60歳で再び学校生活を送ることになるとは思いませんでしたが、脳の違う部分を使っているようで、たいへんためになりました。

資格試験第一弾ボイラー技士免許    資格試験第2弾危険物乙4
これは実務経験か?いやはやボイラー実務講習    電気工事士筆記試験
危険物取扱者乙1・3・5    ポリテクセンターの収支計算    いよいよ修了式
1ヶ月の延長給付


資格試験第一弾ボイラー技士免許

職業訓練校ポリテクセンターに入って1ヵ月余り、ようやく周りの方々の顔を覚えたとたん、資格試験第一弾である二級ボイラー技士免許試験の当日となった。

巷間言われるところでは、それほど難易度の高い試験ではないものの、何と言っても還暦間近になって初めて勉強する分野である。覚えが悪い上に、過去の経験から類推できる部分もきわめて少ない。丸ボイラーと水管ボイラーのどっちがどっちだか知ったのはここ1ヵ月だし、水面計のメンテナンスだのボイラー設置にかかる手続きだのの講義を受けたのは試験1週間前である。

おりしも前日から強い冬型の気圧配置で、風がすごく強い。風が強いと内房線はすぐ止まってしまうので、念のため早く家を出る。五井に着いたのは11時半前、まだシャトルバスは来ていなかった(11時50分から)。ちょうど乗合タクシーが「あと一人」と言っているので、600円払って乗る。禁煙なのにすごくタバコくさいタクシーだった。

会場である関東労働衛生技術センターは、もともと労働省の外郭団体で、ボイラー技士はじめ厚生労働省管轄の免許試験を実施している。五井駅から市役所の横を抜け、さらに山の方に入る。ゴルフ練習場のすぐ脇が試験会場で、なんだか官庁が買うような土地ではないようだった。どうせなら、かずさアカデミアパークにすればよかったのに。

それはともかく、センターの建物に入る。自動販売機はあるが、食堂・売店はない。1階ロビーの椅子が空いていたので、座って最後の復習。ほどなくシャトルバスの人達も入ってきて試験会場のある2階に上がって行った。2階にもロビーがあるし、会場の自分の席でも参考書を見ることはできる。開始時間が近づくと、会場のそこここに毎日合わせる顔が見られるようになった。

試験会場は1人席で、学校みたいである。1教室に140席あって、3教室使っていたから、この日受けたのは400人余りということになる。きょうびボイラーを使っている事業所はあまりないような気もするのだが、受験者は結構いるようである。女性の姿もちらほら見かけるし、若い人も多い。

試験開始15分前から説明が始まる。机の上にはシャーペン、消しゴム、定規と受験票だけ置いて、筆箱・携帯その他は電源を切って荷物の中にしまうこと、開始後1時間は終わっても退室できないこと、試験中に本人確認に回るので、顔を上げて確認させることなどの注意を受ける。

そして、まず解答用紙が配られる。マークシートである。最初に受験番号と氏名、受験種類を記入する。解答欄が44問まであって「聞いてないよー」と思ったが、「本日の試験は40問ですので、41問から後は何も書かないでください」と説明があった。おそらく、他の免許試験の解答用紙と共用しているんだろう。

次に問題用紙が裏向きに配られる。B4なので机からはみ出しそうだが、「2ページ以降を見る時は問題用紙を折り畳んで見てください。問題用紙を立てて読んだり、机の前から垂らしたりすると、不正行為の疑いを受けることがあります」と注意がある。午後1時半試験開始、制限時間は3時間である。

二級ボイラー試験は40問。構造、取扱い、燃料・燃焼、法令の4部門でそれぞれ10問ずつ。合格ラインは60%、ただし、各部門それぞれ40点はクリアしなければならない。問題はすべて5択で、半分以上が「この中で誤っているものはどれか」である。

この試験は過去の出題問題が公表されており、それをみると正誤が明らかなサービス問題がほとんどである。やってみると9割以上は正解だったので、試験前にはそれほど心配していなかった。ところが実際の試験は公表問題よりいやらしい問題が多く、教科書の細かいところを聞いてくる問題も結構ある。

よく考えると公表問題はあくまでモデルであり、試験回数は何十回もあるけれども公表されるのは半年に1回なので、モデル問題そのものが出る訳ではない。それに、後からセンターのHPを調べたところ、二級ボイラーの合格率はちょうど60%である。つまり、4割は合格ラインに達しないということである。
 
という訳で、試験が始まった。最初の2問はサービス問題だったので安心して始められたが、3問めからいきなり細かいところを突いてくる。5択のうち3つは明らかに違うのだが、残りの2つでどちらか確信が持てない。その次がマンホールの問題。周継手・長手継手は覚えてきたのに、「胴の軸」と言われてどちらか確信が持てない。これも2分の1の確率である。

その後もいやらしい問題が続く。火炎検出器の問題では、過去問では形式と検出方法の段階ですでに誤りがはっきりしていたのに、実際の問題はそこまでは合っていて(整流式光電管=光電子放出現象、とか)その後の説明が違うのである。これでは確率5分の1である。

