なんとなく思うこと・・・ニュースや世間の動き、私が思うのと世間が感じることは違うみたいです。

バカほど出世する世の中    出版不況は深刻    昆虫食
防衛費増大、対GDP比より重要なこと    江戸時代ならその場で
Jアラートは騒ぎ過ぎ    カネの使い方を知らない金持ち

バカほど出世する世の中だとこうなる

先週、「同性婚なんて見るのも嫌だ。隣に住んでたら嫌だ。認めたら国を捨てる人が出てくる」などと発言した首相秘書官が更迭された。これについて、ニュースで言われるのとは違う感想を持っている。

あまり報道されないが、この秘書官は経済産業省からの出向である。首相秘書官になるくらいだから同期の中でも出世頭の方だが、高卒後就職して早稲田に入り直して、公務員試験に受かったらしい。更迭されたって役所に戻るだけで、本人に何のダメージもない。

早稲田というと、「めんどくさいゴミの分別をなくします」といって市長選に立候補したバカを思い出すが、この役人もどうしようもないバカである。

そもそも、新聞記者に囲まれて取材されて、自分の感想を言うだけでバカである。誰もお前のLGBTに対する気持ちなんか聞いてない。取材されるのは首相秘書官としてであって、荒井某個人ではない。

このご時世、LGBTに対してどう思うか、隣に住んでたらどう思うかについては、ポリティカル・コレクトネスの立場から言えることに制限がある。それくらい分からないでどうするのか。

コロナなんてたいしたことないという高橋さんも口を滑らせたけれど、コロナに関してはいろんな考えがあってしかるべきで、後から振り返ると何で問題になったのか分からないことになるかもしれない。しかし、LGBTについて後戻りはない。

そのあたり、大蔵省と経済産業省、東大と早稲田の差といってしまえばそれまでだが、この役人を首相秘書官に抜擢した経済産業省の評価がどうだったのか首をひねるのである。

この役人は50代半ば。少なくとも30年以上は省内で勤務評定されたのである。私も現役時代評定したことがあったけれど(役人ではないけれども)、半年も使えばその人間に常識があるかないか分かる。

仮に半分の上司に見る目がなかったとしても、30年間あればこういうことをしそうな人間である見極めは誰かにできたはずであるし、実際そういう評価だったと私は思う。問題は、現場の評価が省全体の評価に結びつかないことである。

誰を昇進させ抜擢するかは、多くの場合現場の意見など聞かれない。ずっと上の方でいつの間にか決まっている。コネとか、有力者の個人的意見とか、そんなものである。だから、まじめに評定書を作ったところで、はっきり言って誰も読まない。(だから、ツケ届けがいまだに有効なのだ)

その結果、バカがどんどん出世して組織を代表する立場になる。この役人も、おそらく省内の誰かが「東大ばっかり出世させてもダメでしょう。世の中で苦労してきた奴を上げないと」と言ったに違いない(経産省なら言いそうだ)。

常識があるかないかと、苦労してきたかしてないかは関係ない。今回はたいしたことないと言えばそのとおりだけれど、国際的に問題となっておかしくない発言である。個人的な好き嫌いをいっている訳ではない。

バカばっかり出世させると、最後にはろくなことにならない。昔の身内にミサイルを撃ち込む奴だっている世の中で、国を代表する立場で対応を間違えたら命取りである。国は個人経営の会社じゃないんだから、バカを出世させたらダメだ。

[Feb 6, 2023]

「同性婚なんて見るのも嫌だ」などと発言した秘書官が更迭された。バカが選抜されて首相秘書官になるような人事をしているから、こうなるんだと思う。

出版不況は深刻なようだ

今週の火曜日、久しぶりに国会図書館に出かけた。今年になって事前予約が不要となり、混雑していない限りそのまま入場できる。入口のチェックもなくなってすっきりした。

ふと考えたら、電車に乗るのも今年になって初めてだった。そんなことを思いながら車内を見ると、なんだか景色が違う。社内の吊り広告がすべて、北総鉄道と親会社の京成電鉄なのだ。

