せいうち・・・セイウチ科セイウチ属の肉食獣で、北極圏に生息する。体重は成獣で500kgから1200kgに達する。最初は減量日記で始まりましたが、日々は移ろい、リタイア生活の徒然日記になりました。
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ガーミンで世界が広がった ~せいうち日記191
暑すぎて走れない気候が続くと思っていたら、ひと月も経たないうちに寒くて外に出るのが億劫な季節となった。11月だから結露があるのは不思議でないが、急にこうなると面食らってしまう。 山も、紅葉と寒波とどっちが先かとなってしまうので、どこに行ったらいいのか戸惑う。蜂や蛇、ヒルを回避していたら、すぐ路面の凍結を心配しなければならない。ここ数年、秋はどこに行ってしまったのかといつも思っている。 夏山は遠慮することが多いが、近年は秋シーズンがない。雪が降る前に栃木あたりと思っていたところが、ぐずついた天気が続いてすぐに男体山初冠雪である。9月末に尾瀬に行った後は遠出できず、その分おカネは使わなかったが、もう筑波山系という時期になった。 使わなかった遠征費用で、前から欲しかったガーミンのランニングウォッチを買った。使ってみると、なかなかの優れものである。GPSのおかげで山歩きの楽しみが増えたけれど、同じようにランニングウォッチで走るたのしみが増えたと感じている。 ガーミンで世界が広がったように思うのだが、同時に、おカネの心配ばかりしていてはよくないと改めて思った。もし、若い時からおカネの心配を最優先していたら、カシノなんかとんでもないし、国内・海外にあれだけ行くこともなかった。世界がずっと狭くなっていただろう。 そして、コロナ騒ぎや香港の情勢をみると、あの時期しかできないことだったと感じる。仮にいま現在おカネに余裕があったとしても、昔のように気軽に海外に出かけることはできなかった。そもそも、テニアン・ダイナスティはすでに営業していない。 そんなことを思っているものだから、ネット環境の変更が必要になったのでこの際Windows 10対応をやってしまおうと決断した。実際新しいパソコンを入れてみると、移行も手間がかからなかったし、さくさく動いてストレスが少ない。ストレスを減らすのが、健康に暮らす一番の方法である。 海外カシノに頻繁に通っていた二十年前、いちいちおカネの心配はしていなかった。それこそパソコン数台分のおカネが出て行ったし、当時はボーナスがあったのでそれで払えばいいと思っていたけれど、いま思うとあの時が最後でその後にチャンスはなかったのである。 だから、WEBを見ていて、何よりおカネが大切という論調をみると違うのになと思う。おカネの使い方とは、選択肢Aと選択肢Bのどちらを選ぶかということで、使わないで残しておくのは、チャンスを逃す、世界を狭くすることのような気がしている。 そして、年金生活になって運用成績とか気にするのもストレスである。そういうブログも多々あるけれど、おカネと健康とどちらが優先順位が上なのだろうと思う。値動きなど気にせず、持ち株はそのまま、株主優待だけを楽しみにするようになって、ずいぶんストレスがなくなった。 話を戻すと、選択肢の中で世間一般で優先されるもの、例えば人付き合いとかSNSだとか外食費とかが、私の中で少ないおカネの使い道として上位に来ることはない。SNSなんて使わなくても何の不便もないし、常に不特定多数とつながっている必要もない。 そんなことよりも、奥さんと飲むお酒であるとか、たまに行く旅行などにおカネを使う。ない袖は振れないけれど、世界を広げるもの、今回のガーミンとか新しいパソコンは、何とか工面して調達しようと思う。ストレスが減るし、世界が広がる。世界が広がるのは、生きている間だけである。 現役時代には、ボーナスで足りなければ退職金と思ったが、年金生活者になるとそんな手段はない。月々節約して返済するか、いずれ出る保険金で返すしかない。それでも工面できる金額は1桁少ないので、それに合わせて使う額も自然に少なくなっている。 [Nov 25, 2024] ガーミンのランニングウォッチ。データはすぐガーミンに転送され、パソコンを開くとその日走ったコースがGoogle Mapで確認できる。