取扱いでは自動制御とデュフューザポンプが出る。あまり準備していない分野であるので、ここも確率2分の1まで。アルカリ腐食の「水酸化カルシウム」のひっかけ問題には何とか持ちこたえたものの、この薬品は何の効果がありますかという、想定とは逆の問いをされて参ってしまう。

燃料・燃焼は比較的過去問に近い問題が多かったけれども、法令は講義を1日で終わらせてしまったものだから、あまり勉強していない分野がある。その勉強していない分野であるところの溶接試験と構造試験、使用再開試験が出たのだから恐れ入る。

40問終わってカウントすると、ほぼ大丈夫だろうと思えるのは25問。残り15のうち半分は2分の1まで絞れたがそこまでだし、あとの半分はあまり自信がない。ほぼ大丈夫だと思ってもケアレスミスがあるので、自信のない15をすべて外してケアレスミスを2つやったら不合格である。受験料6,800円と往復の交通費、合わせて1万円が無駄になってしまう。

制限時間は3時間あったが、1時間と少しで見直しを済ませ、これ以上考えても分からないものは分からないので、3時少し前に退室する。試験を終えたのは早い方なのに、すぐに向かったシャトルバスはほぼ満員だった。結果発表は1週間後の2月28日。本人宛に結果が郵送される他、センターの掲示版(建物前にあるリアルな掲示板である)とホームページに掲載される。

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1週間後の2月28日に試験結果が発表された。結果は辛くも合格。ひとまずほっとする。発表された合格者番号を見ると合格率は50%程度、昨年一年間の合格者の比率が60.4%だから、有意に低かったということである。あの問題ならそういうことになっておかしくない。それくらい意地の悪い問題だった。

ポリテクセンターで周囲の人達の結果を聞くともなしに聞いていると、何人かは不合格の人がいたようである。しかし、丸18日間(うち3日間は危険物だが)講義を受けてきて、全員合格できないというのは何なのかと思う。もちろん、職業訓練は資格試験の予備校ではないのだけれども、「ここは試験に出ませんから」などと一部を教えなかったりしているのだ。

思うに、テキスト(自己負担)やら過去問(これは無料)やら提供しているのだから、あとは自分でやれ、無料の講義に期待するなということではあるのだけれど、講師はボランティアではなく、雇用保険から給料が出ている。結果につながらない講義をしても給料がもらえるというのは、職業訓練の見地からみても好ましくないことなのではないかと思う。

もちろん、訓練校の講師はまじめに取り組んでいる人が多いのは分かるのだが、ことボイラーに関しては、講義内容が十年一日、全く工夫がなく資格試験対策にもあまり効果がないものであった。この分野は実際に従事している人が少なく、70過ぎのじいさまがいまだに講師をやっているという時点で疑問符が付くのではあるが。

五井の山奥にある関東安全衛生技術センター。免許試験がある時は、シャトルバスと乗合タクシーが運行される。


[Apr 5, 2017]


資格試験第2弾危険物乙4

ボイラー技士免許試験の次は、危険物取扱者乙種である。乙種は危険物の種類ごとに第1類から第6類まであって、ポピュラーなのは石油類を取り扱う第4類である。乙種第4類を略して「乙4」という。危険物取扱者には甲種から丙種まであるが、乙4が一番受験者が多いため、試験日も一番多く設定されている。

ボイラーの試験が終わって危険物乙4まで10日しかないため、悠長に講義を待ってはいられない。ひととおりテキストを読み、消防試験センターのホームページに出題例が載っているのでやってみる。やってみたけれど、大変びっくりした。試験の約3分の1は「物理・化学の基本的知識」なのだが、これがまた難しいのである。

危険物乙4の試験科目は3つ。法令15問、火災予防・消火10問、物理・化学10問である。合格するにはそれぞれの科目で60%以上正解しないといけない。最近の合格率を調べてみると、なんと約300人受けて合格は100人程度である。合格率に直すと33%、これはなかなか大変である。
 
タンクローリーに乗っている人達はみんなこれができたのだろうかと思いつつ、「50、200-400、1000-2000、2000-4000、6000、10000」とか、「アセトアルデヒド、酸化プロビレン、アセトン、ピリジン、氷酢酸」などと基本項目の暗記にはげむ。それでも懸念されるのは、物理・化学である。範囲が広すぎて、準備してもしきれるものではない。

大学受験以来四十数年ぶりに、モルとか生成熱とか燃焼熱とか、「まあ当てにすんな、ひどすぎる借金」などと鈍った頭に叩き込む。そうでなくても覚えることが多すぎてぶつぶつ口に出していないとならないのであった。

3月の乙4試験は千葉県では設定がなく、東京都に行かなければならない。指定された受験地は笹塚の中央試験センター、東京消防庁の施設内にある。受験日は日曜。平日であれば訓練を休んでも出席扱いになるのだが、休日の場合は丸々つぶれる。しかも代休がないのは損だなあと思うのは、サラリーマンの悪しき習性である。