壁際の広告は京急沿線の「ツジノ」とか地元企業のものが少しはあるけれど、吊り広告は京成グループのものばかりで、かつてあれほどうるさく宣伝していた週刊誌・月刊誌の広告が全くないのである。

まあ、わが北総線はあまり宣伝効果がないからなあと思っていたら、乗り継いだJRでも雑誌広告はなかった。家に帰って調べてみると、週刊各誌はしばらく前から社内の吊り広告をやめていることが分かった。

リタイアすると世事にうとくなるからなあと妙に納得したのだけれど、よく考えると駅の売店もほとんどがセルフかコンビニになり、かつてのように新聞・雑誌が山のように積まれている景色は目にしなくなった。

ああいう宣伝は購買意欲を刺激してすぐに買ってもらう効果を期待しており、吊り広告を見ても会社に行って帰る頃には忘れているし、わざわざコンビニに買いに行くのも煩わしい。だから費用対効果に乏しく、経費節減となれば削られるのである。

雑誌の売上は右肩下がりに減少しており、宣伝広告に割ける費用も限られる。鶏が先が卵が先かという議論になるが、宣伝しなければますます売れない。そもそも、週刊誌なんてなければないで済むものなのである。

若い頃、月曜にポスト、木曜に文春、金曜日飲んだ帰りにFOCUSを買っていた。週刊宝石や近代麻雀を買った時期もある。車内にも同じような人がいっぱいいて、新聞でなければ週刊誌を読んでいるおっさんがほとんどだった。

そもそも日本の人口が減っているのに、加えてわざわざ買って読む人がいないのだから、発行部数が激減するのも当然である。ABC調査によれば、10年前と比べて週刊誌の発行部数は半減しており、この傾向はとどまる兆しはない。遠からず、いくつかの週刊誌は休刊という名目の廃刊になるだろう。

出版社はネット販売に活路を見出そうとWEB版を発行しているけれども、残念ながら売上額が違う。売上額が違えば制作費も絞らざるを得ず、結果的に記事の質が下がる。でなければ、はじめから広告を意図した記事になる。

みんなが新聞や雑誌を読まずスマホを見るのだから、ゴミも減るし森林保護にもなる。けれども、印刷業者や配送業者、彼らに設備を提供する機械・自動車、車内広告を張り替えるサービス業者など関連業界の仕事もなくなるので、いずれ景気が悪くなることは避けられない。久しぶりの電車で、そんなことを考えていた。

[Mar 10, 2023]

久しぶりに電車に乗ったら、雑誌の吊り広告がなくなっているのに気がついた。週刊誌の売上は10年前から半減しており、右肩下がりは止まらない。

好んで昆虫食を食べようとは思わないが

ネットをいろいろ見回っていると、昆虫食が話題になっているらしい。奥さんに「無印でコオロギパン売ってるの知ってる?」と訊くと、

常識だよ。スーパーでコオロギせんべいだって売ってるよ。今度買ってきてあげようか」と言われた。スーパーには行くけど必要なものしか見ないから、そんなこと気づかなかった。

どうしていまになって昆虫食かというと、どこかで給食にコオロギパンを出したのと、国が昆虫食の研究に補助金を出したかららしい。国民に昆虫を食えというのかみたいな論調もみられるが、国が食糧事情の研究にカネを出すのが悪い訳がない。N党に政党補助を出すより全然有意義だ。

ただ、そもそもヨーロッパで昆虫食が注目されているのは、例によって環境保護、CO₂フリーの観点からである。誰だってわざわざ牛肉よりコオロギを食べたいとは思わないが、タンパク質に換算した必要な水とかCO₂の量が、家畜より昆虫の方が桁違いに小さいのである。