ひと味違う年末 ~せいうち日記192
13日の金曜日に今年最後の年金が出て、年賀状の手配や地震保険の払い込みを済ませるともう年の暮れが近い。冬至も過ぎて夜は短かくなるが、寒さはこれからが本番である。 今年の年末は、ここ数年とひと味違っていた。いつもの年だと、年末年始の資金繰りとか、どこの山に行こうとか、お宮参りはいつにしようとか、どちらかというと平和なペンディングが多かった。ストレスも少なく、アーリーリタイアしてよかったと感じることが多かった。 ところが今年は、11~12月にいろいろなことが集中して、すべて大きなおカネが出ていくことだった。そして、どれも降って湧いたような災難ばかりだった。 想定しなかったのは自分にも責任がないとはいえないが、どちらかというと自分以外の要因が大きい。確率の問題とはいえ、みんなまとめて登場されると勘弁してくれと思う。 事件は千葉ニュータウンのCATV、らーばんねっとの終了から始まった。従来のCATVはそのまま使えるという話だったのに、コンピュータ関連も含めてサービス終了という通知がきた。ご近所でもジェイコムの対応に憤慨の声が上がっているが、来年3月で終了するのに、いまだにきちんと後継サービスの案内すらしない。 私の場合、放送も回線もコンピュータ関連もすべてCATVでお願いしていて、説明を待っている時間はなかった。早々にNTTに連絡してフレッツ光を復活し、あわせてDELLのパソコンを手配してWindows 11対応も済ませた。 ご近所では、回線・コンピュータ関連をCATVに任せているのは少数派で、どちらかというと回線はNTTフレッツという家が多い。だからジェイコムも放送の引継ぎだけに頭が行っており、回線とコンピュータの後継サービスを案内しようと思っていない。これは私よりもジェイコムの責任が大きい。 数十万の千葉ニュータウンCATVユーザの契約更新・機器入替えをするのに、ジェイコムの社員がどれだけいるか分からないが、おそらく人数は足りていない。しわ寄せが来るのは利用者で、フリーダイヤルもこれから3月にかけてますます掛かりにくくなると思われる。早めの対応は、おそらく正解である。 CATVに続いて起こった事件は車の故障である。筑波山に行った帰りに、路上で突然動かなくなった。原因はハイブリッドの電気系統故障で、電気で動かなければガソリンで動けばいいのに、コンピュータが全部止めてしまうらしい。 この故障で、とりあえず修理費用がかかったことに加え、買い替えを急がざるを得なくなった。すでに13年12万km走っているとはいえ、まだまだ使うつもりで大切に使っていた。3ヵ月前の車検でも、部品交換したばかりである。 車のことで夜眠れないほど考えているうちに、冷蔵庫も20年以上使っていることに思い至った。まだ十分使えると思っていたが、しばらく前から異音がしている。車と同じように先延ばしにしているうちに、突然動かなくなるくらいならまだしも、水漏れしたり発火したら大変である。 いずれにしても、次の夏までには考えようと思っていたけれど、思い立ったが吉日でもあるし、車の二の舞は避けたい。車が修理工場にいる間にケーズデンキに行き、早々に手配した。手頃な製品を安くしてもらえて、納入日も1週間後とスムーズだった。ものごとが円滑に進むのは、そういうタイミングだったということである。 道路公団の関連会社が運営していた千葉ニュータウンのCATVがサービス終了となった。仕方なく光フレッツに移行、あわせてWindows 11対応でパソコンを買い換えた。 もともと年末から4月まで、1年でもっとも資金繰りの厳しい期間である。今年は昨日書いたようにいろいろの物入りで年末資金を削らざるを得なかったし、それでも足らず手持ち証券を泣く泣く換金しなければならなかった。 まあ、この世からいなくなってしまえばおカネの心配もしなくて済む訳だし、車が動かなくなってシングルナンバー国道の中央車線で立ち往生というのは、久々に死亡リスクがひと桁上がったケースで、手持ち証券がいくら残っているかなど些細な事柄には違いない。 