新宿から京王線に乗り、笹塚で下りて南口に出る。案内図ではショッピングモールを進んで左に折れるのだけれど、曲がるところを間違えたらしく住宅街の深みに入ってしまい、なかなか出られない。時間に余裕があったので何とか間に合ったけれど、少々汗をかいた。

受験会場は2階と3階に分かれていて、私の受けた2階には300人ほどが入っていた。開始15分前から説明が始まるが、その頃になっても空席が目立つ。おそらく2割近くが当日欠場だったのではないかと思われる。上に述べたように合格率は30%ほどだが、欠席が多いので実際には40%くらいなのではないかと思われた。

インターネット申請の場合、受験票はメールで送られてきてそれに写真を張って会場に持って行くのだが、その受験票は本人確認の上会場で回収される。普通は主催者が発行して最終的に受験者の手元に残るのだが、それとは逆に受験者が作って主催者に渡すという発想の転換である。自分の写真を返せという受験者が大勢出てこない限り、効率的なやり方である。

試験が始まった。2時間の試験だが、35分経つと途中退席が可能であり、次々と席を立つ受験者がみられる。私もその頃にはひととおり終わって見直しに入っていた。法令と危険物・消火については、7、8割が正解と思われた。苦戦したのは第4種危険物の中で今回の出題ポイントが「アクリル酸」だったことである。倍率と性質で2問がアクリル酸だった。
 
アクリル酸は特殊引火物と第一石油には入っていないはずなので(さすがにこれらは覚えている)、第二石油か第三石油のいずれか。水溶性と非水溶性があるので、指定数量は1000リットル、2000リットル、4000リットルの3つの可能性がある。ところが5択の選択肢に含まれていたのは2000リットルで計算した倍率だけだったのは幸いであった。(正解は第二の水溶性で2000リットル)

性質については、水に溶けるかどうか聞かれたが、第二石油の水溶性か第三石油の非水溶性か分からないのでこれは不明。それでも、間違いを探す問題で、「重合はするが大したことはない」といういかにも嘘っぽい選択肢があったので、ここも迷わずそちらを選ぶ。

そんな具合で2つの部門は6割をクリアした感触が得られたのだが、問題はやはり物理・化学であった。10問のうち、ほぼほぼ大丈夫と思われたのが6問、あとの4問は5択を2択に絞るのが精一杯であった。16分の1の確率で自信のない4問がすべて外れ、6問の正解見込にケアレスミスがあれば6割をクリアできない。かなり首筋が寒くなった。

帰ってからその確率2分の1を確認する。実際の問題は5択なのだが、これは選べないという3択を除いた2択にすると、次のような質問であった(1問は忘れてしまった)。

1.消火効果があるのは、食塩か重曹か。
第一印象は重曹(炭酸水素ナトリウム)である。しかし、福島の原発事故で海水を放水していたので、食塩に全く効果がないかどうか自信がない。福島では大量の水がなかったのでそうしたんだろうと推測して重曹を選んだのだが、調べると食塩は金属火災に使われるようだ。となると、他の3つのうちに「ひっかけ選択肢」があったのかもしれない。

2.異性体があるのは、グルコースかクレゾールか。
そもそもグルコースが何だか分からなかったのだから歳はとりたくないものである(正解:ブドウ糖)。クレゾールに異性体があるかどうか。あると推測してこちらを選んだのだが、何とか正解を引き当てたようだ。

そもそも、化学の問題としてはベンゼン類にヤマを張っていて、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ニトロベンゼンあたりは予習してあった。ところが第3石油のクレゾールまで手が回らなかった。帰って調べるとクレゾールもベンゼン類で、だとすればキシレンと同様、6つのCのどこに付くかで異性体があることになる。ヤマそのものは当たっていた。

3.一酸化炭素は空気より重いか軽いか。
一酸化炭素と二酸化炭素の性質を聞く問題で、間違い探しの5択。その中で、「COは空気より重く、CO₂は空気より軽い」というのが嘘っぽい。なにしろ分子式からいってCO₂の方が比重が大きいのは確かなのである。問題はCOが空気より軽いかどうかである。

問題用紙に、H He Li Be B C N O F Neと書いてみる。炭素は窒素より原子番号が若いから、COとNOを比べるとCOの方が軽い。問題は、COは炭素と酸素が半々、空気は窒素8割、酸素2割ということである。でも、COの方が空気より軽い可能性はなくはない。第4類危険物の蒸気は空気より重いが、一酸化炭素は危険物ではない(常温で気体なので)。

確認すると、「空気とほとんど同じだが、若干軽い」。とすると、空気より重いというのは明らかに間違いで、ここも何とか正解だったようだ。

ということで、少し安心して3日後の結果発表を待つ。WEBで結果を見るとなんとか合格。二級ボイラーに続いて2連勝となった。とはいえ、目の子で合格率を計算すると3割くらいで、私の後は7、8人番号がなかったから、なかなか厳しい試験だったということである。