最近の環境保護は原理主義的になりつつあり、火力より風力、太陽光発電。ガソリン車でなく電気自動車でなければ認めないという風潮である。太陽光パネルが空から降ってくれば環境に優しいかもしれないが、太陽光パネルを作る製造工程や原料を調達する鉱物資源採掘まで考えれば、本当に優しいかどうか分からない。

私は以前から、森林を伐採して太陽光パネルを並べるのが環境保護になるはずがないと思っている。永久機関がないのと同様、余計な工程を加えるほど生産効率は下がるはずなのである。

昆虫食についても、イナゴの佃煮や蜂の子を好きな人もいるのだからいま始まった話ではないし、世界にはさまざまな食文化がある。食糧危機に備えて、いま食べられないものを食べられるようにする研究は、やらないよりやった方がいい。別に、コオロギパンを食べるのが絶対いやな訳ではない。

けれども気になるのは、その原料となる昆虫を、異常繁殖して困っているラスベガスとかで捕獲して活用するというのではなく、わざわざ養殖して加工するところである。

考えれば、捕獲して食材にしようとしても一種類の昆虫、生物だけが捕まる訳ではない。シラスであれば小魚やカニが入っていてもたいして影響ないが、バッタとコオロギ、カナブンを一緒に調理するのは厳しいし、そもそも選別するのが難しい。ゴキブリだけは絶対食べない人も多いだろうし、毒虫が入っていたら食中毒を起こしかねない。

だから養殖してコオロギだけにしなければならないのだが、同じ養殖するんだったら魚だし、そもそも牛・豚・鶏でいいじゃん。CO₂フリーもいいけれど、そこまでやらなくてもと考える人がほとんどだろう。

いや、食糧危機のアフリカで使うんですと言ったところで、アフリカの人達にコオロギ食べさせていいのかという話になりかねない。それ以前にコスト的に高くつくので、同じ費用で供給できる量が少なくなる。ミミズが優れたタンパク源なのに、食糧化が進まないのと同じである。

ジビエもそうだけれど、日本全国で増えて困っている野生動物は多いし、それらの野生動物が食用にできるすぐれたタンパク源であることは分かっていても、進んで食べようという人が多くないのと同じである。

昆虫食も、実用ではなく研究段階にとどまることがほとんどの人にとってハッピーだと思う。

[Mar 20, 2023]

コオロギ。最近急に昆虫食が話題になっているようだし、研究すること自体悪くないけれど、個人的には増え過ぎたイノシシやシカを食べる方が先のような気がする。
(写真出典:Wikipedia)

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防衛費増大、対GDP比より重要なこと

今年に入ってからサーバの移転作業で忙しく、あまり本を読んだりWEBを探索したりする時間がとれなかった。ようやく作業が一段落して、しなければならないことがなくなって余裕ができた。

そしてニュースを見ていると、結構気になることがある。まず一つは、クレディ・スイスが実質的に経営破綻して、スイス・ユニオンバンクに買収されるというニュース、もう一つは、来年度予算で防衛費が大幅増となり、対GDP比2%の大台に乗るというニュースであった。

この二つのニュースはそれぞれ外国経済と国内政治というまったく違うジャンルで採り上げられ、関係性や影響範囲の報道もそれぞれのジャンル内にとどまっていた。しかし、これらは私が思うにたいへん密接した分野なのである。

まず、クレディ・スイスのニュースだが、同じくスイスのユニオンバンクが買収して騒ぎは沈静化したようである。とはいえ、問題そのものが解決された訳ではない。

というのは、クレディ・スイスが資金繰り難に陥ったのは、手持ち債券の暴落により巨額の損失を被ったからである。債券の暴落は投資先が倒産したという訳ではなく、金利の上昇により起こった。これはクレディ・スイスだけでなく、世界の金融機関みな同じである。

