
なんとなく思うこと・・・ニュースや世間のいろいろなこと、私が思うことと世間が感じることは違うみたいです。
創価学会が政治から遠ざかるなら大変いいこと 曹洞宗、どうなんだろう?
新総裁に「女・安倍」、安倍派復権
先週末行われた自民党総裁選挙で、大方の予想を覆して高市新総裁が誕生した。株式市場は歓迎の爆上げだが、この人に次の選挙まで3年やらせて大丈夫かという感想である。
国会議員票で小泉を抑えたのは麻生のおかげだから、党務を麻生派というのは仕方がない。しかし、幹事長代理が萩生田というのはどうなのか。カネの問題で干されていた奴を金庫番にしていいのか。さすが「女・安倍」、清廉でなくても自分と意見が合う奴を重用するのである。
安倍派(旧なんか意地でも付けない)としては、石破政権下で禊は済ませた。「解党的出直し」なんて菅と森山が言ってるだけということなのだろうが、普通に考えて安倍派の政治資金インチキが選挙で負けた大きな要因なのは間違いない。大きな顔して出てこられては不愉快である。
選挙で当選したのだから、地元民に支持されていることは確かだけれど、こういうことをやっていたら彼の地元以外の票がますます逃げる。プラスマイナスで言えば大きなマイナスのはずだが、NHK党に入れる奴も少なからずいるので、私の感覚が古いのかもしれない。
自民党保守派とすれば、これで参政党に行った票が戻ってくるということなのだが、そううまくは行かない。体制べったりのマスコミだって当然叩くし、今回してやられた財務省も政権の弱みとして狙うだろう。東京都は小池知事で圧倒的だが、女だからいいという訳ではなかろう。ルックスだってメローニより大分落ちるし。(そもそも、中華圏で女性トップはろくなことがない。近いところではパク・クネ、西太后、古くは則天武后)
総裁選前に「高市は困る」と言っていた公明党は、面目上すんなり連立という訳にはいかないから、引き続き協議ということである。とはいっても長いこと政権下でいい目をみてきた党だし、池田先生もいないので結局は連立に加わると思われる。公明だけでは足りないから、あとはどうやって数合わせするか。
右ということなら参政党だが、残念ながら衆議院の数が足りない。維新は小泉・森山がいなくなれば連立に加わるまではやりにくい。となると国民民主党だが、彼らも泥船に乗って次の総選挙で公明党の二の舞は避けたいから、連立には加わらず政策ごと協力という可能性が大きい。
となると、引き続き少数与党で難しい国会運営を迫られることになる。それで国対委員長を梶山にしたのだが、親父ほどの寝技ができるのかどうか。ただし親父と小沢は竹下派以来の付き合いだったから、立憲とは悪くないだろう。
新総裁で唯一期待できるのは、挙党一致も大同団結もできないから、野党の主張する物価対策を受け入れざるを得ないだろうということである。税金が下がってガソリンも下がれば、小泉を落としただけのことはあったということになる。
[Oct 9, 2025]

高市総裁誕生を株式市場は歓迎したが、日本全国そうではなかったようである。先週末の自公党首会談の後、斉藤代表は「自公連立政権はいったん白紙とし、これまでの関係に区切りを付ける」と述べ、連立離脱を表明した。これで株式市場がどう反応するか。米中貿易摩擦問題もあり、下げることになるのだろうか。
公明党は体制のうまみを味わってしまったし、池田先生の鶴の一声もないから、ぶつぶつ言いながら連立にとどまるとみていた。ところが、あっさりと離脱表明である。誰かが強硬に主張しないとこうはならない。自民党の連中からしても想定外だったものと思われる。
もちろん麻生総帥は「こっちから切ってやったんだ」と言うだろうが、自民党にとっても公明党は使い勝手のいいパートナーだった。ドイツやフランスのように連立内の意見相違が埋まらないということもなく、選挙には全面協力、大臣ポスト1つと左右に偏らない政治をしていれば文句も出なかった。
公明党が離脱してしまうと、国民民主にしろ維新にしろ、連立枠組に加わるのはかえって難しくなる。このタイミングで自民党に協力すれば、自分達の支持層から突き上げを食らう。個別政策毎に是々非々ということになれば、要求レベルは公明党よりずっと高くなる。