WEBの2日後にハガキが届く。ボイラーは単に「合格」だけだったけれど、危険物の方は試験結果も載っている。懸念していた物理・化学の正答率は80%、10問中8問正解だったということだ。つまり、分からなかった4問を2択に絞ったことにより、確率どおり2問が当たった訳で、かなり危ない橋を渡ったということである。

試験会場の消防試験中央センターは、笹塚の東京消防庁施設内にある。


[Apr 21, 2017]


これは実務経験か?いやはやボイラー実務講習

ボイラー技士の免許を取得するためには、ボイラー技士試験に受かるだけではダメで、一定期間の実務経験が必要である。とはいっても、ボイラーの実務に従事できる機会というのは決して多くはない。だから、実務経験の代わりに各都道府県ボイラ協会が実施する実務講習を受ければ、免許取得ができることになっている。

この制度は最近になってできたようで、何となくボイラ協会の新たな収益源という気もしないではないが、逆に誰もこの資格に見向きもしなくるリスクがあるのだから、ボイラ協会としても存続を懸けた勝負ということになるのだろう。私だって、職業訓練所に来なければボイラーの資格を取るなんてことは頭に浮かばなかったのである。

この実務講習は3日間。真ん中の1日が実習で、前後の2日が座学である。前後の座学は、全くといっていいほどつまらなかった。

確かに試験合格後に受けるという決まりはなく、これから試験を受ける人もいるのだけれど、半分以上は試験に合格して実務経験の代わりに受けているのである。にもかかわらず、二日間はテキストの棒読みである。ボイラー協会の資金稼ぎが目的かと邪推してしまうのは仕方がない。

というのは、この内容で1人2万円+消費税も取るのである(私はこうした講習にカネを取る/取られるという表現は使いたくないが、使わざるを得ない)。この日集まったのは60人。売上はざっと120万円である。公共の会場なので、3日使っても10万円もかからない。講師は協会内部。実習会場への謝礼を含めても、半分以上は粗利になるのではないだろうか。

ちなみに、テキスト代は別。飲み物も食事ももちろんつかないし、実習会場への移動も各自である。確かに、一般社団法人だから収益事業をしてもいいのだが、これはやり過ぎである。この講習は毎月実施されているので、年間売上は約1500万円、粗利半分とすると、事務員の給料が2人分は出る。
 
唯一、真ん中の実習日はためになった。60人のうち40人はJFE研修所、20人は新日鉄住金と分かれての実習となった。要項に缶前と書いてあるので講師の名前かと思っていたら、 「かままえ」といってボイラー前という意味なのである。だったら「釜前」と書いたらいいように思うが、ボイラー業界では「缶」と書いて「かま」と読むルールになっているのであった。

さすが老舗の製鉄会社だけのことはあり、研修用の機器も揃っているし、講師もボイラー協会の人よりずっと面白い。いわく、「昔は人の命よりボイラーをスケジュールどおり動かす方が大事だった」「爆発してよく人が死んだ。だからくれぐれもプレパージ(運転前にボイラー内の換気をすること)を怠らないように」だそうだ。

もっとも現在では(4、50年前からだが)、ほとんどのボイラーが自動制御であり、スタートボタンを押せば機械が全部自動でやってくれるし、異常があればすぐに機械が止まる仕組みになっている。監視も缶前(かままえ。上述のとおり)でやる必要はなく、監視室でモニターと現在のデータを見ていれば済むそうである。それでも、ボイラー技士の資格を取るには手動運転ができないといけないのだ。

ただ一つ残念だったのは、JFE研修所の本チャンのボイラーはすごく小さくて、しかも温水ボイラーなのでほとんど操作することがなかった点である。規模的には、ポリテクセンターにある炉筒煙管ボイラーの方が大きいし、しかも蒸気ボイラーなので本格的なのであった。

もうひとつ、意外だったのはJFEのボイラー室に神棚が見当たらなかったことである。ポリテクのボイラー室にはちゃんと神棚があるし、かつて働いていたバカ会社のコンピュータ室にも神棚はあったので、火を扱うところ、事故が心配なところには神棚があるものだと思っていた。もちろん、研修用であまり使わないということもあるのだろう。

いずれにせよ、この3日間の講習受講で、免許申請の資格が確保できた。さっそく東京労働局に免許申請したところ、早くも翌週には免許証が簡易書留で届いた。運転免許と同サイズのカードである。ともあれ、これで職業訓練の成果をひとつ手にしたことになる。

ボイラー実務研修で登場した、ボイラーシミュレーションマシン。点火操作や水面計の機能試験が体験できる。


[May 11, 2017]


電気工事士筆記試験

1月にスタートした職業訓練所・ポリテクセンター千葉での日々も、終わりに近づいている。30名の研修生でスタートしたビル設備サービス科1月生も、就職して続々と退所、5月末には17人に減ってずいぶんと寂しくなった。