ともあれ、千葉ニュータウンにおいて車がないと生活できないレベルで、CATV以上になしで済ますことはできない。であれば、早々に買い替える必要があり、これも早急に片付けなければならなかった。 車の買換えはリタイア以来初めて。現金で買えれば問題ないのだが、残念ながら手元資金はそんなにない。買い替えを想定して貯めておけばよかったのに、もうしばらく乗り続けようと思っていたし、乗り続けられると思っていたためである。 結果、大部分をクレジットせざるを得ず、審査が通るかどうか冷や冷やする羽目になった。リタイア以来、リボルビングや分割払いは別として、本格的に借金するのは今回が初めてである。前回は住宅ローンの借り換えで十年以上前だし、もう借金はしないだろうと思っていた。 とはいえ、百数十万円リボルビングで工面するとなると、利息だけで年間20~30万円になり、現実として難しい。利率が4分の1以下になるディーラーあっせんのクレジットを使わざるを得ない。返せない金額ではないが、審査では働いているかどうかも当然査定されるだろう。その点が心配であった。 とはいえ、車を買う人の相当部分は年寄りであり、年金収入でクレジットができなければ売上に響きかねない。使途自由のローンと違って、ある程度融通が利くのではないかと思い申し込んだら、無事審査が通って買えることになった。これで、立て続けに発生した大型案件は何とか終息に向かったのである。 振り返ると、パソコンは12年ぶり、冷蔵庫は20数年ぶり、車は13年ぶりの買換えである。プロバイダをCATVにしたのは2001年だから24年前だし、糖尿病で医者に通っていたのも20年以上である。今年後半で、そうした長期継続案件がすべて見直しとなったのだから、忙しくなったのも当然である。 いまから10~20年後ということになると、生きていられるかどうかは半々である。それを考えると、なんだか妙な気分になる。自分では40代50代の頃とたいして違わないように思うし、体重体調からみるとその頃よりむしろよくなっているのだけれど、時間は逆には流れないのであった。 [Dec 24, 2024] パソコンは12年ぶり、冷蔵庫は20年ぶり、車は13年ぶりの買換えだった。年齢を考えると、これが最後の買換えになるのかもしれない。
転機は予想しない時に来る ~せいうち日記193
明けて2025年になった。4月に誕生日が来ると、68歳になる。
昨年暮れは、パソコン・冷蔵庫・車と続けざまに買い換えなければならずストレスの多い日々を送った。なんで押し詰まってからこんな目に遭うのだろうと思っていたが、よく考えるとその兆候は夏からあった。
20年来通っている内科医から、SGLT2阻害薬を処方されたのは8月初めだった。2~3日飲んだだけで体調が急変し、その後1ヵ月で体重が4kg落ちた。おかしいと思って調べると私には必要ない薬で、そのため人間ドックを受けたり別のクリニックに行くことになった。これで約3万円の支出。
(SGLT2阻害薬で体調を崩した人はかなり多いらしい。みんな年寄り。奥さんが耳にした範囲でも何件かあるくらい)
ランニングから帰って2階洗面所で頭を洗っていて、水漏れに気づいたのは9月だった。シャワーホースの劣化が原因で、部品交換が必要だった。ほぼ同時に湯沸し器の「888」表示が出て、点検しなければならなかった。合わせて約3万円の支出。
天気に恵まれないので山に遠征できず、ガーミンウォッチを買ったのが10月。これは優れ物で、毎日のトレーニングで重宝するし本番レースのペース配分にも役立つので災難ではないけれども、これも約3万円の支出。
3ヵ月続けて3万円の臨時支出があった時点で、これは妙だと気づかなければならなかった。厄払いしておけば多少違ったかもしれない。
11月の山行帰りに突然起こった車の故障がメインイベントだった。これを境にいろいろ物要りとなり急にストレスが増えた。
調べること考えることも多くなり、よく眠れなくなった。リタイア以来、ストレスに悩まされることはほとんどなかったのに、昨年末は次から次へいろんなことが起こる。そのたびにおカネが出ていく。