十数年来世界的な低金利が続いて、金利1%未満の長期債など当り前にある。仮に0.5%の長期債を持っているとして、市場金利が1%になれば債券価格は半額になってしまう(実際は償還期間持っていれば額面で払い戻しになるが、すぐに現金化しなければならないとそれに近い事態となる)。

実際に、欧米の市場金利は2%とか4%に上がっている。だから、クレディ・スイスに限らずどこの金融機関も証券会社も評価損を抱えているはずで、金利が高止まりすればますます状況は厳しくなることが予想される。

もう一つの防衛費増大のニュースは、さすが日本ローカルというか、対GDP2%超でいいのかという政治的な問題になっている。

しかし、旧社会党じゃないんだからGDPと比べてどうこう言ってどうすると思っている。それより問題なのは、税収が約70兆円でふえる見込みがないのに、5兆円も防衛費を積み増してそのカネをどうやって工面するのかという点である。

おそらく防衛費増大はロシアと中国があの状態では仕方がない。親分のアメリカとしては、日本だけでなく韓国にもNATOにも同様に要請(というか指示)しているはずで、日本だけできませんとはいえないのは分かる。

おカネがないといっても、コロナの臨時支出ができたじゃないかと言われておしまいである。だから結局、赤字国債を増発せざるを得ない。その結果、どういう事態が起こるかということである。

防衛費増大とクレディ・スイスの経営破綻。関係ないニュースに思えるけれど、実は深く関係しているような気がする。予想が外れるといいけれど。


さて、わが国の財政状況は「異次元金融緩和」によって急激に悪化している。国債の残高は1,000兆円を超え、わずか10年で約500兆円増加している。

約500兆円といえば、GDPの規模である。GDPの2%ではなく、100%である。もちろん、コロナで緊急対策した費用もあるけれど、大部分は金融緩和、低金利維持のための国債増発である。

最近わが国では、国債残高などいくら増えても財政は破綻しないという学説が出ているけれども、それは国債を引き受けてくれる先があるからであって、誰も引き受けなければ金利を上げざるを得ない。

そうでなくても、国債の信用度が下がって国債価格が下がれば、金利が上がるのと同じことである。どこまで耐えることができるのか、それはやってみなければ分からない。

いま約1,000兆円の国債の半分、約500兆円を持っているのが日本銀行、日銀である。ここ数年で百兆円単位で積み上がっているので、大半は1%未満の利率で、償還期間もしばらく先である。

そして、日銀のバランスシート上の自己資本は約5兆円である。これだって莫大な資産なのだが、それでも国債保有残高と比較するときわめて小さい。国債価格が1%下がっただけで、含み損によって実質的に債務超過になってしまう。

さて、いま長期金利が0.5~1%上がると仮定する。もとの金利が低いので、金利の1%上昇は国債価格の1%下落では済まない。仮に7~8%とした場合、数十兆円規模の含み損を抱えるということである。

日銀の場合は普通の市中銀行とは違うので、何らかの政策的措置がとられて(例えば評価損は計上しないとか)破綻は免れるとしても、残り半分の500兆円を持っている郵貯やメガバンク、地方銀行、その他金融機関・証券会社が無事で済むのかということである。

昨日の話に戻ると、クレディ・スイスの破綻と防衛費増大の話が、ここでつながることになる。

欧米で起こっている市場金利上昇が日本では起こらないとはいえない。というよりも、状況が同じなのだから起こらない方がおかしい。すでに、インフレ率は上がっている。軍事費増も同じである(それでもどの国もNATOに入りたがる)。

防衛費増大とは、武器製造や弾薬類の在庫積み増し、軍人・軍需産業の人件費に国家歳出の多くを支出するということである(近い将来、ウクライナ復興支援も加わるだろう)。

それらの多くは、民需と違って波及効果が少ない。東京ディズニーランドでおカネを使えば商品や人件費でみんな潤うが、武器弾薬を増やしてもどこかの国土を破壊するだけである。