6月には電気工事士試験という大きなイベントがある。電気工事の講義は1月と2月で、それから3ヵ月空くので試合勘(?)が鈍ることが心配されたが、意外と早く6月4日の試験日になった。試験会場は西千葉にある千葉大学。むしろ心配なのは7月の実技であるが、ともかく筆記試験を受からないことには実技試験に進めないのである。

試験当日、まだ開始まで1時間以上あるというのに、千葉大学のある西千葉駅は受験者と思われる多くの人でごった返していた。全国で8万人で受ける試験であり、千葉県でも千葉大学2ヵ所と幕張メッセの3ヵ所で試験が行われる。ボイラーや危険物は毎月試験が行われるが、電気工事士は1年に2回しかないので、この日千葉県だけでおそらく数千人が受験するのだ。

受験場まで続く列の他に、受験生目当てのセールスの人達もずいぶんといる。歩く人達の年齢層をみると、若い人ばっかりで、私のようなロートルはほとんどいない。西千葉からすぐ前が千葉大だが、ここでは受験生は入れてくれず、10分ほど先の正門に誘導される。交通整理・誘導の人達も多い。結構な数のバイトを雇っただろう。
 
試験会場には1時間近く前に着いた。いったん教室に入るが、時間があるので中庭でひと休みする。夏至が近いので真上から日差しが降り注いで、少し暑いくらいである。そのためかみんな日陰で最後の復習に余念がなく、日向にあるベンチには誰も座っていない。試験があるためかきれいに拭いてある。腰を掛けてしばし休息。こういう時はゆっくり落ち着くことがなにより大切だ。

昔からこういう試験前には、間際に復習したりするよりもコンディションを整える方が重要だと思っていた。直前におさらいしたことが出る可能性もなくはないだろうが、それよりも心身のコンディションを整えて、何を聞かれても大丈夫という体制を固めることの方が効果的だと考えている。

午後12時45分、試験前の注意が始まった。気になったのは教室に時計がないことで、普段携帯を時計代わりにしている私には時間を知るすべがない。まあ2時間あれば時間が足りないことはないだろうから、気にしないことにする。問題は50問で、理論が30問、配線図が20問。6割で合格である(あまりに合格率が低いと、合格ラインを引き下げるらしい)。

午後1時、試験開始。順調に問題を解いていくが、途中、「太陽光発電装置で使っている機械は」などという、過去問にもなければ参考書にも出ていない問題が出て来て戸惑う。よくみると、他の問題も過去数年の出題と同じように見えるのだが、質問を難しくしている。参ったなと思って先に進むと、なんと接地抵抗計の操作方法についての質問がある。

接地抵抗計では、過去に「E、P、C」の設置極の差し方やら直流か交流かを聞かれたことはあっても、接地抵抗計を使う前の確認手順など聞かれたことはなかった。ポリテクで接地抵抗計を実習したときの記憶を懸命にたどるが、そこまで試験に出ると思っていないから記憶もあやふやである。実際に使っていなかったらお手上げだろう。

配線図も、3相3線の難しいやつである。絶縁抵抗が単相と3相で違う上に、電動機のスイッチやらコンセントやら、住宅にはないような記号が出て来る。苦手の複線図問題も、いつもの年より多い。「使っていないスイッチはどれですか」のサービス問題も、いつもの年は3路・4路・確認表示・位置表示の4択なのに、電動機の押しボタンなど出されては困ってしまう。

ひととおり終わって確実そうな答えを数えてみると、35しかなかった。全部あっていれば70点だから合格、5問間違えても大丈夫ではあるが、過去問では初見で8~9割は正解だったので、平成29年上期の試験はかなり難しかったということになる。9割は余裕で解けるだろうと思っていたので、かなりの欲求不満が残った。

翌日、電気技術者試験センターのホームページに問題と解答がupされ、採点したところどうやら合格点はクリアしたようであるが、結構冷や汗物であった。まあ、学科が難しいときは技能は楽な問題が出るということであるから、そう思ってあとはがんばる他なさそうである。

試験会場の千葉大・総合校舎。若い人が多くて、ロートルは場違いだったかもしれません。鞄を持っているのは試験官。


危険物取扱者乙1・3・5

電気工事士筆記試験の次の週は、危険物取扱者である。

危険物については3月に乙種第4類(乙4)の試験を受けたが、その際に第1類から第6類までの勉強もざっとしなければならなかったし、将来もし甲種を受けるためには乙種を4科目持っていなくてはならないから、千葉県の試験日に申し込んでおいたのである。

ポリテク千葉の他の研修生は、消防設備士(火災報知器とか消火器)を受ける人が多いのだが、どちらかというと危険物の勉強の方が性に合っていて、やっていておもしろいから長続きする。電気工事の勉強と並行して、塩素酸カリウムやら黄リンやらニトログリセリンの性質と消火方法を繰り返し学習していたのである。