なぜこんな目に遭うのかと思う一方で、想定しなかったのは自分の考えが至らなかったとも思った。そして、これが数年前に起こっていたらもっと厳しい状況に陥ったかもしれず、不幸中の幸いというか、まだ最悪の事態ではないとも感じた。
それにしても、一年前にはこういう事態になるとは夢にも思わなかった。コロナで遠出が難しくなり、ウクライナ後の諸物価高騰がさらに進むことは予想できたが、他は淡々と日々が進むと思っていた。一寸先は闇と昔から言うけれど、まさにその通りである。
予定とか予想とか見通しなんてそんな程度のもので、人生の大きな曲がり角、転機というものは予想しない時にやって来る。下手の考え休むに似たり、である。
考えてみると、昨年8月にSGLT2阻害薬を処方されたのがケチのつき始めだったようだ。年末のパソコン・冷蔵庫・車買い替えに至る出来事の発端になった。
考えてみれば、父親が倒れたのはいまの年齢で、自分もそうなる可能性は少なくない。数十年前まだ元気な頃、「そろそろ老後の事も考えないと」みたいな話題になった時、鼻で笑うというか、いかにも真剣に考えていない様子であったことを思い出す。まだ六十代だから無理もないが。
「ころっと死ぬから大丈夫だ」とも言っていた。現実にはころっと死ねなかった。病気そのものは本人の責任ばかりではないし、どんなに健康に気を使っても避けられないことはあるが、最善の努力や最悪の場合を想定した準備はしていなかったようである。
奥さんの両親も、この年齢には病院の付き添いをしなければならなかった。だから奥さんと、「健康で心配かけないだけ、子供孝行だよね」とよく言っている。
子供達には折に触れて、もし親が(われわれである)倒れた場合どうするか話している。延命措置不要、手術も基本的にしない、臓器提供しない、二人同時に死んだら、遺産(あまりないが)は均等に分ける等々。墓はあるのでそこに入れればいい。もちろん家族葬である。
少し前まで70歳といえば立派な年寄りで、自分で自分のことができなくなる年齢と思っていたし、世の中もそういう風潮だった。政治家とか経営者とか80代になっても現役第一線という人もいない訳ではなかったが例外で、そういう人達が目立つだけで同年代の多くはそうではなかった。
ところがその年齢に近づいてくると、70歳だから衰えるなんてことはなくて、大げさに言えば20歳30歳の頃とそんなに違うとは思えない。マラソンにしても30代のベスト記録を60代で更新したし、日々の過ごし方で相当変わってくるようにも思われる。石破首相は銀行の一年上だし、野田佳彦は同学年である。
とはいえ、どこまでいっても確率の問題で絶対はない。昔勉強したポーカーを例にとると、勝率60%なり75%まで持ってくるのは戦略だが、だからといって絶対勝てる訳ではない。AAvs23だって負ける時は負けるし、出てはいけない52枚中1枚が出るのをしばしば目の前で見た。
統計的に言えば健康で過ごせるのはあと10年だし、この世にいられるのも15年とかそんなものである。そこまでの経過が、徐々に衰えていくのではなく、実は「だまになって」全部まとめて一時期にやってくるのではないか、というのが昨年末以来のごたごたで思ったことである。
足腰が衰えて、目が弱くなり耳が遠くなり、検査数値が少しずつ悪くなって、ついには認知機能に支障が生じるというように段階的であればそれなりに準備できるが、冬シーズンにマラソンを走っていたら定期健診で異常が出て、夏までにボケてしまうというのが現実に近いのではなかろうか。
だとすればどうすればダメージを最小にとどめられるか。昨日と同じように今日が来て、今日と同じように明日があるなんて、思わない方がよさそうなのは確かである。転機は予想しない時に来る。ならば、常に予測して準備するのが最適な戦略になりそうである。
[Jan 21, 2025]
昨年末、いろいろなトラブルが重なってやってきた。転機は予想しない時にやって来る。心身の衰えも徐々に進むとはかぎらず、全部一気に来るかもしれない。
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