別の言葉で言えば、支出しても税収の増加に結びつかないということである。歳入が増えずに歳出が増えるから、国債残高がさらに増えることになる。

しばらくは近年発行した低金利の国債があるのでいいけれども、金利が上がればそのうち歳出の多くを利払いに充てることになる。私の若い頃のように利率5%ということにでもなれば、国は利息を払う以外に何の仕事もできなくなる。

年金の原資もなければ、公務員に支払う給与もなく、教育も道路も港湾も河川管理も、もちろん少子化対策もデジタル化も何もできない。それでも、戦争があれば軍事費だけが増大するのである。

だから本当は、対GDP比率2%などという悠長な話ではないのである。私の予想が外れて、何も起こらずこのまま時が過ぎる方が私にとってもハッピーである。

[Apr 11, 2023]

江戸時代ならその場で殺されていただろう

吉原の風俗店で女の子を刺殺した男が逮捕された。普通に歩いて連行されていたから、自分をナイフで刺したといっても形だけ傷つけただけだったんだろう。

女の子に嫌われて出禁となり、偽名で予約し変装して入店したらしい。いずれにしても逆恨みである。かなりお高い上に有名人もお忍びで来る店というのに、あの風体で一見客でないことにもちょっと驚く。

本人は大金払っているつもりだろうが、女の子からするとみんな同じカネを払っていて、そんなの「はした金」だと思える客でないとモテない(と思う)。そういう店なのである。

あまり稼ぎがなくスマートに遊べない男が、稼ぎのいいきれいな女の子を逆恨みするというのは、かつての耳かき嬢殺人事件とよく似ている(もう十年以上前)。

あれは店の外だが、今度は店内。最初に思ったのは、店の連中はいったい何をしてたんだろうということである。

この業界のことはよく知らないが、客が払う金額のうち女の子に入る金額は半分くらいで、残り半分は店に入る(らしい)。だから、高級店であればあるほど店に入る金額も大きく、女の子は店にとって「金の卵を産むニワトリ」なのである。

だから、女の子を守ることは店にとって最重要課題のはずで、出禁の男を簡単に店に入れたり、まして女の子と二人きりで個室に入れるなんてことはあってはならないはずである。

なのに実際には、女の子を殺された上、犯人を救急車で病院に送る始末である。これが江戸時代であれば、自分の腹を刺していようがいまいが関係なく、その場で取り押さえられ制裁されただろう。(それとも、部屋が使えなくなったと損害賠償請求するつもりだろうか)

江戸時代までさかのぼらなくても現代でも、おそらく海外のそういう地域でそういうことをすれば、殺される可能性はかなり大きいと思われる。いわゆる、治外法権である。

そういう怖さがなければ、ああいう地域で治安を守ることもできなければ、未払い客や詐欺恐喝、暴力沙汰、薬物中毒者が来ても対応できない。トラブルがあったら警察を呼ぶなんて、カタギの商売のつもりかと思ってしまう。

そうならない日本は平和でいいとか、私的制裁を許さないのは司法の基本だとかいう人が多いだろうが、警察を呼ぶまでは百歩譲るとして、じゃあ女の子はなんで稼ぎの半分を取られているんですかということである。

(所轄署にいくらか払っているにしても、内密に処理できるくらいの金額だろう。森巣先生の本にそんなことが書いてあった)

もしかするとそういう店は、いまや不動産業と同じで、部屋とか備品を時間貸しするだけなのだろうか。客室で殺人事件があったとしても、悪いのはホテルではないという理屈である。かつてはその筋の人たちがきっちり管理して、風紀も治安も保たれていたのに。

女の子にしても、怖い人達に終日監視されたりせず、町から自由に外に出られるようになったのはいいとして、自分の身を守るのは自分だけ、変な客につきまとわれても店は何もしてくれないとしたら、だったら自分で営業するということにならないのだろうか。