ふと思い出すと、高校生のとき大学の専攻を選ぶにあたって、就職等には法学部が有利だと分かっていても法律を勉強するのはどうにも気が進まなかった(もちろん難易度という問題もあったが)。法律も消防設備も、いわば「人の決めたこと」を勉強するのである。自分はそうではなくて、「ある法則に基づいて動いているもの」の方に関心が向くのである。

ポリテクの消防設備の講義で、「避難階って何だか分かりますか?」と聞かれたところで、江戸時代には避難階なんてなかったし、いまでも南太平洋の島々にはそんなものはないだろう。時間と場所が限定された知識に汎用性はないし、勉強したとしても規則を作った人間には敵わない。しかし、黄リンを空気中に放置すれば発火するのは時代と場所を問わないし、水で消せるというのも変わらない。そういうことである。

という訳で6月11日の日曜日、試験会場である日大実籾校舎へと向かう。前の週の電気工事士ほどではないものの、京成の実籾駅から多くの若者が歩いていくので、地図を見なくてもその列に付いていけば大丈夫である。昔の競馬場を思い出した。試験場の2号館は門を入ってすぐ。その奥はグラウンドになっていて、野球部が練習していた。

203号室は、複数受験者専用の試験室である。よく見ると、受験票に座席番号が書いてある。黒板には、「2科目受験者11時10分まで。3科目受験者11時45分まで」と大きく書いてある。机に受験番号シールが貼ってあるのは乙4と同じ。3つ貼ってあるのが3科目受験者で、帰る時に問題用紙に貼り付けて返却する。問題が漏れるのを防ぐためである。

9時半に説明が始まった。かなりのご年配の監督官で、原稿を読んでいるのだが時々何を言っているか分からないのが難点である。問題用紙と3科目のマークシートは厚手のビニル袋に入って配られる。問題用紙は法令、物理化学と、乙4を除く1類から6類までの問題が載っている。複数受験者は法令、物理化学は免除なので、各類の性質・消火の10問ずつを解くことになる。

10時試験開始。中ほどのページの第1類の性質・消火から解いていく。が、苦手の質問である「正しいのはいくつですか」が次々と現れる。正しいにせよ間違っているにせよ、1つだけにしてほしいものだ。そして、消火の問題では、二酸化炭素とハロゲンがだめなのは分かるのだが、「水と粉末」か「水と乾燥砂」なのかを問われる。

そして、個別の危険物では、過酸化バリウム、臭素酸カリウム、無水クロム酸といったマイナーな危険物が出題された。硝酸カリウムとか次亜塩素酸ナトリウムとか、もっとメジャーな危険物を聞いてほしいものである。第1類が終わって、大丈夫そうなのは4問、半々なのは2問、残りの4問は当てずっぽうである。60の手習いにしては難しすぎる。

第1類に比べると第3類、第5類は比較的過去問に近い問題が多くて、なんとか60%は確保したのではないかと思うが、第1類はなんともいえない。第4類を除く乙種の合格率は66%前後であるので3分の2は合格しているのだけれど、残り3分の1に入ってしまう可能性はかなりありそうだ。合否発表は6月28日である。

危険物取扱者、千葉県会場の日大実籾校舎。電気工事士ほどではありませんが、多くの若者が受験していました。


[Jun 16, 2017]


ポリテクセンターの収支決算

さて、1月から6ヵ月通ったポリテク、職業訓練所について、その得失を考えてみたい。まず、経済的な収支。ポリテクセンター千葉に通うにあたって、強制・半強制でいくつか避けられない出費があった。改めてまとめると、以下のとおりである(金額は概算)。

傷害保険料           4,000円
講義で使用するテキスト代  12,000円
二級ボイラー技士試験費用  12,000円
ボイラー実務講習費用    23,000円
危険物取扱者試験費用    24,000円
二級電気工事士試験費用   30,000円
雑費(交通費・郵便代)   25,000円
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合計               130,000円

上の金額には、これから結果が出る危険物乙1・3・5の免許申請費用と、二級電気工事士の実技試験・免許申請費用は含まれていない。それでも10万円を軽く超えている。ポリテクに通うと受講手当が上限2万円出るが、それでは全然足りない。(あとつけ加えると、二級電気工事士試験費用には、工具セットと受験準備用資材が含まれる。)
 
正直なところ、ボイラーの実務講習を受ける必要があったのかどうかいまだに疑問だし(試験だけ受かっていればあとは就職に必要なら受ければいい)、他の資格にしても受講生が必要だと思えば取るし、どれが必要かは自分で考えさせればいい。強制・半強制にするのがおかしいのである。

一方で、ポリテクに通う間は失業保険の受給期間が延長されるので、その分収入も増える。だから、増えた分の収入と上にあげた必要な費用との兼ね合いとなる。私の場合、若干のプラスとはなったものの、6ヵ月の間拘束されたことを考えれば、それほど率のいい取引だったとも思えない。