高市総裁の「一方的に離脱すると伝えられた」発言もよくなかった。リーダーたるもの、引きつった表情や余裕のない発言は自らの価値を下げる。自分は悪くないと言いたいのだろうが、誰に言い訳しているのだろう。
「働いて、働いて、働いて…」の就任会見もひどかったが(24時間働けますか、を思い出した)、それに続くひどさである。自らの不徳とは言わないまでも、「わが党の立場にご理解をいただけなかった。長年続いた協力関係を白紙に戻すのは、大変残念に思います」くらい言うものだろう。
YouTubeに出てくるのは、「公明党自爆」「これで媚中が減った」「高市万歳」のオンパレードだが、そういうのを見ると、日本が第二次大戦に突っ込んでいったのも分かる。民主主義の基本は多数決である。法律を決めるのも予算を立てるのも、衆参両院で賛成が反対を上回らなければならない。見解の相違が多少あったとしても、味方の数を減らしてどうする。
昔と違い、いまや世界の二大強国はアメリカと中国である。日本は経済力からしても技術力からしても、軍事力からしてもこの両国に敵わない。アメリカには基地を提供し多大な軍事負担をしているので、あとは中国である。すぐお近くだし二千年来の付き合いである。媚びる必要はないが邪慳にできるものでもない。
日中国交正常化当時、中国の最高指導者だった鄧小平主席は「中日間にはさまざまな未解決の課題がある。われわれは十分賢くないのですぐに解決できないが、後の世代はより賢くなって解決することができるだろう」と、平気で問題を先送りした。「大人」にふさわしい余裕であったと思う。
当時の中国は偽物ブランド品や偽ディズニーランド、粗悪な電化製品を作っていたが、いまや中国抜きでは地球温暖化対策の電気自動車も、太陽光パネルもできない。コンピュータも半導体もすべてmade in CHINAである。
中国の話は長くなるのでこれくらいにして、話を公明党に戻す。察するところ池田先生亡き後の公明党で一番発言力があるのは婦人部で、「高市は困る」発言も「離脱やむなし」決断も、斉藤代表よりも婦人部の意向が強く働いているように思う。
どっかのTV番組で、「公明党は政治とカネが理由だと言うが、実際は高市総裁の歴史認識や靖国対応(右寄りの政治姿勢)が大きかった」と誰かが言っていた。それはその通りだと思うが、だから政治とカネは小さな問題ということではないし、萩生田を要職に抜擢していいことにはならない。斎藤代表の主張しているのは正論である。
選挙で受かれば禊は終わりみたいに思っているのは安倍派の連中だけで、カネに絡むインチキは支持者を減らし議席を減らすものだと思い知った方がいい。高市総裁も自分の理想は理想として、どうやって国を回すか、予算を通し法案を通すか考えるべきであろう。
その意味では、梶山が国会対策をする以前に、高市・麻生派連立内閣がどうやって事態を打開するのか見ものである。菅・岸田・森山が麻生に助け船を出すとは思えず、今後の事態を注意して見ていきたい。国民民主が一番乗りやすいのは自民・国民連立で玉木首相だと思うが、高市に入れた党員票の手前それもやりにくいし。
[Oct 12, 2025]
公明党は自公党首会談の後、「自民党は政治とカネ問題を解決するつもりがない」と連立離脱を表明した。高市寄りの人達はなぜ石破時代に言わないで今なのかと言うけれど、公明党の主張はどの方向からみても正論である。

公明党の連立離脱でどうなることかと思われ、高市氏自身「自民党総裁になりましたが、総理大臣になれないかもしれないと言われている高市です」と自虐ネタにするほどだったが、維新の会が協力して何とか首班指名に漕ぎつけた。女性初の首相である。
歴史を紐解けば女性の天皇は何人もいるし、中には推古天皇や孝謙・称徳天皇のように絶対君主のような為政者も含まれている。東京都は長いこと小池知事だし、彼女は昔防衛庁長官もやっていた。いまさら女性総理大臣は初と騒ぐ必要もない。
とはいえ、YouTubeの一部動画のように「高市総裁で自民党Ⅴ字回復」となるのかどうか。個人的には「?」マークである。少なくとも、自派の萩生田を灰色にもかかわらず幹事長代理にしたり、党務を麻生派で固めたりするのを挙党体制とはとても言えず、党内良識派(いるのか?)からすると勝手にしてくれというところだろう。