おそらくこの店の料金体系だと、女の子は数千万円の年収があったと思われるし、十年近く在籍したらしいからかなり貯金できただろうけれど、殺されてしまっては元も子もない。たいへん気の毒である。

それに、もらったおカネに相当するだけ苦労もリスクもあったことは間違いない。別に詐欺をしたり法外な値段をいきなり請求した訳ではない。何より、嫌な男の相手をしない権利はどこまでいってもあるはずなのである。

[May 15, 2023]

吉原の風俗店で女性を刺殺した男が逮捕された。思ったのは、江戸時代なら生きて吉原を出られなかっただろうということ。いまだって、外国だったらどうなるか分からないと思う。


Jアラートは騒ぎ過ぎ なぜNHKは与那国島からすぐ中継できる?

5月31日の朝、テレビ体操をしていたら、いきなり中断してJアラートの警報になった。

地上波の2波、BS2波すべてがJアラートである。対象地域は沖縄県なのに、延々と「地下か屋内に避難してください」と流している。東京の視聴者もどこかに避難しろというのだろうか。

この状態はアラートが解除された7時過ぎまで続いた。民放をみると、通常番組の中でJアラートが発表されたことを採り上げていたが、NHKは地上波が那覇や石垣島・与那国島からの中継で、BSはJアラートの警報画面一択である。

わが家はこの時間だけTVを見ることにしていて、テレビ体操、天気予報、交通情報、海外ニュースがルーティーンである。それがすべてチャラになった。対象が東京とか関東、少なくとも東日本なら分かるけれど、どう考えても騒ぎ過ぎである。

季節外れの大型台風が来ていて、今後の進路に注意しなければならない時期であった。沖縄近海に飛ぶミサイル?より、首都圏の交通情報が気になる人だっているはずである。NHKにカネを払っているのは誰なんだと思う。

ミサイル1発によってありうる損害と、大型台風で想定される損害の比較衡量ができる人間はNHKにはいないのだろうか。きっといないのだろう。コネと帰国子女ばかり入れているからである。

まあ、そこまでは政府の言いなりになるサラリーマン根性と見過ごすとしても、昼になるかならないかの間に不要不急の番組にしている。追報とか検証とかをまったくしないのはどういう了見だろうか。

おとなり韓国では、近海に落下した打ち上げ物体を回収したニュースをやっている。当然、これはどの部品か、どういうものをどういう目的で発射したのか報道しているはずである。しかし、日本では何もやらない。

地上波・BSすべて単一の特別編成にするからには、東日本大震災とか、震度6以上の地震、台風等による差し迫った危険や、少なくともその可能性が大きくなければならない。空振りしたら、なぜそうなったのかせめて検証しないとおかしい。

ところが、大騒ぎしてあとは知らんぷりである。ネットの意見をみると、何を大騒ぎしてという否定的意見はホリエモンくらいで、たいていの人はものわかりがいい。「騒ぐことが重要で、それが抑止力になる」みたいな意見さえある。

冗談言っちゃいけない。北方領土も拉致問題も、大騒ぎしたら何か改善したのか。そういう、「誠意が世界を動かす」みたいな主張は、55年体制の社会党がよく言っていた「平和憲法が世界を平和にする」と同じだ。

平和憲法に縛られるのは日本国政府と日本国民だけで、ロシアも中国も北朝鮮も、イランもイスラム国も拘束されない。拘束できないのに平和にできるはずがないし、実際できていない。社会党も、もはやN党と同じ議席数である。

ここも百歩譲って、腰抜けとバカだから仕方ないとあきらめるとして、アラートから数分経たないうちに石垣島や与那国島から中継が入り、スーツを着た記者連中が追っかけをやってるのはどうみてもおかしい。

普通に考えて、視聴者に(国民に)知らせるより早くマスコミには情報が流れていて、実際発動されたらどういう中継をするか準備していたとしか思えない。国民の安全より番組制作、視聴率が大事なのである。

