → 14:20 七十五番善通寺 [60分]

弥谷寺からは国の史跡になった天霧山麓の遍路道を曼荼羅寺まで。ここからは弘法大師が修行した我拝師山が間近に迫る。 いやだに温泉で一泊したのは、出釈迦寺奥ノ院の捨身ヶ嶽禅定にお参りするため。舗装道路ながらたいへん傾斜のきつい坂なので、時間には余裕をもって登りたい。

出釈迦寺前にはうどんの出店があり、お昼を食べられる場所はここくらいしかない。ちょうど捨身ヶ嶽を往復してきた後なので、ひと休みして体力を回復しよう。次の甲山寺へは田圃の中のあぜ道を歩く。

善通寺は本堂エリアと御影堂(大師堂)エリアが離れている上、多くの塔頭があるので時間はいくらあっても足りない。御影堂の戒壇めぐりは、いろは会館に泊まると翌朝のお勤め後に入れる。

[46日目]前日泊・善通寺宿坊、当日泊・坂出市内
8:00 善通寺 [移動60分] → 9:00 七十六番金倉寺 [お参り30分・移動70分] → 10:40 七十七番道隆寺 [30分・120分] → 13:10 七十八番郷照寺 [30分・80分] → 15:00 坂出市内

この日はいろいろなオプションがある。まず、金刀比羅宮から別格十七番神野寺に1日かけ、琴平町に泊まるコース。別格十七番神野寺は琴平から片道2時間。弘法大師が建設に携わった満濃池の堰堤にあり、お大師様の活躍が史実上確認できる場所だ。

金蔵寺・道隆寺から別格十八番海岸寺は遍路地図に書いてある距離ではなく、往復4~5時間かかるとみなければならない。この場合には丸亀あたりで日が暮れるので、郷照寺は翌日となる。

八十八ヶ所だけ回るのであれば早い時間に坂出まで達するので、電車移動を許容するなら高照院までお参りして、JR加茂川駅から坂出に戻るか高松まで移動することも可能。

いずれにしても、五色台に麓から登って白峯寺・根香寺をお参りした後、一宮寺まで歩くのはたいへん忙しいので、白峯泊とするのが安全。だとすれば、あまり急ぐことはない。

[47日目]前日泊・坂出市内、当日泊・白峯寺周辺
8:00 坂出市内 [移動40分] → 8:40 七十九番 高照院 [お参り30分・移動120分]→ 11:10 八十番国分寺 [30分・90分] → 13:10 一本松林道出合[10分・90分] → 14:50 八十一番白峯寺[60分]

この日は白峯寺近くのニューサンピア泊を想定した。私は国分から登ってたいへん忙しかったので、翌日に一宮寺まで歩く予定であれば白峯寺に泊まるのがいいと思う。

それでも、高照院経由国分寺までのロードは長く、五色台への登りはこたえそうだ。林道出合の一本松まで約1時間半、ここも遍路ころがしとして有名である。
高照院では八十場の水と白峯宮、白峯寺では崇徳天皇陵など崇徳天皇にちなんだ旧跡を訪ねておきたい。なにしろ、真念「道指南」では、高照院とか天皇寺ではなく「崇徳天皇」で札所となっているのである。

白峯寺の境内は広く、天皇陵もあるので、早く着いたとしても見どころは多い。

いよいよ大窪寺までお参りして結願。モデルプランではちょうど50日となりましたが、天候や体調もあるので何日か余裕をみた方がいいと思う。また、別格二十札所をお参りする場合には箸蔵寺で2日、慈眼寺、金山出石寺、仙龍寺、大滝寺で各1日、大山寺、海岸寺も八十八ヶ所の経路から半日以上を要するので、8~10日多くかかる。

[48日目]前日泊・白峯寺周辺、当日泊・高松市内
8:00 白峯寺 [移動150分] → 10:30 八十二番根香寺 [お参り40分・移動120分] → 13:10 飯田お遍路休憩所 [20分・120分] → 15:30 八十三番一宮寺 [40分・120分] → 18:10 高松市内

前日は白峯寺前のニューサンピア泊を想定したので、できれば一宮寺を午後にお参りして高松市街まで歩いておくと翌日が楽になる。
白峯寺・根香寺間は基本的に登山道だが、雨天の際は舗装道路を歩いた方が安全。私は山中を歩いたのでたいへん心細かった。また、この日は自販機だけで売店がほとんどない道を歩くので、非常食を準備しておきたい。

別格十九番香西寺は、根香寺から車道を通って香西方面に下りれば出られる。1~2時間余計にみればいいのではないかと思う。その場合は、出発を少し早めにするか、そのまま高松市街に出て一宮寺は翌日という方法もある。