対中・対韓の強硬姿勢や懐古趣味の言動などかつてのアベノマスクを彷彿とさせるが、安倍は反韓といいつつ統一教会を贔屓にしていた。威勢がいいのは口先だけなのである。コロナでマスクを配ったのはまさに分かりやすい例で、理由をつけて息のかかった業者を儲けさせていただけである。
さて、高市総理誕生にあたっては、維新の会の協力が大きかった。もともと維新は、2、3ヶ月前に連立入りを不服として離党者があったように、自民と組むのが既定路線だった。小泉が負けたのですんなりとは行かなかったが、もともと想定された流れではあった。

連立協議でいきなり持ち出された感のある国会議員数削減も、経費節減効果より選挙向けアピールを狙ったものである。選挙区はあまりいじらず比例区の議員数を減らすのは、自民にも維新にもダメージは少ない。
デメリットは死票が増えるのと、参政党や公明党に不利というだけである。国会審議は揉めるだろうが、早期解散阻止は維新のめざすところである。
維新の会が閣外協力方針のため、組閣は形だけ挙党一致っぽくなった。総裁選の対抗候補であった小泉ジュニアが防衛大臣、林芳正が総務大臣、茂木が外務大臣とそれぞれ主要閣僚で待遇。財務大臣は片山さつきになったが、年次的に加藤の少し下の大蔵官僚なのでバランスがいいし、うるさ型を置いて財務省がやりにくくなることを意図しているか。
経産相ピストン赤沢には笑った。関税交渉で毎週ワシントンと往復して顔が売れてきたので、おそらく今後も続くトランプ対応となる。
デジタル大臣にはわが選挙区の松本ひさし氏。日本医大北総病院に救急ヘリを導入したドクターで、TVドラマのモデルにもなった。わずか当選2回で大臣、余人をもって代えがたい入閣であろう。
政治空白がようやく終わって、ここから先はインフレ対策や雇用対策、若い世代の実質収入増加策が問われることになる。臨時国会で議員数削減が成立するかも見どころで、新総理としては「政治とカネ」をつつかれないためにも党内をまとめる必要がある。
その前にトランプが来るので、マスコミはしばらくトランプ一色になる。その間、財務省はどうにかして減税(食料品の0%、ガソリン減税等)を回避するよう水面下で動くことになる。
[Oct 22, 2025]
臨時国会で高市首相の演説を聞いて、言ってることはアベノミクスとほとんど同じだなあと改めて感じた。思わず昔のブログを探したところ、12~13年前に「まだ経済成長するんですか」と同じようなことを書いていた。当時は「ライブ」安倍で今回は「女」安倍という違いはあるけれど。
国債残高は当時が約600兆円、現在はほぼ倍増して1,200兆円に迫っている。にもかかわらず国家財政は破綻していないし、多少インフレとはいえ国民は食べるに困っていないじゃないかというのが、片山さつき蔵相はじめ積極財政派の主張である。
とはいえ、それは金利が低いからそうなっているに過ぎない。仮に長期金利が4%とか5%になれば、新規国債の利率もそれに合わせなければならず、国債費の増加で国家予算は成り立たない。それ以前に、既発国債が暴落するから、それを持っている銀行や郵便局が破綻する。
MMT理論では、財政赤字が拡大しても国債デフォルトにはならないとするが、市場金利より低い金利しか出せなければ引受け手がいなくなるし、格付機関の評価が下がればむしろ金利を上げなければならない。記憶する限りでも、国債暴落、デフォルトに陥った国はいくつもある。
もちろんアメリカを基準にすれば先進国なら大丈夫ということになるが、残念ながら日本はアメリカではない。移民がどんどん流入していまだに経済成長し続けている国と、急テンポで人口減が進行する国は違うし、日本にはグーグルもマイクロソフトもない。技術力でも中国に置いて行かれた。
アベノミクス以降十数年大丈夫なのだから、老い先短い私などが心配することではないのだろうが、それにしても思うのは、バブルは遠くなりにけりということである。
私が就職したのは銀行だが、その当時定期預金の金利は年8%だった。当時バブル最盛期で、電車の運賃表が毎年書き換えられ、定期昇給とベースアップがあった。ベースアップは前年の給料に遡及されて、年3回ボーナスがあるようなものだった。
ストもやたらと多く、春になると店に泊まり込む必要があった。タクシーは手を上げても止まってくれなかった。不動産価格がどんどん上がるので、「地上げ」が流行語となった。中央競馬がストで中止になったのはトウショウボーイの皐月賞が最後で、その年の皐月賞は中山開催できず府中2000mで行われた。