というのは、聞かなくてもいい講義があり、関わりになりたくないような人間も少数ながらいた。失業者相手だと思うのか横柄な講師もいるし、常識のない職員や受講生もいる。そもそものきっかけは失業保険が余計に出るということで志望したのだが、もし8ヵ月前の私にアドバイスするとすれば、収入に見合っただけの負担は覚悟しなければならないということになるだろう。

もちろん、ポリテクセンターに通わなければ勉強できなかった(しなかった)ようなこともあったけれど、6ヵ月間あれば別のこともできたのである。どちらがよりプラスだったのかは時間がたってみないと分からない。とりあえず確かなのは、6ヵ月間拘束されて時間に自由がほとんどきかなかったことである。

資格ということでは、ボイラー、危険物取扱者、電気工事士を取れる見込みではあるが、家にいて役立つとすれば電気工事士くらいで、他の資格は知的好奇心を満足させる以上のメリットはいまのところない。空調工事や配管工事も習ったけれども、家でエアコンの取り付けや水道工事をするためには、それなりの機械や工具が必要だということが分かっただけである。

そうした分野に知的刺激を受けるならば講義を受ける意味はあるけれども、そうでなければ1日拘束される苦痛だけが残る。なぜかポリテクの人達は受講生を時間一杯拘束することに異常に執着しているので、本当に1日中拘束されるのである。

かたや、職業訓練所の倍率はそれほど高くはなく、私がいる間にも定員割れが続いて閉鎖になるコースがあった。コースが閉鎖になれば講師も減るし、ポリテクの使えるカネも減る。だったら講習内容を充実させてより魅力あるコースにすればいいと思うのだが、厚生労働省だから就職率の向上にしか関心がなく、特に後半になると講義もいいかげんである。

ポリテク同士で就職率の競争をしているようで、ポリテク千葉の場合も就職あっせんに力を入れているのだが、ポリテクで紹介するのは6人態勢のシフトで24時間保守しているような過酷な現場ばかりである。受講生は就職率より資格・知識の取得に関心があるのに、ポリテクは資格はおまけであり、ともかく失業者を就職させることにしか関心がない。

ポリテクセンターの宣伝文句が「急がば学べ」(ポスターとかにそう書いてある)なのだが、一番そう考えていないのが厚生労働省なのである。彼らは労働者の側に立っているのではなくて、求人してくる企業の側に立っている。国や地方公共団体がそれでいいのかと思うが、そういう考え方で彼らの中で競争しているものだから、どうしようもないのである。
 
ということで、いろいろな意味で思ったほどの効果はなかったけれども、もちろん有形無形のプラスはあった。その最大のものは、60年間経験がなかったことを勉強できたということである。これまで使っていなかった脳の部分を使うことができ、間違いなく「ボケ」からは二、三歩遠のいたのではないかと思う。

[Jun 22, 2017]


いよいよ修了式

6月28日、ポリテクセンター千葉、ビル設備サービス科1月生は修了式を迎えた。
 
先週書いたようにいろいろ言いたいことはあるにせよ、受講料無料でいろいろ勉強できたことは確かである。そして、6ヵ月間過ごした仲間ともいよいよお別れ。すでにビル設備サービス科は半数近くが就職して退所、30名中最後まで残った16名の多くも次の職場が決まっていて、厚生労働省的にはたいへん優秀な講習生ということになるだろう。

私はというと、6月まで失業保険期間が延長された上に就職もできるなどといううまい話はなかった。とはいえ、50代半ば以降でも努力して次の職場を見つける人が少なくなかったので、努力とやる気が足りなかったのは否めないところである。講義や資格試験には相当やる気を出したのだが。

いつものように9時半に教室に集合する。この日は修了生以外のポリテク生は訓練休にあたるため、校内は閑散としている。担任の先生は普段の作業服ではなく、ワイシャツにスーツの下というサラリーマンスタイルである。

入所式のときは200人ほどいたイベントホールには、半分ほどしかいない。3人とか5人、あるいは1人しか残っていないコースもある。入所式では代表で1名だけが名前を呼ばれたが、修了式は全員の名前が読み上げられ、返事をして起立する。代表者1名が前に進み、訓練所長から修了証書を受け取る。

続いて所長からの祝辞である。「半年間、慣れない環境で新たな分野の勉強、お疲れ様でした」から始まり、ここでの経験を新たな職場で生かしてほしい、とおそらくそういうことを言うだろうと思われた内容だった。

意外だったのは、最後に、「これはお願いですが、もし機会がありましたら、ぜひポリテクセンターについて多くの人にPRしていただけたらありがたい」と述べたことである。厚生労働省的にも、職業訓練希望者の減少には頭を痛めているようであった。修了式は20分足らずで終わり、再び教室へ戻る。
 