大騒ぎする以前に、そういう動きがあることを知らせるのがマスコミだろう。アラートまでは視聴者に知らせず、出たら4波特別編成にしてお国の指示に従ってますとポーズをとる。きっと、太平洋戦争前の翼賛報道もこんなだったんだろうと思う。

[Jun 5, 2023]

5月31日の朝っぱらから、NHKの地上波2、BS2の4番組すべて同じJアラート警報になった。対象地域が沖縄県なのに、全国で4波すべてを独占する必要があるのだろうか。太平洋戦争前の翼賛報道もこんなだったんだろう。だったら視聴料は国に払ってもらえばいい。


カネの使い方を知らない金持ち

タイタニック号の探検ツアーを行っていた潜水艇タイタンの行方不明事件は、深海の水圧で破壊されたことが判明した。

「のぞき窓」の強度が水深3000mではなく3000フィート(約1000m)しかなかったことや、チタンとグラスファイバーの組み合わせで耐久性に問題があったこと、以前の航行でも通信不能となっていたことなど技術的な問題が多々指摘されているが、個人的にまず思ったのは別のことである。

それは、乗っていたのがいわゆるセレブで、カネに糸目はつけない連中であったにもかかわらず、居住空間はせいぜい3畳足らずしかなく、そこに5人も詰め込まれたら酸素があっても息苦しいということである。

あのファミコンのコントローラーで操縦するのだから、まるで「働かないふたり」のゲーム合宿である。ゲーム合宿の方がまだ広いし、トイレもキッチンも別にあるだけ余裕がある。「働かない」はニート兄妹、潜水艇は大富豪である。

彼ら的には、タイタニック号の残骸を直接見ることができることに価値を認めたのだろうが、あのちゃちな覗き窓では、へばり付いたところで視界は限定される。無人カメラの映像で見た方がまだ鮮明だろう。

そして、タイタニック号のところまで沈むのに2~3時間かかるらしい。ということは、往復と見学時間で少なくとも7~8時間かかる。その間、あの息苦しい空間で我慢して過ごせるという時点で、すでにセレブではない。

私だったら、料金を倍出しても、操縦士と自分の連れの3人だけにするだろう。それにしたって狭すぎるが、赤の他人5人より大分ましである。狭い場所に詰め込まれるという点で、不法難民とたいして変わらない。

昔、NECの関連会社にいた頃、同僚にたいへんなお金持ちがいた。ある時、彼に連れられてホームシアターのような場所に連れて行ってもらった。自宅ではなく都心にあり、会員制のような仕組みだったと思われる。

まだ大画面TVができる前で、前方の壁全面がスクリーン。観客は職場の仲間4~5人で、それぞれの座席はリクライニングで手を伸ばしても横の人に届かない。お金持ちは映画館ではなく、こういうところで映画を見るのである。

そこで見せてもらったのが「トップガン」で、例のタッチ・アンド・ゴーを大画面で見る迫力はすごかった。お金持ちっているんだなあと思った(ちょうどバブル後期で、日本企業がアメリカの会社や不動産を買いまくっていた時期である)。

それに対して、現代のセレブはゲーム合宿と同じようなことを大金を出してやっている。だったら、働かないで同じことができた方がよっぽど賢い。覗き窓よりもTVゲームの画面の方が大きくて見やすいだろうし。

いくらカネ儲けが上手でも、稼いだおカネの使い道を知らなければ意味がない。最近の金持ちは宇宙や深海に大金をはたくけれども、ゴルゴ13のように自分で操縦できるのでなければ、結局他人に命を預けることになる。

もっと別なことにおカネを使う方がおカネも喜ぶように思うが、私が思ったところでどうにもならないことである。

[Jun 26, 2023]

潜水艇タイタンの事故は、技術的な杜撰さもさることながら、大富豪と呼ばれる人達があの狭苦しい空間に何時間もいるのが平気ということに驚いた。「働かないふたり」のゲーム合宿じゃないんだから。


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