そうした記憶をたどれば、長期金利が4~5%になるのはごく当り前のことなのだが、現役世代の大多数はバブルを経験していない。そんな金利になることはありえないし、毎年7%も8%も給料が上がればいいじゃないかと思っているかもしれない。
ところが、そのバブルの少し前、私が会社訪問した頃は第二次オイルショックで、会社も強気で就職希望者を半日待たせるなんて平気だった。しかも5分面接で「明日また来てください」を10日以上続け、嫌なら来なくていいですという就職氷河期だった。いまの大病院状態である。
その経験から、状況が変わるのはあっと言う間と骨身に染みている。
「成長戦略」と言うけれど、人口が減ってマーケットが小さくなり、技術も他国より劣るのに何の産業で成長するのか。積極財政で金利だけ上がり、財政赤字で年金を払えませんとなる前に退場しないといけないのかもしれない。
[Oct 28, 2025]
アサヒビールのシステム障害でエノテカも注文できない
アサヒビールのシステムがサイバー攻撃を受けてシステムダウン、受発注ができなくなりコールセンターも停止したというニュースが流れたのは9月末のことであった。私と奥さんがすぐ思ったのは「万一のために電話でできるようにしておけばよかったのにね」ということだが、家でも思わぬところで影響を受けてしまった。
というのは、エノテカのシステムもアサヒビールと共通であるらしく、エノテカのホームページに「システム障害により現在ご注文受付を停止しています」と表示されている。もう半月経つが、いまのところ復旧の目処は立たないようだ。
エノテカはもともと独立したワイン商社で、アサヒビールの100%子会社となったのは2015年である。私はそれ以前からエノテカで購入しており、当時からレンタルセラーも利用している。アサヒの子会社になってからも特段の変更はなかったのでシステムは従前のままかと思っていたが、どうやらアサヒビールのシステムを使っていたらしい。
エノテカのワインは正直言って高いし、プリムール(熟成中ワインの先行予約販売)も以前ほど割安ではなくなったことに加え、年金生活の経済的苦境により近年は購入金額が減少している。とはいえ、エノテカしか取り扱いのない銘柄もあるので、そういうワインはエノテカから購入していた。
ところが、システム障害により、現在受付停止中である。ホームページを読む限り、通販システム自体のトラブルではなく、その後の配送システムが使えなくなっていて、受けた注文を処理できなくなっているらしい。通販システムはアサヒの子会社になる以前からのものだからであろう。
現役時代システム関連の仕事もしていたから、いまや業務はすべてシステムに頼っていて、手作業でやれと言われても誰もできないことは想像がつく。システム導入時には手作業時代の人もいただろうが、いまやシステムを使った仕事以外したことがない人ばっかりである。
だから、昨年だか起こったグリコのシステム障害も、店頭に品物が並ぶまで数ヶ月かかった。製造するのにコンピュータシステムはいらなくても、受発注も在庫管理も配送手配もシステムを使わないとできないのがいまの時代である。
加えて、昔ならメーカーが直接販売するのは一次問屋だけで、数も限られているので手作業でできなくはないけれども、いまや問屋も販売店も消費者もメーカーから直につながっている。契約だけでたいへんな数である。復旧するのだって簡単な話でない。
だったら普段からもっとカネを使って、万一の場合のバックアップや代替システムを用意すればいいのに、おバカな経営者はシステム部門を合理化の対象としか考えていない。「万一のことがあると販売できませんよ。売上ゼロになりますよ」と言ったところで、「経費節減は待ったなしだ!!」と逆ギレされるだけである。
家の場合はエノテカから買えなくなっても、多少落ちるワインで我慢すればいいし、その方が節約にもなる。とはいえ、とれる対策があるのにとらず大きな損害を招くのは賢くない。アサヒがスーパードライで沈没直前からⅤ字回復したのは私が社会人になった頃だが、再び沈没に向かうのだろうか。
[Oct 15, 2025]