修了式が無事終了し、必要な書類(代表以外の修了証書と受講証明書)をもらうと、ハローワーク千葉に行って最後の失業保険手続きとなる。

1ヶ月の延長給付

修了式が終わり、ポリテクセンターからハローワーク千葉に向かう。われわれは電車通学なので、車通学の人に乗せてもらって千葉みなとへ。11時半に着いたのでさっそく書類を提出するが、半ば予想していたとおり手続きは午後からしか行わないということだった。ひとまずお昼を食べに出て、午後1時前にハローワークに戻る。

午後1時を過ぎてもなかなか手続きは始まらず、待合室はポリテク修了生で一杯になった。みんな同級生だから話し声が半端なく大きく、ハローワークの人が「静かにしてください」と言いに来たくらいである。こうなる事態を見込んでいったん帰った人もいたけれど、それでも数十人集まっていたはずで、ハローワークの側も、もう少し工夫が必要であろう(一般の受給者や相談者もいるのだ)。

1時間近く待って1時40分頃から手続きが始まる。手続きといっても雇用保険受給資格者証を返すのと今後の手続きを説明するだけだから、ひとり30秒もかからない。それもまとめてでなく、一人ずつ呼ぶものだから、結構な時間がかかる。私はというと、出した書類に不備があって同じタイミングで出した人達よりちょっと遅く、2時15分くらいまで待たなくてはならなかった。

ようやく私の番になって名前が呼ばれた。てっきり受給資格者証を返してもらい、「受給期間はこれで終了です」と言われるのかと思ったら、書類の中に失業認定申告書がある。これは何だろうと思う間もなく、「終了後手当が30日間認められましたので、1ヶ月の間に求職活動をして、ハローワーク成田に行ってください」と言われたのである。

瞬間的に「めんどくさいな。またハローワークか」という思いと、「あと30日失業保険がもらえる」という思いが交錯する。でもそんなことは顔に出さず、「わかりました。そうします。ありがとうございました」と席に戻る。この時残っていたのは7月から就職することが決まっていた連中ばかりだったので、相談もできずに電車に乗って家に帰った。

帰って調べてみると、この終了後手当は正式には「公共職業訓練等を受け終わった者に対する延長給付」というようで、職業安定所長の指示により2年以内の職業訓練を受けた者であって、訓練終了時点で支給残日数が30日未満であり、かつ公共職業訓練等を受け終わってもなお就職が困難であると安定所長が認めた者に対して支給されるものであるしい。

就職が困難であるかどうかは、職業指導の状況、求職活動の状況等を踏まえ、ハローワークが慎重に判断するということだそうなので、何とかその基準を充たしたようである。

はじめは、ポリテクセンターに休まず通ったご褒美かと思ったが、よく考えるとポリテクセンターからハローワークにそんな報告が上がっているはずがないのであった。必要書類すら受講生に持って行かせるくらいだし、最後にもらえる成績表は全員全科目「B」で、出席数さえ書いてない。

この終了後手当、ネット上での情報がきわめて乏しく、ハローワークでも積極的に情報提供していないようである。こういう制度があれば急いで就職しようという意欲が削がれると考えているからかもしれないし、あるいは全員に出るのではないからかもしれない。「慎重な判断」についても、かなりの部分がハローワークの裁量に任されているような感触である。

もしかすると終了時点で就職が決まっていない者に自動的に出るのかもしれないし、年齢や過去の支給実績が考慮されているのかもしれない。予算との兼ね合いも考えられる。いずれにしても、これにて一件落着かと思ったハローワーク通いは、まだしばらくの間続けなくてはならないようである。

ただ、落ち着いて考えると30日間の延長がありがたいことは確かであり、ハローワークへの交通費を差し引いてもお釣りがくる。そして、ポリテクセンターのように朝7時に出て夕方6時に帰るなんてこともない。これから払う予定の免許申請費用等を考えても、たいへんにありがたい話なのである。

さて、帰ってから消防試験研究センターのホームページで、この日正午に公示された危険物取扱者乙種1・3・5類の合否発表をチェックする。最初にいちばん心配であった1類の合格者を探したところ、・・・あった。意外だったのはあれだけ多くの受験者がいたにもかかわらず、乙1の合格者は41名しかいなかったことである(乙4は477名)。

これは4類を除く第2類から第6類が大体60~70名の合格者であることと比べるとたいへん少ない数字であり、難しいと評判なので受験者が少なかったのか、あるいは合格率が低かったのか判断に迷うところである。

3類と5類は1類に比べると自信があったのだが、無事に両方とも合格しており、これで乙種は1・3・4・5類を押さえて甲種の受験資格を得ることができた。乙1が落ちたら試験はこれまでにしようと思っていたが、ここまで合格できると、せっかくだから甲種を受けてみようかという気になってきたから不思議なものである。

後日届いた試験結果通知書によると、乙1と乙3が80%、乙5が90%の正答率だった。苦戦した割に乙1の点数が取れていたというべきか、乙3がそれほど楽ではなかったというべきか、微妙なところである。

[Jul 6, 2017]


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