飯田お遍路休憩所はきちんとした家の中で、ひと安心できる。ここから一宮寺までは香東川河川敷の自転車コースを歩けば信号待ちをしなくてすむ。左折するのは香東大橋なので間違えないように。

一宮寺はコンパクトでお参りにはそれほど時間はかからないが、お隣の讃岐一ノ宮・田村神社をお参りするため40分とした。

[49日目]前日泊・高松市内、当日泊・志度寺周辺
8:00 高松市内 [移動120分] → 10:00 八十四番屋島寺 [お参り40分・移動150分] → 13:10 八十五番八栗寺 [50分・130分] → 16:10 八十六番志度寺 [30分]

この日は高松市内であるが、屋島寺・八栗寺とも山の上にあるので、意外とハードである。もう一日余裕をみて、48日目に書いた香西寺とか、法然ゆかりの仏生山、真念の墓がある洲崎寺をゆっくりお参りするもよい。

順打ちだと、屋島寺は登りは整備されているが下りは登山道、八栗寺は登りが傾斜がきつく、下りはゆるやかである。ともに境内は広く見るべき場所は多い。特に八栗寺は五剣山の眺めがすばらしく、霊場の雰囲気が感じられる。

八栗寺から志度寺は遍路地図記載のルートと丁石や案内の指示するルートが違っているので注意。方向感覚を失なわず、東の方向を目指して国道11号に出て、琴電志度線に沿って進めば間違えない。

志度寺周辺に宿泊することにしたが、もし早く歩けるようであれば長尾寺まで進んだ方が翌日の登りが楽になる。特に、遍路道や女体山越えをする場合には、少しでも先に進んで翌日に臨みたい。

[50日目]前日泊・志度寺周辺、当日泊・大窪寺周辺
7:30 志度寺[移動150分] → 10:00 八十七番長尾寺 [お参り30分・移動90分] → 12:00 道の駅ながお [20分・120分] → 14:20 多和小学校前休憩所 [10分・90分] → 16:00 八十八番大窪寺 [40分]

いよいよ結願、八十八番大窪寺である。午後4時に大窪寺に入るためにはお昼までに道の駅ながおに着いておきたいところで、逆算すると長尾寺に10時、出発は7時半ということになる。

道の駅の少し前から始まる登り坂は額峠まで続き、その後はゆるやかな下りとなる。国道377号との合流点である多和にはいくつかの休憩所があり、多和小学校の休憩所にはトイレもある。少し先の竹屋敷にもベンチがある。

竹屋敷からの遍路道は意外と登り坂で、標高差100mほどある。舗装道路でそこまで登っているように感じられないものの、あまり飛ばすとバテるので注意。

この日の宿は民宿八十窪。結願祝いのお赤飯がふるまわれるはずだ。

[結願後・別格二十番]
結願後のルートをいくつか示しておきたい。まず、別格二十番大滝寺はコミュニティバスの終点近くから尾根伝いに行けるらしい。来た道を多和まで戻り、さらに国道377号を3km進んだ中山から、大滝寺への登山道がある。WEB情報では金毘羅様の鳥居から登山道が始まるとのこと。

大滝寺までの距離は5.5kmということだが、標高差が635m、累積標高差は1000m近くあって、おそらく片道3時間はかかるはずだ。八十窪から歩くと5~6時間ということになる。本当の登山道なので、登山装備(水・雨具・地図など)は必須。

お参り後は麓までのアクセスがこれまた厳しい。塩江までの下りは車道を約13km、3時間強。高松へのバスは1時間に1本程度。

[結願後・與田寺]
與田寺は四国総奥ノ院と呼ばれ、江戸時代には三本松から四国入りした多くのお遍路でにぎわったという。

五明トンネルから白鳥温泉を抜け、星越峠から三本松に入る。與田寺までは約18km、自販機があるだけでコンビニ等はないので、大窪寺の門前で準備しておくことになる。

與田寺からは三本松市街で、ホテルもある。行き倒れかけたお遍路が製糖技術を伝えて和三盆ができたという向良神社が、国道から少し入ったところにある。

三本松に一泊して、大坂峠を越え三番金泉寺付近に出るか、卯辰越から大麻比古神社に出て、一番霊山寺に向かう。

[結願後・一番霊山寺]
一番霊山寺への最短経路は、五明トンネルを右折しイチョウの大木をまっすぐ進んで、十番切幡寺付近に出るルート。午前中には徳島道の高架下を越え、一番に向けて阿讃山脈を北に望む見慣れた風景になる。

一番霊山寺までは約40kmあるので、十楽寺か安楽寺の宿坊で一泊することもできる。

[Jun 17, 2020]

四国札所歩き遍路目次   第一次区切り打ち) ←   結 願 ←