アサヒビールのシステムトラブルで、エノテカのネット通販もできなくなっている。少し前のグリコは自分達のミスだが、今回はサイバー攻撃によるものだという。

創価学会が政治から遠ざかるなら大変いいこと
まずお断りしておくと、私は創価学会が嫌いである。会社勤めの頃、学会員に何度もたいへん不愉快な思いをさせられた。マルチ商法みたいなことをやってるのも嫌だし、池田先生を絶対的に崇拝するのも朝鮮半島の北の国みたいである。
とはいえ、日蓮上人に特に恨みはない。千葉県の生んだ偉人である。法華経を重視するのは、比叡山だって同じである。そもそも日蓮宗というのは比叡山が「うちと紛らわしい」と言うからそう呼ばれている(比叡山は正式には天台法華宗)ので、中世まで法華宗の呼び方が一般的だった。
今回、自民党との連立解消にあたり、党内では国政から撤退して地方選挙だけにしたらどうかという構想も出ているらしい。悪い意味ではなく、創価学会が政治から遠ざかるとすれば、学会自身にとっても大変いいことと考えている。
もともと、私の若い頃公明党は野党だった。自民党と連立を組んだのは、社会党の方が先である。なぜ自民党と連立したかというと、政策の違いがほとんどなかったこともあるが(社会党など全然違う)、何かというと「池田大作証人喚問」を持ち出す自民党への口止めという意味だったと考えている。
創価学会はもともと統一教会とよく似た体質である(よく知られるようにカルトとみなす国もある)。いろいろな問題があったし、今もある。被害者救済の建前もあり、自民党には池田大作名誉会長を国会に喚問して真相を究明しようという動きがあった。
とはいえ、創価学会員にとって池田名誉会長は某国の金一族と同じで、絶対不可侵である。国会で訳の分からない質問を受けさせる訳にはいかない。だから、自民党もいざという時に証人喚問カードを切ることにより、公明党の譲歩を勝ち取ってきた。
しかし、そんなことをいつまでも続けるのは公明党としても厄介である。それより自民党と連立して、内側から証人喚問を阻止する方が話が簡単になる。結果、嘘のように池田喚問という話は出なくなった。池田名誉会長が亡くなったのはつい最近である。
だから現在では、公明党が自民党と連立する理由のひとつがなくなってしまったのである。もちろん、長年政権側でいい目をみているし、大臣ポストは有形無形のメリットがある(国交省を握れば、全国の建設会社が勢力下)。公明党の中には、次は自分が大臣だ、副大臣だと期待していた議員が少なくないはずである。
一方で創価学会はどうなのか。池田先生の盾とならなくてはならないから選挙協力もし、噂されるように他人の投票券で何回も選挙に行ってきた(かもしれない)けれども、そんなことは信心と関係ない。われわれが勉強すべきはもっと他のことではないのかと思う純粋な人が、創価学会にもいるかもしれない。
世界の動きをみると、統一教会は政界との癒着が原因で存亡の危機にあるし、国内の新興宗教、天理教や大本教、霊友会、立正佼成会、MOA・眞光系などいずれも信者の高齢化により教勢が衰えつつある。
公明党も、選挙のたびに議席を減らす状況である。このあたりで体制を立て直さないと、次の世代に生き残っていけないと思う信者がいない方がおかしい。個人的な好き嫌いは別にして、組織として当り前である。
創価学会は、日蓮の教えに従う宗教団体である。とはいえ、昔は上部団体であった日蓮正宗(日蓮宗の系統)と関係を絶ってしまい、現在は独立した在家信者の集まりという立場である。在家でもちろん構わないけれど、僧籍にないことから日蓮の教え、その源流である天台教学を系統的に勉強する機会や意識がなくなっているのではないか。
安土宗論の時代から、日蓮宗には基礎となる勉強を疎かにし、衆を恃んで他宗を非難する傾向があった。信長はそれを嫌った訳だが、いまの時代も創価学会員の大多数は私より法華経について勉強していないように思える。それをしないで日蓮主義を標榜すれば、大戦前の関東軍と同じである。特に、日蓮シンパには国粋主義的な傾向がある。
創価学会が政治と距離を置き、他の宗教団体並みの関わりにとどめるならば、いまよりずっと宗教らしい宗教になることが期待できる。選挙に使った労力やおカネを恵まれない人達のために生かすならば、今より少しはましな国になるかもしれない。
[Oct 17, 2025]
曹洞宗、どうなんだろう?
先日来、曹洞宗絡みのニュースが続いている。いずれも首をひねる話だし、宗教人がこれでいいのかと思うので、忘れないうちに書いておく。
少し前ニュースになったのは、永平寺の道場で、参禅研修に参加した女子高生のお尻を触った修行僧がいて騒ぎになったという事件である。
永平寺といえば、道元禅師が自ら開いた数少ないお寺のひとつで、いまでも禅の総本山といえば永平寺というほどの名刹である。
こういうニュースを聞くと、こいつらは禅の修行を何と思ってやっているんだろうと思う。悟りを開かなくても関係ないし、すぐれた修行者・雲水になる必要もない。何をしても生活には困らないと思っている寺の跡取りなのだろう。こういうのが住職になるのだから、嘆かわしい。
仮にそう思っていたとしても、していいことといけないことが分からないのは致命的に頭が悪い。小学校の先生になって盗撮するバカもいるように世の中そういう連中ばかりなのだが、立場上まずいと思ったらちゃんとカネを払ってそういう店に行けば済むことである。
家の奥さんに言わせると「そういうところじゃ興奮しないんじゃないの?」ということなのだが、身の破滅とどちらをとるか考えれば、答えは明らかである。だからコスプレとかそういう店がちゃんとある。永平寺だと遠いかもしれないが、総持寺に出張する時まで我慢しろ。
女子高生だって、みんながみんな授業だから仕方なく受けている訳ではない。せっかくだから禅を勉強したい、悟りに近づきたいと思っている生徒だっていたかもしれない。そこでろくでもない会社のセクハラみたいなことをされたら、仏教すべて、社会全般すべて信用ならないと絶望してしまうだろう。
そんなニュースに考え込んでいたら、今度は札幌でお供え物を盗んだ老女が逮捕されたと報道があった。
たまたまお供え物のお菓子を盗んだという話ではなく、ご本尊に供えられている大量のお菓子を根こそぎ持って行ったようだし、常習性もあるらしい。警察では賽銭泥棒との関連も視野に調べているとのことで、犯人に同情することはないけれども、撮影された寺の様子やうれしそうに取材される住職を見て、この人は宗教者と言えるのかと思わざるを得なかった。
お供え物は、神様や仏様に供えられた時点で持ち主は神様仏様である。「これはお供えした後、檀家の皆さんに出すお茶菓子です」なんてのは寺が勝手に言ってるだけであって、誰かが持っていったら神様仏様がその人に渡したと考えなくてはならない。賽銭だって本来はそうである。
本堂に自由に出入りできるようにすると、長崎県みたいにご本尊が朝鮮半島に持ち去られたなんてこともあるから、戸締りをするのは仕方がない。それでも、供花やお供物は大目に見るべきであろう。慈悲と布施は仏教の基本中の基本である。
この寺の宗旨も曹洞宗である。道元禅師がこの話を聞いたらどう思うだろう。「心身脱落、脱落心身」だろうか。そもそもこの住職はちゃんと座禅して大悟したのか。道元と同じ悟りを開かなければ、本来は曹洞宗の法統に続かないはずだが。
現場を押さえて「免許証を出せ」が大悟した禅師の言うこととは思えないし、見て見ぬふりはできなかったのかと思う。諸般の事情で警察に連絡せざるを得なかったとしても、得意げにTVに出てくることはない。ご本尊まわりも金ピカで、禅寺とは別のものである。
今日の曹洞宗は道元が中国から伝えた教えとは違うという指摘もあるけれども、曹洞宗を名乗る以上、それ以前に禅宗なり仏教を名乗る以上、迷える衆生を救わなければならない。それが宗教として当り前の姿だろうと思う。
営利企業や個人商店と同じふるまいをするなら、宗教法人として無税にする理由はない。こういう寺が、墓を分譲した儲けやお布施だの戒名だのの実入りで、ベンツやアウディを買って檀家回りするのである。別に無一文になれとは言わないが、宗教を「稼業」と考える坊主のお経では誰も成仏しないだろう。
[Oct 18, 2025]
寺に忍び込みお供物を盗んでいた老女が逮捕された。常習らしいしお賽銭などを盗んだ余罪があるみたいだけど、被害届を出してTVの取材に答える寺もどんなものだろう。この寺も曹洞宗。

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